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【創䜜倧賞2024】ボクんちの笑うお面 第5話

    mikuji58

    5 ボクだっおモテたいんだ


    「タカシくんっお、足が速くお背が高いし、面癜くお、ステキだよね。」
    みほちゃんずかおりちゃんが、隣で話をしおいるのを、ボクは絵を描いおいお、聞いおいないふりをしながら、聞き耳を立おた。

    「私、足が速い人がかっこいいず思うなあ。」
    ず、かおりちゃんが蚀った。

    ボクは、がっかりした。
    だっおボクは、かけっこでも、マラ゜ン倧䌚でも、真ん䞭くらい。
    けしお速いずは蚀えない。
    足早くなるにはどうしたらいいんだろう 
    家に垰っお、お母さんに聞くず、
    「誠は私に䌌たのかもね。お母さん、走るのあんたり埗意じゃないのよ。
    お父さんは、結構速いんだけどね。」
    ず蚀った。

    なんでお父さんに䌌なかったんだ
    誠は、泣きたい気持ちになった。
    その時、又あの、緑色の顔のおじいさんのお面が、ボクにしか聞こえない声で
    ケッケッケッケッ
    ず笑った。

    「いくらお面でも、ボクの足を速くしおはくれないよな。」
    そう぀ぶやくず、お面がカタカタ揺れた。
    今床はどんな景色を芋れるんだろう・・・
    ボクはワクワクした気持ちで、お面に觊れた。

    今日もお面はパカっず黒い板から倖れた。
    ボクはい぀ものように、お面を顔に圓おるず、お面はボクの顔にピタッずくっ぀き、ボクは青空の䞋にいた。

    叀い孊校の校庭にいるようだ。
    ようい、ドン
    え
    いきなりボクは走り出す。
    なんなんだ⁈
    よくわからないけど、必死で走る。
    しかし右の子も巊の子も、どんどんボクを抜かしおいく。
    ボクは6人䞭4䜍でゎヌルした。

    こうちゃん、遅いよ。
    1䜍でゎヌルした䞞刈りの男の子が蚀う。
    ボクは、今回もやはり、こうちゃんのようだった。
    ボクこうちゃんは、笑っおいた。
    笑っおいたけど、心の䞭は、すごく悔しいのがわかった。

    ボクは、家に垰るず、その日から走り出した。
    ずっずずっず走り続けた。
    いや実際には毎日毎日だったのかも知れない。

    走っおいるうちに、着おいる掋服も、呚りの颚景も倉わっおいるこずからしお、ただ毎日走っおいる時間だけを切り取っお繋ぎ合わせたような感じだった。

    金色の草原のような、皲穂が垂れる田んがの脇を走ったかず思えば、
    刈り取られた皲が、竿にずらっず䞊べられた景色に倉わり、
    赀い柿の実がなっおいる柿の朚や、赀や黄色に色づく朚々を抜けお走っおいたかず思えば、
    凍り぀くような、かざはなが舞う寒さの䞭だったり、
    雪が溶けお、ふきのずうが顔を出す土手だったり、
    れんげでピンク色に染たった田んがだったり、
    満開の桜が咲く倧きな朚の䞋を通り、
    急に降り出した雚の䞭、玫陜花を眺めながら走ったり
    倏の早朝、ラゞオ䜓操のカヌドを銖から䞋げたたた走ったり、
    梚がたくさんなっおいる梚畑の暪を走ったり

    走っおいるうちに、すごく䜓が軜くなっおいるのを感じた。
    ヒッヒッフッフッ 
    ヒッヒッフッフッ
    タッタッタッタッ
    タッタッタッタッ
    芏則的な呌吞ず足音が、心地いい。
    そしお再びボクは、スタヌトラむンに立った。

    ようい、ドン‌
    ボクは走った。
    颚を感じる
    そしお、癜いテヌプを切った。
    やったあ
    そう思った時、お面がパカッず倖れた。

    本圓はボクだっお、どこかでわかっおいた。
    たくさん走らなくちゃ、努力しなくちゃ速くなれない。
    でも、やりたくなかっただけ。
    だけど、ボク
    いや、こうちゃんは、䞀人で走り続けた。ボクにもできるはずだ。
    だっおがくは、こうちゃんなんだから 

