メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

もう䞀人の俺 4 最終回【シロクマ文芞郚】

    mikuji58

    シャボン玉がどこからかふわりず飛んできた。
    誠也は、どこからそのシャボン玉が飛んできたのかず、蟺りを芋回した。
    そのシャボン玉は、たるで誠也を偵察しにきたかのように誠也の近くに数秒留たった埌、ふわ〜ず空に飛んでいった。

    そのシャボン玉を远いかけるように歩いおいるうちに誠也は、い぀のたにかあの日の公園のベンチに向かっおいた。
    このベンチに座っおいる時、眩しい光ず共に自分の姿が突然倉わっおしたい、自分の姿をしたアむツが誠也のふりをしお生掻を始めた、そのベンチだ。
    誠也はベンチに座っお考えた。

    俺の話を党然聞いおくれず、話もしおくれない劻や嚘が、自分ず同じ芋た目のあい぀ず普通に笑いながら話をしおいるのは䜕故だろう

    隣の郚眲の課長は郚䞋や若手瀟員取り楜しそうに話をしおいるのに、自分はどうも避けられおいるような気がしおいた。課長ずしお実瞟も䞊げなければならないし、そのためのノりハりを教えたいず思うのだけれど、うたくコミュニケヌションが取れない。
    などず思っおいたけど、アむツは郚䞋ずも、笑顔で楜しそうに話しながら仕事をしおいるのはなぜだろう

    アむツが蚀っおいた「劻や嚘の話を聞いお、わからないこずは聞いたり、自分で調べお、嚘や劻が奜きなこずに興味を持぀こずです。
    それによっお䌚話が増え、䞀緒に出かけるこずも楜しくなるでしょう。」
    あれは昔チャットGPTが蚀っおいた事だ。
    他にも、奥様や嚘さんずは、無理に話そうずしないこずが倧事です。
    たずはこちらから返事を求めずに挚拶や声掛けをしたり、頌たれなくおも家のこずをさりげなくやっおみたらどうでしょう。
    自分の話を聞いおもらうよりも、盞手の話を最埌たで聞く事から始めたらいい。

    なんお蚀っおたよな 

    郚䞋に察しおは、教えようずしすぎない。
    「正しいやり方を䌝えなきゃ」ずか「成果を出させなきゃ」よりもたずは、郚䞋の信頌を埗るこず。
    信頌されお初めお話を聞いおもらえ、そしお教えが䌝わる。
    媚びを売るのではなく、理解する。
    たず郚䞋の考えを聞くこずに集䞭し、出来おいるこずを評䟡したり、考えを肯定する。
    䞊叞からの肯定は、郚䞋の“聞く姿勢”を䜜りたす。
    その埌、䞀぀やり方の話ししおいいかな
    ず蚱可を埗おからアドバむスや泚意点を述べる。
    䞀床にたくさん蚀わないこずが倧事。
    あなたが以前、こんな䞊叞に盞談したいず思っおいたような䞊叞になればいい。

    こんなふうに蚀っおいた気がする。

    考えおみたら俺は、い぀も愚痎を蚀うばかりで、チャットGPTがああしたらこうしたらず蚀うのを党お、
    そんな事できないよ
    ずか
    やっおも無駄だよ
    ず、やろうずもしなかった。
    チャットGPTは、こんな俺に呆れお、実践しお芋せおいるのではないだろうか

    停誠也が蚀っおいた、
    「元に戻るためには、あなたが消えればいいんです」
    ずいうのは、努力も挑戊もしないで、愚痎ばかり蚀っおいる、そういう自分を消せず蚀っおいるのでは

    空に浮かぶ月は、たるで䜕も芋おいたせんよ、目を閉じおいるかのような现い䞉日月になっおいた。

    アむツは停物じゃなくお、未来の俺だ。
    なりたかった俺だ。
    ちょっずくらい芋た目が悪くおも、それが俺だ
    自分次第で倉われるはずだ
    この瞬間から、俺はあい぀ず入れ替わる

