
夕暮れる 橋の上でジーサンと
ジーサンがめっちゃ一生懸命真剣にスマホを向けていた。
だから並んでスマホを向けた。
知らんジーサンだ。でも並んで撮りたくなった。
ジーサンは真剣すぎてこちらも話しかけなかったし、
向こうも話しかけてこない。
が、目が合った。
互いに「うん」みたいに頷き合った。なんやねん。わからへん。
たぶんぜったいに慣れてへんやろうスマホを構えてめちゃめちゃ粘ってて、
わたしは隣に並んでぱしゃっといつも写真を撮るときのように
雰囲気を雰囲気だけというかびゃっと撮って去った。
足早に人が通り過ぎて行った。
いつもはチャリで爆走している道だがこの時間に通ることはめったにない。
今日はちょっと仕事で練ることやアタマの整理に歩きたくなって通った。
ほんと。ちょっと嘘。
お気に入りの梅干しが切れたから買いに行こうとしていた。
誰ですか。焼酎に入れるんや。とか思った人は。
違う。毎朝朝早くこれで白湯を飲まないと一日が始まらないし、
己で作り食らうおにぎりにはぜったいに欠かせない。
秋は夕暮れ。朝は梅干し。全然語呂があってへん。
風景だの何だのを撮って自意識ぎらぎらの不自然な加工をして
アップし私の世界だのなんちゃら世界だのというのは愚かだとわたしは思っている。
でも通りがかった夕暮れを必死に撮っていたジーサンの姿は美しいんじゃないか。
人間はぜんぜん美しくないが皆とても美しい。
ええ写真撮れてるかな。暮れるまでに撮れたんかな。
どないやろ。わからへん。
そもそもあいつすら幻やったんかもしれへん。
やっぱ仙人かな。いや、人間。
また橋の上で会おうジーサン。顔も覚えてないけれど(笑)

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構成作家/ライター/エッセイスト
momoこと中村桃子(桃花舞台)と申します。
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今日も皆元気でね。