
彼女が村人CPUになった。
彼女がRPGの村人CPUになった。あんなに気まぐれで感情豊かで700万画素だった彼女。今では256×224ドットの荒い画面で、たった1つの割り当てられた数字しか言わない。
「私の黒猫はとっても可愛いのよ。」
後のゲームの伏線にもならなさそうな圧倒的なモブセリフ。なんとか彼女を元に戻そうとゲーム内の魔王を倒しては、裏四天王、隠れボスを撃破。幻獣を捕らえては、妖精の怒りも収めた。それでも彼女は一向に元にもどらない。
どれくらいの年月をこのゲームに費やしただろうか。孤独の病室で老いて皺くちゃなおれは全クリの瞬間を迎える。そこでまさかのSSSSR報酬イベンが起こる。こんなの初めてだ。
王様「勇者よ、今までよく戦ってくれた。ただお前はこの架空世界に時間を割きすぎた。あまりに可哀想だ。そろそろ寿命を迎えるお前に次の転生先だけは決めさせてやろう。のぞみはなんだ。何になりたい。」
なんだ、どうせだったら願い事くらい叶えてくれればいいのに。ケチな王様だ。彼女を助けられなかったおれに来世の希望なんてあるはずない。
あ。
「それってゲーム内の黒猫でもOKですか?」