
スリランカパンチャカルマ体験4
パンチャカルマまとめ4

パンチャカルマも後半に入り、身体の変化だけでなく、心のあり方にも大きな変化が現れ始めました。
11日目の朝、目覚めた時にふと気づいたことがあります。
私はいつからか、「調和」という感覚を忘れていたのかもしれない、と。
仕事を変えた頃からなのか、それとも婦人科の手術を経験してからなのかは分かりません。
けれど数年前は、毎朝の重だるさや疲労感、イライラ、生理痛などを当たり前のものとして受け入れながら生活していたように思います。
もちろん持病はあります。
けれど今の私は、その病気によって不幸なわけではありません。
アーユルヴェーダは「病気がない状態」だけを健康とは考えません。
病を抱えていても、その人らしく幸せに生きられているかどうかを大切にします。
そう考えると、私は今十分に幸せです。
こうして一人でスリランカへ来られる身体があり、支えてくれる家族や友人がいて、学びたいと思える気力もある。
そんな当たり前ではないことへの感謝を、改めて感じることができました。
この日は雨の中でのシロダーラ2日目。
本来なら中止になるかと思っていましたが、「今日はシロダーラの後に薬を飲んで、部屋から出ないこと」という条件付きで施術を受けることになりました。
30分の施術は体感ではわずか数分。
眠っていたわけでもないのに、思考が完全に静まり、深い瞑想状態に入ったような感覚でした。
12日目になると、さらに変化を感じるようになります。
ここへ来てから、「ながら食べ」をしなくなりました。(そういう環境もありますが)
日本にいる時は、食事をしながら仕事のことを考えたり、SNSを見たり、次の予定を組んだりしていました。常に何かをして、次の予定を考えて、目標を立てたり勉強してみたり。
ところが今は、ただ食べる。
ただ本を読む。
ただ海を眺める。
そんな時間が自然に増えていました。
一方で、時々は「こんなにのんびりしていていいのだろうか」という罪悪感が湧いてくることがありました。けれど、それすらも含めて今の自分なのだと思うようになりました。
また、この日はフットマッサージの時間を忘れて30分遅刻してしまうという失敗も。
時間に厳しい日本で暮らしていると忘れがちですが、人に対するおおらかさや優しさもまた大切なのだと感じた出来事でした。
13日目は、初めてのサルヴァンガダーラ。
大量の温かいオイルを全身に流し続ける、なんとも贅沢なトリートメントです。
セラピストとして理論は学んでいましたが、実際に受けるのは初めて。身体全体がオイルの湯船に浸かっているような感覚で、これまで体験したことのない心地よさでした。
施術を受けながら、なぜか子どもの頃の自分を思い出しました。
何をするにも少しゆっくりで、朝も弱く、マイペースだった頃の自分。
いつの間にか努力することや頑張ることが当たり前になり、本来持っていた穏やかさを忘れていたのかもしれません。
私の中には思っていた以上にKapha的な性質があるのだなと。
そんなことを考えながら過ごしていました。
ただ、この日は施術後に頭痛が出現。
夜にはオンライン勉強会もありましたが、途中で断念し、19時過ぎにはベッドへ入りました。
「体調が悪い時は休む」
そんな当たり前のことを、ようやく自分に許せるようになった気がします。
14日目。
前日の頭痛はすっかり消えていました。むしろ首の痛みまでなくなり、鍼治療の効果に驚かされます。
この日もサルヴァンガダーラを受け、施術後は部屋で静かに過ごしました。
そして食欲はクリーニングディ前よりずっと落ち着いていて、夕食もスープとパパイヤだけ。
「もっと食べなければ」という感覚がなくなり、自分にとって必要な量が自然と分かるようになってきました。
夜にはメディテーションクラスに参加。
参加者は誰もおらず、またしても先生とのマンツーマンでした。クラスの最後に先生がマントラを唱えながら白い紐を手首に結んでくれました。
「ピリットヌール」という護符の糸です。
その小さな贈り物に、この土地の人々の優しさや祈りの文化を感じます。
11日目から14日目を振り返ると、この期間は「回復」に近い時間だったように思います。
身体の重さや不調が少しずつ抜けていく一方で、心の緊張や焦りもほどけていく。
何かを達成しなければと思う自分。
頑張り続けようとする自分。
常に効率を求める自分。
そんな自分を少しずつ手放しながら、本来の穏やかなリズムを思い出していく。
パンチャカルマは単なるデトックスではなく、自分自身との関係を取り戻していく旅でもあるのだと感じた数日でした。
