芋出し画像

『りヌリヌず黒い獣たち』スピンオフ 月の䜿者線‐パヌト‐

今回も「りヌリヌず黒い獣たち」の
スピンオフ䜜品をお届けさせおいただきたす。

前回はコチラ☟


それでは、いっおみたしょう(^^♪






突然の出䌚い


昚日の隒動から䞀倜明けた早朝。あいにもかわらず「べしゃり屋」の朝は早い。ほんのり明るい皋床で、ほが暗闇ずいう状態にもかかわらず話し声が聞こえおくる。わたしは「始たった」ず半分、諊めの気持ちを持ち぀぀、半分は怒りの矛先をどこに向かえばいいのか悩み぀぀も、ゆっくりず起きる意識を自芚した。どうせ、今日は䜿者の圹目ずしお手玙を䜜成しなければいけないず考えおいたので、奜郜合だ。寝起きの脳は、手玙を曞くには適しおいる。

さっそく、郚屋の倖に぀けられおいる簡易匏の手掗い堎で顔を掗っおこよう。 郚屋着のたた倖ぞ出お、手掗い堎に向かう。するず、すでに手掗い堎に誰かの人圱が芋えた。わたしはずくに気にするこずなく、軜く䌚釈をしお顔を掗う。隣に人の気配を感じ぀぀も、顔を掗い続けお、「さっぱりした」ず手持ちのタオルで顔を拭う。どうやら、ただ”その人”はいるらしい。さすがに日も高くなり吊が応でも隣の人の顔が目に入る。

「おはようございたす」

顔が向き合った瞬間、その男は挚拶する。わたしはハッずしお、おもわず返しの挚拶のタむミングを忘れた。なぜなら、その男は かの勇者りヌリヌだったからだ。

「あっ、おはようございたす」

りヌリヌ
「今日はあ぀ヌなりそうですね、日照り続きは困ったもんですわ」

その男は、圓たり障りない䌚話を始める。瀟亀蟞什だろうか。それずもわたしず䌚話をしたいのだろうか。少なくずも、ここで邪険に扱っおはのちの関係性に問題が生たれるず感じ、すぐさた、わたしも返答する。

「そうですね。暑くなりそうですね」

りヌリヌ
「でしょったたらんですわ
 そういえば、お兄さん、あんたり芋ない顔ですな」

「あぁ、挚拶が遅れたした。最近、隣に匕っ越しおきた行商人です」

りヌリヌ
「ぞぇ、お名前を聞いおもよろしいですか」

「倧䞈倫ですよ、ゎヌショヌずいいたす。よろしくおねがいしたす」

りヌリヌ
「ゎヌショヌさんですね。わたしはりヌリヌずいいたす。
 よろしゅうおねがいしたす♬
 どうですこの囜には慣れはりたしたか」

「いや、ただただ慣れないですね。わたしが以前、䜏んでいた堎所にくらべるず環境は厳しいものを感じたすね。氎䞍足ずいう時期も重なっお、少しばかり埌悔しおたすよ」

りヌリヌ
「そこんずこ、かわりに謝りたす。すんたせん」

「いやいや、りヌリヌさんが謝らなくおも。
 こういったタむミングで移り䜏んだわたしの責任ですから。
 お心を悪くしお申し蚳ない」

りヌリヌ
「はははっゎヌショヌさんはやさしいですね。
 気にしないでください」


なんだ


この心地よい空間はこれが勇者に遞ばれる所以の人柄ずいうものか。わたしの立堎からするずりヌリヌずいう存圚は、けしお良奜な関係性ずはいえない。どちらかずいえば敵偎だ。たしかにお互いの玠性は割れおいない。知らない者同士だからこそ、たわいのない䌚話を続けられるのは承知の䞊だ。そうした前提条件があるにもかかわらず、この男の䌚話のテンポ、しゃべるスピヌド、なにより「䌚話を続けたい」ず思わせる盞手ぞの気配りを感じずにいられない。

いかん

りヌリヌに感情移入しおはいけない。わたしにはわたしの䜿呜がある。女王ルボン様から授かった敵地芖察ずいう重芁な任務を党うしなければいけないのだ。
わたしは、このたたでは自分の立堎的にも良くないず感じ、「それでは」ず蚀葉を亀わしお去ろうずしたずき。りヌリヌが食いぎみに話しかける。

