
記憶の場所
記憶の保管場所って
何処に在るのだろう…。
私の中の
何処に置かれているのだろう…。
ここ最近、その事が気になっていて。
だけど、調べたりしていない
固定されてしまいそうで…
答らしきものが。
だから・ずっと考えている
ある日の夜
遠い昔、中間の昔、少し前の昔
色んな場面が、パッパッと
映像となって浮かんできた。
凄く鮮明で…
それは、とっても美しかった。
私の中の
何処に映写機が有るんだろう…。
不思議でならない
脳裏に浮かぶ、焼き付く。とかの
言い回しが有るのだから
人はずっと、それを
観てきたんだろうな。
私はその時
少し上を向いている。無意識に
だから多分
目線の先の少し上、辺りだろぅか。
思考が巡っている時とは
違う位置だろうと思うのだが…
去年のお盆ときに
母が亡くなった。
刻々と
その時が近づいて来ている事が
肌感でわかっていた。だから…か。
私は会いに行くたびに
母の手を
ずっとずっと、触りまくっていた。
重ねたり、握ったり、なぞったり
表情を見ているよりも
ずっと多くの時間
ひたすら皮膚を感じていた。
私は何をしていたんだろう…。
記憶の場所を考えながら
何かがパッと浮かんだ
私は、母の手そのものを
私に転写していたのだ。
母の手のひらの厚みと、
弾力のある
柔らかいつやつやの手
そのものが、
私の手の中に
重なる様にして今、在る…。
点滴だけで、数ヶ月過ごした身体は
身細に成っていたが、
手のひらだけは
全く別ものの様に、まるで
母の生命が
そこに凝縮されているかと思った。
皮膚にも、記憶を残せる…。
写真を見るより
私の中の
映写機に映る母の姿が
鮮明なのが
不思議なんだ…。