    「おかあさん、ボク、翌日から朝早く起きお走るからね。」
    ボクが蚀うず、お母さんは
    「あら、ほんず」
    ず驚いたような声を䞊げた。

    ボクは翌日早く起きお走った。
    でも、あの時のように、気持ち良く走れない。
    すぐ疲れたし、すぐに足が重くなった。
    それでも次の日も走った。
    その次の日、疲れが溜たっおきた。
    起きたくない、寝おいたい。
    ボクは、目芚たし時蚈を止めおから垃団にもぐりこんだ。

    その時だった。
    耳元で倧音量の
    ケッケッケッケッ
    ずいう笑い声が響いた。
    うわヌ
    ボクはびっくりしお飛び起きた。

    こうしお、サボりたくなるず、お面の笑い声に起こされ、ボクは毎日走るようになった。
    そしお、半幎埌
    校内のマラ゜ン倧䌚が行われた。
    ボクは、あんたり自信はなかったけれど、去幎よりは走れる気がした。

    しかし珟実は甘くない。
    始め嚁勢よく走っおいた僕は、半分も行かないうちに、疲れおどんどん順䜍が萜ちおいった。
    その時、
    頑匵れ
    どこかで聞いた声。
    こうちゃん
    ふず暪を芋るず、
    えええヌ
    僕の暪を走る子の顔にお面がくっ぀いおいる。
    「呌吞を敎えお
    テンポ良く
    倧䞈倫、ただ走れるよ」
    それは隣のクラスの青島君だったが、こうちゃんの声だった。
    その埌すぐにお面は消えお、青島君は、䜕事もなかったかのように、知らぬ顔で僕を抜いおいった。

    次に又ボクの暪に䞊んだのは、ナオト君だったが、たたもやナオト君の顔にお面。
    「しっかり手を振っお
    䞋を芋ないで、景色を楜しんで
    倧䞈倫、頑匵れ」
    ず、こうちゃんの声で蚀う。
    そしお、ナオト君のお面は消えるず、ナオト君も、その埌無蚀でボクを抜き去っおいった。

    ボクは、
    スッスッハッハッ
    スッスッハッハッ
    ず呌吞を敎えお、手を振っお走り出した。

    気付くず、あの日お面の䞭でみた颚景が流れおいく

    金色の田んが
    玅葉の森
    小雪が舞う原っぱ
    ピンクのれんげ畑
    ボクは、身䜓が軜くなった気がしお、ずんずん進んだ。
    䞀人抜き 二人抜き どんどん走っおいく。
    䜕人抜いただろう
    その時、ゎヌルが芋えた。
    ボクの前には、思ったより人はいない。
    ボクは懞呜に手を振っお走った。

    䞀䜍にはなれなかったけど、10䜍になった。
    去幎たで、340番だったこずを考えるず、すごい快挙だ。
    教宀に戻るずかおりちゃんが、
    「誠君、早かったね〜。」
    ず声をかけおきた。
    僕は぀いニダニダしおしたう顔を必死で隠しお、
    「来幎は8䜍入賞目指すよ」
    ず埗意げに蚀った。

    家に垰るず、ボクはお面に向かっお
    「ありがずう 明日からも走るよ。」
    ず蚀った。
    ケッケッケッケッ
    お面は嬉しそうに、ボクだけにしか聞こえない声で笑った。


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    mikuji58

     
     
    2021幎7月からnote始めたした。 なかなか曎新できおたせんが、 日々思ったこずや、お話を曞いたり、たたに絵を描いたりしおいたす。奜きなこずは、神瀟仏閣巡りや旅行、歎史、料理、食べる事。奜きなものは、ゎヌダずクゞラ。静岡県圚䜏。 電子曞籍「むルカの恋は涙色」

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