りヌリヌ
「すんたせん。赀の他人にこういう話をするのはどうかず思いたすが、
 じ぀は昚日、わたし勇者に任呜されたんです」



えっ、そのくだりの話を今するの

䜿者の身ずしお、ここで話を終わらせるわけにはいかない。぀い぀い「はい知っおたすよ」ず声を倧にしお蚀いたかったが、グッずこらえお無知のフリをする。

「えっ勇者どういうこずですか」


りヌリヌ
「昚日の広堎でのこず、知らないんですね。
 はい、蚀葉のずおりです。わたしは勇者になったんです」

「はぁ、勇者ですか、倧倉ですね」


りヌリヌ
「そうなんすよ聞いおくださいよ
 今回、タヌリキィ囜が酷い干ば぀に襲われおいるじゃないですか。
 そんで、その原因はどうやら囜王、アクヌン王の病気が原因らしんですよ。知ったこっちゃ、ないですよ、そんな話しそいで、その病気の原因も、なんか悪い気が関係しおいるみたいな話で」

りヌリヌの口は止たらない。初察面の今さっきたでの䌚話の䞭で、もっずも饒舌でスピヌディにはなしたのではないだろうか。わたしの返答を埅たずしお、りヌリヌは続ける。

りヌリヌ
「そもそも、悪い気っおなんですかっお話ですよね。それよりもさっさず医者に行かなかったアクヌン王の問題っすよね。ずいうより、アクヌン王の病気で囜が干からびるっおおかしくないですか」

「たぁ、そういう蚭定だからしょうがないだろ」ず䞍思議な蚀葉を脳内にめぐらせたわたしは、もちろんりヌリヌに同情するように頷きながら䌚話を進める。

りヌリヌ
「でねでね、悪い気をどうにかするために、今回、偉い賢者さんに勇者ずし抜擢されたんですが、正盎、ムリやなっお思うんです。だっお、今たでそういった経隓、ないんですよ。わたし、ただの日雇いサラリヌマンですからね。最近じゃ、カむサヌの芖線も厳しいですし。あっカむサヌはわたしの奥さんです」

「ぞぇ~、この人、日雇いなんだ~。苊劎しおんだな」ずりヌリヌの情景を聞いおちょっぎりセンチメンタルな気持ちが芜生える。心ばかりかりヌリヌの背䞭に哀愁すら感じずにいられない。

「では、なぜ今回、りヌリヌさんは勇者に遞ばれたんですか
 蚀葉は悪いですが、䜕の取り柄もないずおっしゃるなら、䜕らかの    ご自身の知らない理由があるずいうこずですよね」

りヌリヌ
「ゎヌショヌさんは、䞊手いな~。䌚話の぀なげ方が絶劙っすね~」

「いやいや」

りヌリヌ
「いや、たぁ、昚日に広堎で勇者になる人の条件みたいなんがあっお。
 それで芋事にわたしがハマったみたいで。
 そんで聞いおくださいよ。いきなり、あのすっぱいでおなじみ
 ”メりボヌシ”をいきなり食わされたんですよ。
 むっちゃ、ニコニコしながら賢者さんが口に抌し蟌むんです」

「それはツラい」

りヌリヌ
「そしたら、その蟺から蚘憶が曖昧で。気づけば、い぀もの感芚ずは違うずいいたすか。なんか劙にたわりの人が明るいずいいたすか。でも、その状況にビックリはしなかったんですよね。子䟛の頃に同じ経隓をしたような気がしお」

「い぀もず違う感芚どういうこずですか」

りヌリヌ
「自分の身䜓のようで、身䜓じゃないような。これは䜓隓しおもらわんず十分な説明できたぞんわ。申し蚳ない」

「うむ、そこんずころがずおも気になる」ず内心、焊りだしおいるわたし。
なぜなら、りヌリヌの身に起きおいるこずは知っおいるからだ。そう、りヌリヌはメりボヌシの実を食べるず発光する身䜓を持ち合わせおいる。しかし、「あなたはメりボヌシを食べるず発光するんです」ず䌝えおも、おそらく信じおはくれたい。

い぀のたにか気づけば倪陜はすでに県䞭に入り、日差しはキツい。ただ、目の前には勇者が悩み困った様子でたたずんでいる。わたしは敵囜の䜿者なのだ。ここで埗られる情報は間違いなく有力な情報で、女王ルボン様ぞ䌝えねばならない情報だ。気づけば、わたしはりヌリヌの手を握りしめお、こう蚀った。

「良ければ、わたしの目の前でもう䞀床、メりボヌシを食べおみおはいかがでしょうか」

突然、手を握られおビックリするりヌリヌ。その埌、仰倩した顔からスッずにこやかな顔ずなり、わたしにはなしかける。


りヌリヌ
「ゎヌショヌさん、それは䞁重にお断りしたす」



なんじゃ、そりゃ


れッタむ”食べる”いうくだりではなかったのか。わたしの心の内は、恥ずかしさず怒りずが混ざり合い、心がたかぶっおいる。わたしは腐っおも”月の䜿者”だ。この感情を盞手に悟られおはいけない。ずくに倉わりない神劙な顔立ちで、゜ッずりヌリヌの手を離した。䜙談だが、この男の手は毛深いず感じた

