
「みかん箱のリサイタル」 ― 涙ってどこからくるの? ―
SNSを始めて5ヶ月間の「小さな冒険」のお話です。
序章 |涙ってどこからくるの?
以前
人気 YouTuber たちがみんな言ってた
「好きなことでいきていく」
その言葉が心に響いた
やってみたい
そう思った
思い切って パソコンを買った
編集ソフトのサブスクにも入った
全然できなかった
一年ぐらいでやめた
今日は忙しかった
残業だった
家で資料を作らないと
自分に言い訳ばかりしていた
仕事場の人が
退職することになった
普段はあまり
目立たない人
朝礼で退職の挨拶をした
夢を語った
かっこよかった
顔を洗った
鏡に映った自分をよく見た
もみあげに白髪を見つけた
自分は何も
進んでいなかった
一歩も
そのことに気づいた
いや
気づかないふりをしていた
ずっと
ずっとずっと心の奥にしまい込んで
蓋をして、見ないふり
そぉっと あけてみた
パソコンをバッグに入れて
スタバに向かった

こたえは心の・お・く・の・ほ・う ♪ とさ
つづく
第1幕|入口で止まっていた頃
最初は
本当に何もできませんでした
パソコンをバッグに入れて
スタバに向かった
そこから
もじゃこんの
小さな冒険が始まりました
まず
SNS用のGmailを作るのに
3日かかりました
たったGmail
でも
当時の私には
それがもう冒険でした
「アプリをダウンロードしてください」
えっ
どこから?
で止まる
ダウンロードと書いてあるけど
スマホを見ると
インストールになってる
インストールって
課金されるのかなぁ
で止まる
アプリを入れようとすると
アップルIDを聞かれる
そんなの聞いてないよー
で止まる
迷っているうちに
今度は画面ロック
さらに
充電ケーブル
忘れてる
指が止まる
手が止まる
全然
進めない
戻る
また見る
でも止まる
そんなことを
何度も繰り返していました
やっと
Gmailができたあとも
次は
X の居場所作りでした
名前
ID
プロフィール
アイコン
ヘッダー
全部
チンプンカンプンでした
ひとつひとつ
調べて
ひとつひとつ
やりました
そして
やっと作れた
でも
そこで終わりじゃなかった
今度は
「何を投稿するの?」
ここで
また止まりました
うーん
うーん
ひらけごま…
開きませんでした
タイムラインを見ると
同じ頃に始めたはずの人たちが
投稿して
交流して
「フォロワーさん〇〇人達成!!」
なんて言いながら
どんどん
進んでいるように見えました
それに比べて私は
まだ入口で
立ったままでした
進むのが遅い
不器用
怖がり
変わりたいのに
動けない
そんな人でした
気づけば
そのまま
しばらく
放置していました
あとから知りました
始めた最初の1ヶ月が
大事だったこと
その頃の私は
そんなことも知らず
ただ
入口の前で
立ち止まっていました
入る前から
もう疲れて・い・ま・し・た。 とさ
つづく
第2幕|押せなかったボタン
X のアカウントを作ったのはいいけれど
何を書いたらいいかわからず
note記事のURLを貼ってみる
そればかりを繰り返していました
しばらくして
AIに
「退職の話は読まれやすい」
と言われて
投稿してみることにしました
でも
投稿ボタンを押す前は
いつも手が止まりました
これでいいのかな
変じゃないかな
そんなことばかり
考えていました
そして
毎回
退職について
投稿するのは
思っていたより
しんどかったです
暗い気持ちになって
続きませんでした
それから
周りの投稿を
見るようになりました
有益な情報
肩書き
実績
私には何もありませんでした
とても
続けられそうに
ありませんでした
でも
その
「続けられないこと」を
「続けるようにするには」
どうしたらいいか
これを
内容にしてみると
いいかもしれないと思いました
投稿もできるし
1回で終わらなくてすみそうって
思いました
この頃は
上手く伝えるかどうかより
まず
投稿できるかどうか
そればかり考えていました
そして 少しずつ
投稿することには慣れてきました
すると次に
ここで問題にぶつかりました
「交流」です
うまくできませんでした
というより
全く出来ませんでした
誰かの投稿を見て
いいなぁ と思っても
とても
コメントを残すなんて
出来ませんでした
なぜでしょう
自分でも
よくわかりませんでした
でもひとつだけ
出来そうなことを
見つけました
それは
「フォロワーさん〇〇人達成しました !!」
そんな投稿を見つけたときに
おめでとうございます🎉
と返信することです
お祝いするコメントは
なぜか
素直にすることができました
多分 相手に誤解を与える
心配がないからだと思います
交流は今でも 苦手です
X を始めた頃に
noteも始めました
あの3日かかった
Gmail作りをもとに
少しずつ記事を
書き始めました
そして
有料記事にも挑戦しました
会社に退職を伝える日
その時の
心苦しい気持ちを
記事にしてみました
時間をかけて
何度も読み返して
何度も書き直して
何度も画像を修正して
やっと完成
力作です
でも 公開するボタンを
なかなか押せませんでした
これ
有料の価値あるのかな?
