
📖小さなお話『包む愛情』
ある日の夜。
子猫が熱を出した。
猫は何度も額に手を当て、
水を飲ませ、
眠れない夜を過ごしていた。
夜が明けても、
猫は子猫のそばを離れない。
ようやく熱が落ち着き、
子猫が安心して眠り始めた頃。
猫もそのまま、
隣で眠ってしまった。
その頃。
犬はいつものように猫へ声を掛ける。
「猫。」
返事はない。
少し待ってみる。
やっぱり返事はない。
犬は少し考えて、
優しく笑った。
「寝てるね。」
「昨日、頑張ってたもんね。」
それから犬は、
「お昼ご飯。」
「ゆっくり休んでね。」
「仕事戻るね。」
短い言葉だけを残して、
また仕事へ向かった。
夕方。
目を覚ました猫は、
慌てて犬へ連絡する。
「ごめん!」
「寝ちゃってた!」
犬はすぐ返事をくれた。
「うん。」
「よく眠れた?」
猫は少し驚く。
「怒ってないの?」
犬は優しく笑った。
「猫が休めたなら。」
「それでいい。」
猫は少し黙って、
ふふっと笑う。
「ありがとう。」
犬も笑う。
「子猫も。」
「猫も。」
「どっちも大事だから。」
蜂は二匹を見ながら、
小さく頷いた。
「犬さん。」
「待つことも、優しさなんですね。」
『ラベンダー畑、帰る場所。』の
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