
小鳥と糞と
423分の1。
これが何の確率を指すか、ご存知だろうか。
これは、『鳥の糞が直撃する確率』である。
私も調べて初めて知ったのだけれども、6億の宝くじが当たるのと同じくらいらしい。
何故こんなくだらないことを調べたのかというと、文字通り鳥に糞を落とされたからである。不運。
木の下とか、電柱の下とか、巣の下とか、鳥のテリトリーで糞を落とされたのなら、こちらにも非があると思えるだろう。そういった場所の地面には乾いた糞がこびりついていることも多いし、こちら側の不注意とも言える。
けれども、私が糞を落とされたのは、だだっ広い河川敷である。ベンチで恋人と談笑しているとき、突然首筋に糞を落とされたのである。
驚いて周りを見ると、犯人と思しき鳥が、呑気にパーゴラで羽を休めていた。
周りには川、草地があり、人もそこまで多くなかった。にも関わらず、ピンポイントで私の首筋に糞を落としてきたあの鳥はきっと性格が悪い。可愛い顔をして恐ろしいやつ。
私は優しい人間ではないので、日常で出会う嫌な人にはささやかな不幸を祈ることにしている。
例えば、通勤電車で目の前の席が空いたのに割り込まれたときは、その人が今日1日全ての信号に引っかかりますように、と祈る。わざとぶつかってくる人には、小指を箪笥の角にぶつけますように、と祈る。日常生活の、「ちょっと嫌なこと」が起こることを想像して、私の復讐は完了する。
さて、私に糞を落としてきたあの鳥にも、ちょっとした不幸や不運が訪れて欲しいのだが、鳥が何を嫌がるのかをまるで知らない。悩みどころである。まあ、きっと人よりも嗅覚が鋭いだろうから、奴の近くにいる犬や猫がとても臭い糞を落としますように、と祈ることにする。
目には目を。糞には糞を。
とはいえ、別に本気で怒っているわけではなく、むしろ笑い話のネタがひとつ増えたな、ぐらいにしか思っていないのだけれど。
そういえば江ノ島に行ったときも、トンビにコロッケ奪われたな。鳥に狙われがちなんだろうか。なんてことを考えながら、糞がついたTシャツをゴミ箱に捨てた。