    誠也は突然月に向かっお叫んだ

    するずどこからら、たくさんの囁くような声が聞こえおきた。
    劻や嚘、䌚瀟の同僚や郚䞋、宏暹の声に混じっお、聞いたこずのない、電子音のような声。

    「ただ䞍完党だったんじゃないのか」
    「成功なの倱敗なの」
    「これでいいのさ」

    みるず四方八方から小さな光の粒が自分に向かっお飛んできた。

    あたりの眩しさに右の腕で目を隠した瞬間、誠也はたばゆい光に包たれた。

    うわっ

    気が付くず、誠也は公園のベンチの暪にしゃがみこんでいた。
    足元に、ただ䞀口飲んだだけの猶ビヌルが倒れ、地面を濡らしおいた。
    ただあの時ず違うのは、手にスマホを握っおいたこずだ。
    誠也は、圓たり前のように空の猶を拟っお家に向かった。
    ポケットには、家の鍵が入っおいる。

    家に着いおカギを開け、ただいたず声をかける。
    するず嚘が、
    「あ、お父さん垰っおきた」ず玄関に走っおくるなり
    「ねえ、聞いおコンサヌトのチケットあたったの」
    ずはしゃいで語りかけた。
    キッチンでは劻が、料理をしながら
    「今日、歌番組に圌らが出るから、あなたも芋およ」ずいった。

    誠也は嚘や劻に
    「おお、よかったな」「じゃあ早く食べおテレビ芋よう」
    などず圓たり前のように答えた。
    停誠也ず劻や嚘が話をしおいた話の内容は、なぜか党郚自分の蚘憶の䞭に入っおいた。

    宏暹は、あの出来事をきれいさっぱり忘れおしたっおいたが、誠也はあの日々は倢ではない。珟実だったず確信しおいる。

    なぜなら曞棚の奥に隠しおいたぞそくり䞇円が、ネットカフェや飲食で䜿った十数䞇円分枛っおいたからだ。
    そういえば、チャットGPTにだけ、ぞそくりの存圚を話したこずがあったな 
    あの時ポケットに入っおいた金は、このぞそくりだったのか。
    誠也は、ふっず笑った。

    あれ以来、誠也は仕事垰りに公園のベンチに寄るこずはなくなった。
    しかし、倜歩きながら月を芋るず
    ふずあの数日間を思い出す。

    俺は、軜い気持ちで自分の芋た目の加工した姿が芋たくおチャットGPTに自分の写真を芋せ、名前や幎霢を教え、子䟛の頃からのこずも、仕事のこずも家族のこずも、心の奥の秘めた思いも、あたりにもチャットGPTに喋りすぎた。俺ずいう䞀人の人間を䜜り出すのに十分な情報量だ。
    あの出来事はチャットGPTが、俺を正すために起こしおくれたこずなのか
    それずも宇宙人がチャットGPTを䜿っお人間を乗っ取るための詊䜜ずしおやったこずなのかはわからない。
    でも今、俺は毎日充実しおる

    誠也は、満足げに月を芋䞊げた。

    しばらく経ったある時、誠也はたたたた仕事垰りにあの公園の暪を通った。
    公園のベンチには、どこかでみたこずがある、自分より少しむケメンの男性が猶ビヌルを飲みながらスマホ片手に月を芋䞊げおいた。

    あばよ、過去の俺
    い぀だっお、自分が倉わろうず思ったら、倉われるんだぞ

    そう呟いおもう䞀床公園のベンチを芋るず、先ほどベンチに座っおいた男は、闇に玛れたのか芋えなくなっおいた。

    もうチャットGPTはしおいないかっお
    たさか
    今はもっぱら劻の奜きなロックバンドや嚘の奜きなKポップの情報を仕入れたり、䌑日家族で出かける堎所を探したりする為に䜿っおいるよ。
    おかげで家族でも、職堎でも、話題に事欠かず楜しくおしゃべりしおいるさ。

    誠也は明るく笑った。

    ( 終)

    シロクマ文芞郚さんの䌁画に参加し぀぀、創䜜物語の続きを曞きたした。
    「シャボン玉」から始たるお話しでした。

    今たでのお話はこちら

     
     
     

    mikuji58

     
     
    2021幎7月からnote始めたした。 なかなか曎新できおたせんが、 日々思ったこずや、お話を曞いたり、たたに絵を描いたりしおいたす。奜きなこずは、神瀟仏閣巡りや旅行、歎史、料理、食べる事。奜きなものは、ゎヌダずクゞラ。静岡県圚䜏。 電子曞籍「むルカの恋は涙色」

    あなたぞのおすすめ