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Photo by20oc_b

結婚一年で気づいた、選択肢のある人生の終わり

    「ヨーロッパ旅行か......」
    自分は嫉妬心の薄い人間だと思っていた。
    だけど最近、同級生のインスタを見ると、少し呼吸が苦しくなる。

    結婚して一年。仕舞い込んでいたifが、心の中で波立つようになった。

    もし、進路選択で地元の医学部を選んでいたら?
    もし、東京の大学を選んでいたら?
    もし、4回生で違うラボを選んでいたら?
    もし、あのとき心身を壊さなかったら?
    もし、大企業に入社していたら?
    もし、都会のパワーカップルになっていたら?
    もし――

    今とは違う階層になれたかもしれない。
    いや、あともう少しだけ手を伸ばせば、すぐ届く距離にあった。


    そんなときふと、高校時代の会話を思い出す。

    「私、博士になりたいんだ」
    「あー、めっちゃ想像できるわ」
    「でも漁師のお嫁さんにもなりたいんだよね。あと、高等遊民にもなりたい」
    「なにそれ笑」


    (......叶ってしまったな)

    私の夢はずっと、知識欲を満たし、家庭的に、のんびり暮らすことだったのかもしれない。

    定時で帰宅して、だらだらと寝転がり、ネットで面白いものを探す。そして夕食を作り、夫の帰りを待つ――
    そんな今の生活は、かつて描いた姿と図らずも一致しているではないか。


    収束――
    枝分かれしていた未来が、20代後半にして、一本に収束した。

    これから先、きっと昔ほどの選択肢はないだろう。
    でも、それで良い。
    残り3分の2ほどの人生を、穏やかに歩んでいきたい。

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