一度だけ会えるなら
SNSで見かけた。
「亡くなった人を一度だけよみがえらせることができるとしたら、誰に会いたいですか?」
私は迷わず、大好きだった叔母を選ぶ。
子どもの頃から、ずっと私のことを気に掛けてくれていた叔母だ。
私が子供の頃、母と祖母の仲は悪く、私と祖母との関係も決して穏やかではなかった。
私は子どもながらに、いろいろな思いを抱えて育った。
そんな中で、叔母は私を心配してくれる存在だった。
もう一度会えたなら、「ありがとう」と伝えたい。
そして、「ごめんなさい」とも伝えたい。
叔母が亡くなったことを母は知っていた。
けれど、その知らせは親族の誰にも届かなかった。
私は後になってその事実を知った。
お葬式にも行けなかった。
最後のお別れもできなかった。
本当は行きたかった。
花を手向けて、手を合わせて、「お世話になりました」と言いたかった。
その機会を失ったことは、今でも私の心に残っている。
だから私は母を許せない。
施設に入ってから会いにも行っていないし、死んでも葬儀にも出たいとは思えない。
世間から見れば冷たい娘なのかもしれない。
それでも、人の気持ちは外からは分からない。
長い年月をかけて積み重なったものは、一言で消えるほど軽くはない。
もし本当に一度だけ会えるなら。
私は叔母にあって、ごめんなさいと伝えたい。
今までありがとうとも。
見送ってやれなくてごめんなさい。
今でもいつまでもそう思っている。