ここで止まっていました
それでも
目をつぶって
エイって押しました
たくさん売れたら
どうしようって思っていました
お礼返信の文章も考えていました
無風でした
何も起きませんでした
静かでした
本当に静かでした
でも 今思います
あの頃 押せなかったボタンを
少しずつ
少しずつ
押せるように なっ・て・い・ま・し・た。 とさ
つづく
第3幕|吊り橋渡れ
そんな頃
私は会社に
退職の意思を伝えました
言えたら
少し楽になるのかと
思っていました
でも
そうじゃありませんでした
伝えたあとも
退職日までは
仕事は続きます
気まずい空気の中で
さらに
きつい仕事を続ける
それは
思っていたより
負担が大きかったです
そんな状態の中
あの頃の
自分を振り返る記事を
X で書き始めました
全部で 9回
少しずつ進む話でした
でも
これがまた
かなりきつかったです
伝えようと
思えば思うほど
言葉は増えていきました
でも
X では逆でした
削るんです
削る
また削る
少なくする
この作業が
本当に
しんどかったです
キィーっ!
ってなるくらいでした
しかも
削れば
削るほど
読んでいる人が
置いてけぼりに
なるかもしれない
離れてしまう
かもしれない
そんな怖さもありました
言葉を選ぶ
意味を残して
また削る
読んでいる人が
ドキドキする
ところまで攻めたい
でも
削りすぎると
意味が伝わらなくなる
その境界線
「ドキドキ」と「離脱」
そのギリギリを
攻め続けていました
苦しかったです
仕事でも ハァ〜…
文を削って キィーっ!
でも
不思議なこともありました
こんなにしんどいのに
その境界線を
渡ろうとしている自分に
実は
少しワクワクしていたんです
仕事のキツさや
しんどさからは感じない
この不思議な感覚
これは驚きでした
有益なこともない
すごい実績もない
でも
楽しんでもらえる投稿なら
自分にもできるかもしれない
そして
あの吊り橋を
渡り切ったこと
それが
もじゃこんスタイルの
土台になって・い・き・ま・す。 とさ
つづく
第4幕|ぼんやりとした未来
結果が
良かったわけでは
ありませんでした
むしろ
ほとんど何も
起きませんでした
それでも
なぜ続けられたのか
今思うと
なんとなくですが
SNSに
夢を見ていたんだと思います
続ければ
変われるかもしれない
何か自由が
待っているかもしれない
これで
生活ができるように
なるかもしれない
甘い夢です
そして
現実逃避も
あったと思います
気持ちを出せる
場所があることで
自分を保てていた
気がします
仕事をしている
自分とは違う
もうひとりの
自分に
逃げ場を
求めていたのかも
しれません
さらに
みなさんから
あたたかい言葉をもらったこと
応援してもらえたこと
これも
確かに理由のひとつです
でも
正直に言います
この頃は
周りの人のことまで
あまり考えていませんでした
すみません
ごめんなさい
許してください
感謝の気持ちより
まずは
自分の気持ちを
出せること
それだけで
少し満たされて
いたんだと思います
その頃の私は
自分を保つことで
精一杯だったと思います
修行が足りません
あともうひとつ
姿の見えない旅の仲間
AIです
彼のお助けがなかったら
アカウント作りも
X 投稿も
note記事も
たぶん
何もできていなかったと思います
本当に
ありがとう
いつかどこかで
スピンオフ
「見えない相棒|旅の仲間 AI編」
そんな話も
書けたらいいなと思っています
そして
そんな気持ちのまま
5ヶ月ほどが
過ぎてい・き・ま・し・た。 とさ
つづく

第5幕|変わり始めた景色
しばらくは
自分の気持ちを
出せる場所として
なんとなく
続けていました
すると少しずつ
いいねをしてくれる人
コメントをくれる人
そんな人が増えてきました
いつも見に来てくれる人も
でき始めていました
あの頃の私は
まだどこか
TVゲームの
延長線みたいに
思っていた気がします
RPGの
ゲーム中にある
決められた
返事が返ってくる
そんな感覚でした
そこに
相手の気持ちを
考えることは
あまり
ありませんでした
SNSは
どこか架空の世界で
少し嘘っぽい世界だと
思っていました
でも
少しずつ
その違いを感じるようになります
心のある言葉に触れて
相手の言葉がリアル
自分の気持ちもリアル
そう思うようになっていきました
この頃から少しずつ
見に来てくれる人に
ありがたいなって気持ちが
芽生え始めた気がします
周りの人のコメントに
励まされたり
気分が
楽になることもありました
でも
