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林檎通りを右折したら


     林檎通りから一本入った路地裏では近頃奇妙な歌が聞こえるという。しかも、そこには死体と側には齧った林檎が転がっているというのだ。

     探偵の夢宇ムーはその噂を是非ともこの目で確かめてみたいと思った。

     深夜、夢宇ムーは昼の賑やかさが嘘のようにしんと静まり返った林檎通りを歩く。老舗足袋屋のうさぎや辺りで奇妙な歌が聞こえてきた。夢宇ムーはうさぎや横の小道を右折して路地裏に入った。

     路地裏では、やけに二枚目の若い男と年齢不詳の女が二人で歌い踊っているではないか。二人は
    フニフニフニフニフニフニ~
    と腕をブラブラさせながら奇妙な歌を歌っている。

     こいつらは一体何者なんだ!?

     やがて歌い終わった二人はにこやかに夢宇ムーの元へやって来た。

     「こんばんは。こんな夜更けに散歩ですか?」
     「まあそんなところだ。ところで君達はこんな所で一体何をしているんだい?」
     「我々はそこの足袋屋の者で、花見芸の練習をしているのです」
     「そうかい。いやー、奇妙な噂を聞いたものでね・・・」
     「そうですか。ところで林檎を食べると歯ぐきから血が出ませんか?」
    そう言うと、男は夢宇ムーに林檎を手渡した。

     「血は出ないと思うんだが。折角だから頂くよ」
    夢宇ムーは林檎をガブリと齧った。
     「ほら、血は出てないだろう!この林檎美味いなぁ。どこのり・・・」

     バタリ
     夢宇ムーは皆まで言い終わらないうちにその場に倒れてピクリとも動かない。その様子を見ていた女はヒヒヒと笑いながら言った。
     「こいつは女に酷い事したんだろうねえ。酷い事してなきゃこの林檎を食べても何ともないというのに」

     二人がフニフニと歌いながら立ち去ると、夢宇ムーの手に握られていた林檎がコロコロと転がっていった。


    🍎 🍏 🍎 🍏 🍎

    毎週ショートショートnoteに参加します💛
    今週のお題は「林檎右折」です。

    林檎といえば、ふと思い浮かんだのが『林檎殺人事件』でした。
    『林檎殺人事件』とくれば、『ムー一族』なんですよねぇ。
    先週に引き続き、今週も昭和のTVネタでいってみましたw

    たしか小さい頃見ていたんです。
    でも、あんま内容は覚えていないんですよね。
    系統としては、とんねるずの『時間ですよ』みたいな感じのドラマかと思うのですが。
    このドラマの中で歌われていたのが、郷ひろみさんと樹木希林さんのデュエット『林檎殺人事件』なんです。
    この歌はよく覚えています!

    これを書くにあたって、いろんな『林檎殺人事件』の動画を見ましたが、なんか泣けちゃう。
    まさか『林檎殺人事件』で泣く日が来るなんて思ってもみませんでした。
    なんだかね、昔を懐かしむ感じというかですね。
    そういえば、この曲の作詞って阿久悠さんなんですって。
    ほんとビックリです。
    あんまり阿久悠さんってコミカルな作詞をするイメージがなかったから。

    こんなカバーを発見!!
    安藤裕子さんとレキシの池田貴史さんです。
    とてもオシャレでいい感じに仕上がってます^^
    ここに、樹木希林さんご本人も登場されてて、このMV見てもじわっときちゃいました💦


    今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪



    #毎週ショートショートnote
    #林檎右折


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