
ボッチの前に舞い降りた天使
少し前、交流会のような場所にボッチ参戦した。
私は生来、こういう場所が苦手である。
だったら行かなければいいのだが、それでも行ってしまうという相反した性分が、自分でも不可解だ。
仕事でホスト側なら「ビジネス陽キャ」を演じるのだが、今回は参加者側。 こんな時の私は、部屋の隅でなるべく目立たぬよう、ダンゴムシのように固まる。
イベントが始まってしまえば問題ない。
だが、開始前と休憩時間が妙にソワソワする。
まぁそうはいっても、他人は「あー、あの人ボッチだわ」くらいの感覚で、気にしているのは私だけだ。
「どう思われているか?」などと邪念するだけ自意識過剰というもの。
それでも私は、早く終われよ休憩時間、と時計やスマホを何度も見つめる。
そんな先日のイベントで、私の前に天使が舞い降りた。
年の頃、私より20は若いと思われる女性。
笑顔がとても自然で、愛らしい。
その笑顔のまま、ふわりと話しかけてきてくれた。
私は謎の警戒心を持つ。
「なぜ? このBBAに話しかけるのだ?」
彼女はお友達と来ていて、私に話しかけたところでメリットはまるでない。 宗教でもマルチでもないイベントで、わざわざBBAを釣っても得はない。
だが、そんな私の疑問と警戒をよそに、彼女はニコニコと自然に会話を続け、気付けば私をそのお友達の輪に入れてくれたのである。
なんという天使だ。
もうこれが異性だったら恋に落ちるだろうよ。
何日も経った今でも、脳裏に浮かぶ彼女の笑顔に癒されているのだから。
私は素直に、とてもありがたかったし、嬉しかった。
彼女とはもう会うこともめったにないと思う。
それでも、こんな風に通じ合える瞬間は喜びだし、そういう気遣いをしてくれたことに心が温まるし、尊敬する。
私は彼女とは真反対で、あんなに自然体にふるまえない。
それでも、彼女からもらった優しさを、私なりに誰かに返していければと思った。そして、こんな小さなハッピーのバトンを渡しながら、世界が少しずつ幸せになればいいのに、と本気で思うのだ。