
#調理エッセイ (炊事補佐人の)夕飯助っ人日記 その6 プラムジャム
我が家では、もう三十年近く、ジャムは自家製です。
毎年、イチゴ、プラム、アンズ、そして年末の柚子。時々番外で梅とかブルーベリーとか、なども。枇杷とか柿とか、カリンとかも試してみましたが、うまくできませんでした。

その三十年ほど前のこと、それまで疎遠だった伯母を軽井沢に、うちの奥さんと、ひと夏訪ねたことがありました。
その時、ルバーブのジャムを一緒に作りました。
ふたりで、一生懸命、その時の伯母のやり方を吸収しました。
これが始まり。
この時の記憶で、後年、ジャム作りのエピソードの入る避暑地の小説、子どもたちが夏の高原を駆け回る小説を書きました。
NOTE上にあります。「千ヶ瀧物語」です。
翌年もまた、ルバーブジャムを作りたくなって、軽井沢まで買いにいったりしたものです。

檸檬で変色を抑えながら、たっぷりのお砂糖をまぶして水分を吐き出させます。
今年手に入れたプラムは優秀で、琺瑯(ホーロー)鍋の縁近くまで水が上がってきました。
二度のルバーブジャムの後、少しジャム作りの間が空きました。
そして、その頃住んでいた場所のご近所さんの、川向こうの実家から、ある年末、柚子をどっさり頂きました。
そのお宅の使い切れない大豊作のおかげ。
こんなに沢山の柚子、
どうしよう……。
で、ふと思いついたのがジャム。
美味しく出来て、翌年末、何とかまた柚子ジャムをと思っていたら、渡りに船。
中学以来の友人が、
え? ジャム? 柚子で? じゃ、今年はうちに来て、作ってってよ。
〈うち〉というのは彼が少年時代に住んでいた家で、ご両親が亡くなって、彼が管理していたのです、そこの大きな柚の木。

今年のプラムはたっぷり水分を吐き出してくれました、
保管しておいたガラス瓶の煮沸消毒も一緒にやってしまいます。
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彼の家の柚子ジャム作りは十数年続きましたが、その木もついにあるとき切られてしまいました。
そこで我が家に苗を植えました。
いまでは、良く実ります。

話を戻して、プラムは灰汁との闘いの様相を呈します。
私がかき混ぜていると、奥さんが横から手を伸ばして、灰汁を掬っていきます。
お砂糖を適宜加えてゆくのは奥さんの仕事。
絞ったレモンで、酸味を調節します。
レモンを加えると、何だか味が立体的になります、
私は、それが好きです。
プラムのタネは、まだ残してあります。
すっかりジャムになる頃には、種からすべての果肉がとれて、つるんとなります。

今年も出来ました。
自家製は、甘さと粘度を好きに出来るから、やめられません。
瓶詰めして、今日の作業はおしまい。
あ、まだ、ダメ。調理器具を洗って、拭いて、棚にしまって、それで、今度こそ、おしまい。
奥さんが、ラベルを作っています。

1.6kで、水は一滴も使わずに、9瓶、出来ました。
今年のこれ、いつまで楽しめるでしょうか?
去年のは、ついこの間、最後の瓶を食べきりました……。
さて、次回はマガジン調理エッセイ (炊事補佐人の)夕飯助っ人日記で