
「い・ろ・は・す」に色がついた日の大事件
「u5さん大変です!
い・ろ・は・すに色がついています!!!」
研修担当の主任さんが私のもとに飛び込んできました。
私の頭も一瞬フリーズ。
あ……どうしよう……。
こんにちは。u5_kk(ゆーこ)です。
本日は、私が担当した新人研修の一幕を振り返ってみようと思います。
実は私、摂食・嚥下(えんげ)障害看護認定看護師の資格を持っています。
簡単に言うと、
「うまく食べられない・飲み込めない」という悩みを持つ方に寄り添い、
どうすればその人らしく最期まで口から食べられるか、
あるいはどんな栄養の摂り方がその人にとって幸せなのかを
一緒に考える専門職です。
私自身、食べることが大好き。
だからこそ、病気や加齢で困っている方の力になりたくて
この道を選びました。
そんな私が、毎年4月の新人研修で担当しているのが
「食事介助・栄養管理・口腔ケア」の講義です。
それと「い・ろ・は・す」に何の関係があるの?
と思ったそこのあなた。
そうですよね。わかります。
実は新人研修で、毎年こんな演習をしています。
普通の水と味付きの水のペットボトルを用意します。
あらかじめ両方ともラベルをはがします。
(ラベルをはがせば、見た目は両方とも水に見えるものを用意)
↓
普通の水と味付きの水をそれぞれコップに入れます。
↓
ランダムに配ります。
↓
参加者のみなさんに「良かったらどうぞ、飲んでくださいね」といいます。
ちなみに「これはお水です」という説明は一切しません。
研修の途中に、突然、ペットボトルを取り出し、
開栓し、コップに入れ、配ります。

すると、配られた参加者の反応は……
隣近所と顔を見合わせる人。
においを嗅ぐ人。
そっとコップを置き、飲まない人。
気にせず一気に飲む人。
十人十色、様々な反応がありますが、
たいていの人は隣近所の人と顔を見合わせながら、
においを嗅ぎつつ、
ゆっくりと口をつけて、飲んでくれます。
なんでこんなことを研修中にする必要があるのか。
それは、私の職場には多くの高齢の方々が入院をするから。
一口に高齢者と言っても個人差はありますが。
同じ年齢でも、
自立して身の回りのことを何でもできる方もいれば、
寝たきりとなり、
生活のすべてに介助が必要な方まで様々です。
ただ、疾患や加齢の影響で
目が見えづらい方、耳が聞こえづらい方、
匂いがわかりづらい方、
理解するスピードがゆっくりの方、
認知症を患っている方も多くいるのは現実です。
そういう高齢の患者さんに同じように「お水です。どうぞ。」
と言わずにコップを差し出してみてください。
目が見えづらい方は、
何を差し出されたのかよく見えず、
口をつけないかもしれません。
耳が聞こえづらい方は、
何をもらったのか聞こえなかったため、
口をつけないかもしれません。
匂いがわかりづらい方も
「この液体はなんだろう?飲み物?薬?飲んではいけないもの?」
よくわからず、結果口をつけないかもしれません。
認知症の方は、症状により様々な反応があるでしょう。
もちろん、普通に
「ありがとう」と受け取って、飲んでくれる方もいます。
しかし、飲んではいけないものだとしても
「どうもありがとう」とにっこり笑って飲み干そうとする方。
ただ、何もせず、じーっと眺めているだけの方。
(そもそも認識されていないか、症状の1つアパシー=無気力による)
「なんだこれは?毒を飲ませようってのか?」
と言って怒り出す方。
「あなたは誰?私、どこにいれられちゃったの?帰らなきゃ!」
とパニックになり、水を受け取っている場合ではない方。
などなど。
そんな患者体験をしてほしかったのです。
私の職場は急性期病院です。
患者さんたちは、急性疾患により、
突然の入院を余儀なくされる場合が多いです。
入院した時は「あ~、入院か……」と思うことでしょう。
でも、ひと眠りして目覚めたら、見慣れない景色。
しかも、お揃いの服を着た人たちがバタバタと動き回っている。
聞きなれない言葉を発しながら。
「なんだここは?」と思うでしょう。
そして、腕や胸を見れば紐につながれている。
(点滴や心電図モニターのことです)
熱で朦朧とした状態だったら、
なおのこと、パニックに陥ることでしょう。
きっと、状況が思い出せるまでは、
大変な不安に襲われることと思います。
研修参加者のみなさんは、まだお若いし、
認知機能の低下もありません。
視覚、聴覚、嗅覚などの五感も、特に問題ないでしょう。
それでも、今日初めて会った研修講師から、
何も言われずに配られた水らしきもの。
それを「どうぞ飲んでください」と言われて、
少々戸惑ったことでしょう。
長々と語りましたが、「い・ろ・は・す」の意図はそういうことです。
結局、「い・ろ・は・すに色がついてしまった問題」を
どう解決したかというと……。
研修担当の主任さんが機転をきかせて、
「お水」と「OS-1」を急遽用意してくれたのです。
おかげで見事解決!
今年の研修も、予定通りこなすことができました。
本当に感謝です!
認知症についてですが、
医療・介護者向けの本はたくさんあれど、
誰が読んでもわかりやすいという点では、
私は個人的にこの本、良いと思いました。
読書苦手の私でも読めたので。
ちなみに、今回の記事の参考文献でもあります👇
そして、「い・ろ・は・す」に色がついたことですが、
2025年4月21日のリニューアルからだったそうです。
フルーツをイメージした鮮やかな色味へのリニューアルにより
「フルーツの味わいがきちんと楽しめる印象」となっているようです。
以前は「水だと思って買ったら甘かった」
というご意見もあったと聞きます。
ちなみに、昨年の研修はギリギリ、リニューアル前でした。
そして2026年3月、さらなる進化を遂げたようです。
「い・ろ・は・す もも」は色合いが、
「い・ろ・は・す シャインマスカット」はパッケージが、
リニューアルしました。
なんだか「い・ろ・は・す」の回し者みたいになってしまいましたが、
全然違います(笑)
ちなみに、「い・ろ・は・す」のリニューアルに関しては
以下の記事を参照しました👇
そして「い・ろ・は・す」公式サイトはこちら👇
「い・ろ・は・す」に色がついたことを知らなかった私は、
研修直前にずいぶんと焦りました。
けれど、患者さんの『日常の戸惑い』を想像する大切さを、
新人さんたちの新鮮な反応から
私自身、改めて教わった気がしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。