「すたない。いきなり無理なお願いをしお。
 䌚っお数分の、初察面の男の願いはおかしいですよね。
 忘れおください」

りヌリヌ
「いやいや、ゎヌショヌさんのやさしさに甘えお、わたしのほうこそベラベラずしゃべっおしたい申し蚳ないです。ゎヌショヌさんのお願いは断りたすが、今埌、お䌚いできたずきは近況報告したすね」

「ぜひ」

ず食いぎみに返答したわたしに、りヌリヌは「ではっ」ず去り際の手をわたしに向けお、手掗い堎を埌にした。


なんず、濃密な時間だったのだろう。
これが䞖にいう「早起きは䞉タヌリキィの埗」ずいうのか。おかげで勇者の珟状に぀いお知るこずができた。たた、䜿者ずしおバレるこずなく友奜な関係性を気づくこずができたのは、倧きな収穫だろう。

わたしは、すっかり也いたタオルを手に持ち、そそくさず自分の郚屋に垰った。いたの状況を文曞ずしお女王ルボン様ぞ䌝達せねばず、心がワクワクしおいるからだ。



重芁文曞




-女王ルボン様-

任務ずしおタヌリキィ王囜朜入を呜じられたした月の䜿者ゎヌショヌでありたす。敵地ずなるタヌリキィ王囜ぞ朜入しお週間がたちたした。珟状に぀いおご報告させおいただきたす。

、王囜の珟状
、勇者の誕生

、王囜の珟状に぀きたしおは、女王ルボン様もご存じのずおり酷い日照りが続いおおりたす。同時に猛暑も重なり、囜民は苛立ち、けしお豊かな囜ずはもうしがたい状況です。ただ䞀郚、明るく過ごす囜民の姿も芋えるので、すべおの囜民が疲匊しおいるずは断定できたせん。たた、タヌリキィ囜王アクヌンは珟圚、病にひれ䌏しおいたす。どうやら、この囜の干ば぀問題は、囜王アクヌンの病気が原因のようです。いただ回埩の芋蟌みがないため、油断せずに匕き続き、䜿者の身ずしお囜の情勢をご報告しお参りたす。

、昚日、勇者が誕生したした。囜王の身を案じた賢者によっお「勇者が必芁だ」ず刀断し、勇者を芋぀ける掻動が催されたした。そしお、芋事にその堎で勇者が芋぀かりたした。勇者の名は「りヌリヌ」ずいいたす。幞いにもわたしの䜏む家の隣の長屋に䜏んでおりたす。たた、さきほど勇者ず接觊するこずに成功したした。以䞋、勇者に぀いお情報を共有いたしたす。

・奥さんがいる。奥さんの名はカむサヌ
・日雇いサラリヌマンで働いおいる。
・今回の勇者抜擢に悲芳的な意芋をも぀。
・メりボヌシの実を食べるず、りヌリヌの身に倉化が起きる

以䞊です。
勇者の動向に぀きたしおは、匕き続き調査を進めお参りたす。
情報の曎新を発芋次第、随時ご報告させお参りたす。

                    月の䜿者 ゎヌショヌ


「ふぅ、終わった」

ペンを握る手で額の汗を拭い、䞀息぀く。無事に重芁文曞の䜜成に終わりが付いお、䞀安心するわたし。すっかり日は昇りきり、宀内は暑苊しい。

しかしながら、今回、敵囜タヌリキィ王囜ぞ䟵入しお、もっずも有力な情報を埗られた数日ではなかっただろうか。王囜の情勢を知るのはもちろんのこず、なによりこちらの玠性はバレるこずなく、勇者ず接觊できたのは倧きい。女王ルボン様も今回の重芁文曞を読んで、お喜びいただけるだろう。


「そうだ今日は、ひさびさに豪華な食事にあり぀こう」ず考え、手元の文曞を封筒ぞ忍び蟌たせる。䜿者ずしお、ここに疑問を感じるのはいかがず思うが、こうした機密文曞をいただに䟿箋でやり取りしなければいけないのは、どうにかならないのかず感じ぀぀、身支床の準備をする。



今日もタヌリキィ囜は、暑くなるだろう。

垂堎に隣接する料理屋には、かの有名なバナンナ料理が食べられるらしい。
「どんな矎味しい料理が食べられるんだろう」ず想像しながら、わたしは町の䞭ぞ消えるのであった。








以䞊です♬

勝手ながらのわたしの劄想物語りでした。

お楜しみいただけたでしょうか。

たたたた、ご芁望がありたしたら
劄想を膚らたせお創䜜させおいただきたす😊


では、たた。
倱瀌したす。

いいなず思ったら応揎しよう

習慣応揎家 shogo サポヌトしおいただければ、あなたの習慣掻動を党力で応揎したす