
小説(仮題)水影
以下、注意書きです。
*この物語は作者の想像力に基づいて創作されたミステリーものです。
ショッキングな表現、比喩的な表現、死を連想する表現等ございます。苦手な方はご遠慮ください。
また、表現にあたってはあくまで作者の想像の範疇でのものです。
実在の人物や団体とは関係ありません。
大丈夫な方はどうぞ ご覧くださいませ。
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カンーーーカンーーーカンーーー
シュウ シュウ
ウゥーーウゥ
規則的な機械音のなかに微かに人の呻き声が混ざっているーーーー。
これは果たしてわたしの想像や夢なのか?
そしてこれは「音」なのか「聲」なのか。
次第に
音は
薄暗い部屋に響いては
溶けて消えていくーーーーーー。
『………………………………朝か。』
カーテン越しの光がきらきらと
わたしの瞼と布団を交互に照らしている。
今日も1日仕事を無事に終えられた。
のそり
熊の様な体躯を起こし 部屋から出ようと
身を乗り出した その時
勢いよく部屋のドアが開いた。
「ああ、やっぱり。ここに居たのですね。」
凛とした声が寝ぼけた頭によく響く。
彼女はこの棟の女主人である。
「まったくいつまでこの部屋にいるんですか。」
『はは、すみません。もう出ますから。』
そうなのだ
いつも仕事終わりに仮眠を取ってから帰宅するのがわたしのルーティーンなっているのだ。
ふと
そういえば今日も
あの変な「音」の正体が分からなかったな。
『そうだ、申し伝えで言い忘れた事がありまして、』
女主人のキリとした眉がぴくり、と歪んだ。
「またですか?
いつも申し伝えの場で一度に伝えてくださいと言ってますよね」
私達も暇じゃないんですよ、と溜息を吐らす。
『申し訳ありません…』
「で?なんなんです?」
『じつはーーー最近 皆さんの「管」から不思議な音がするんです。
まるで息漏れをしているかのような…』
「チューブから?
息漏れですって?」
『はい、何度も巡回して点検してもその音が改善しないんですよね』
それにーーーただの息漏れの中に微かに水音もするんだよなぁーーー
ーーー例えるなら
あぁ あれだ。
金魚や熱帯魚を飼育するときに水槽の中に入れるあの酸素チューブのあの
ポコポコと音を立てる。
そんな水音のようなーーー。
と考えを巡らせていると、
「他のスタッフからはその様な報告はないですが」
『そう、ですか。』
そうか 私にしか聞こえなかったのか。
聞き違いかな。
「それだけですか?」
『あ、はい。』
「取るに足らない事のように思えますが…」
息なんて する訳がないでしょうーー
と
女主人はそう呟いて去って行ってしまった
結局
次回の引き継ぎの際に確認するということでわたしはカイシャをあとにするのだった。
翌日ーーーーーーーーーーーーーーー。
さて 仕事するか。
赤い塔へ向かって歩いている途中 何やら向こう側が騒がしい。
なんだろう と見やると「イシャを呼べ」とか「コールを鳴らせ」だとか聞こえて来た。
ーーーーー嫌な予感がする。
昨日わたしがいた部屋の
「「となりの」部屋の管」の部屋からだった。
その部屋の主人の「管」が水浸しになっていたそうだ。
その主は自身の管が水浸しになったせいで心臓が止まってしまったらしい。
やはりわたしの感は当たっていたようだ。
その住人は人工呼吸器を着けていたのだから
水槽に潜った魚は溺れてしまったらしい。
To Be Continued…