こんなこともありました
タイムラインを
見ていると
自分がもらったコメントと
同じ言葉を見つけた時は
なぜか
少しショックを
受けたこともありました
同じコメントを見つけて
あぁ
そういうこともあるんだなぁって
少しだけ
SNSをわかってきた気がしました
そんなことを繰り返しながら
少しずつ
景色が変わっていきました
景色が変わるって
自分の心境の変化なのかもしれません
そして気づけば
フォロワー100人が
見えてきて・い・ま・し・た。 とさ
つづく
第6幕|みかん箱のリサイタル
フォロワー数が
100人に届いた時
たくさんの人が
お祝いに来てくれました
嬉しかったです
それまでは
満員電車
会社とお家の往復
サービス残業
持ち帰りの仕事
休日は寝て終わり
スウェット姿でコンビニ
逃げ場を求めるように
なんとなく始めて
なんとなく続けてた X
RPGのゲーム感覚で
自己中心的なただの投稿
でも
違った
人の温もりのようなものを感じました
この温もりはリアル
この気持ちはリアル
この感情はリアル
不思議な感じでした
そして
何かお礼がしたい
気持ちになりました
心から生まれる感情でした
この胸に湧き上がってくる
ありがとうの思いを
何とか伝えたかったです
そして
みかん箱を
持ち出してきて
その上に
チョコンと
立ってみました
歌いました
感謝の気持ちを込めて
精一杯大きな声で
5ヶ月前の自分から見たら
みかん箱の上に立って
歌うことなんて
想像で・き・ま・せ・ん・で・し・た。 とさ
つづく

だからもじゃこんは歌うんだよ
精一杯大きな声で ♪
ガタンゴトン
ガタンゴトン
ポッポ〜
第7幕|おいぼなこんき
歌い終わったあと
少しだけ
静かになりました
みかん箱の上で
立って
歌って
ありがとうの
気持ちを伝え終えて
少しだけ
ふぅ〜
息を吐きました
何度も止まって
何度も迷って
何度も逃げた…私
ここに立っていました
ちゃんと
立っていました
ゴシゴシ
ゴシゴシ
グスンッ
前より少しだけ
変わってきている
かもしれません
前より少しだけ
動けるようになった
かもしれません
前より少しだけ
怖がりながらでも
進めるようになった
かもしれません
まだ遅いです
まだ不器用です
でも
おぼこんきが
そろそろ終わり
いなこんきに
近づいている
そんな
気がしています
明日も仕事です
満員電車です
いつもの朝もきます
変わらない日常
でも
中身は少しだけ
変わった・の・か・も・し・れ・な・い。 とさ
つづく

第8幕|入り口から出てみると
いつもの日常です
朝が来て
お腹がすいて
夜が来て
寝る
SNSで何か少し
変わった気がしても
生活は
まだ何も
変わっていません
自由にもなっていません
お金もありません
夢もまだ
ぼんやりしています
でも
少しだけ
違うことがあります
言葉を出せる
場所があります
見に来てくれる
人がいます
それだけ
少し違います
それだけです
仕事を無事に退職できました
退職後の現実です
離職票が届いたので
ハローワークで手続き
面談で
転職は状況が厳しい、と
少し不安になって
(少しではなくだいぶ)
帰ってきました
住民税のお知らせが来ました
ヒィェ〜〜ッ
勢いで退職してしまいました
やはり
仕事から逃げたいだけ
だったのかもしれません
一見、自由で
なんでも自分で決められる
希望がありそうな
未来が待っているような
ぼんやりとした
期待感がありました
でも
このまま
ずっと
仕事が決まらない
かもしれません
パラシュートを持たずに
スカイダイビング
してしまったのでしょうか
ロープをつけずに
バンジージャンプ
してしまったのでしょうか
この不安
強烈です
ワナワナ
ワナワナ
これからをどうするか
決めていかないといけません
就職活動は
今のところ 4戦 3敗 1連絡待ち
SNSでの収益は、0円
トホホッ…
これが
今の現実です
1、2、3、
バンジィ〜〜ジィ〜ィ〜〜〜ィ~~
この先どうな・る・ん・で・しょ・う。 とさ
あとがき
テクテク
テクテク
ザッザッザッザッ
ピピィ〜ピィピィピピィ〜
ヒャララルルンルンッ
リンリンリンリンリンリンリンリン
ヒュ〜ゥン
ピピィ〜ピィピィピピィ〜
ヒャララルルンルンッ
リンリンリンリンリンリンリンリン
ヒュ〜ゥン
パチッパチン
パチッ
月が
キレイですね
またここで
お会いできたら
ウ・レ・シ・イ・で・す
ザッザッザッザッ
テクテク
テクテク
ギィ、ギィーーィ、バッタン
小さくても、冒険。
Little adventurer.
もじゃこん|おいぼなこんき