
#25 「子どもの頃から変わらず好きなことは何ですか?」後追いハッピーライティングマラソン
本田健さんのハッピーライティングマラソンに参加します
#25 「子どもの頃から変わらず好きなことは何ですか?」
子どもの頃から変わらず好きなこと。
それは、人の心を知ることだと思う。
テレビで、親子が再会して抱き合い、涙を流す場面になる。
テレビの中の人が泣いている。
ふと隣を見ると、祖母も静かに涙を流している。
私は聞く。
「なんで泣いてるの?」
祖母は、いつも短く答えた。
「やっと会えたんだよ。」
「ずっと会えなかったんだ。」
たったそれだけ。
でも、その一言だけで、見えなかった景色が、頭の中に次々と浮かんでくる。
どんな時間を過ごしてきたんだろう。
どんな思いで今日まで生きてきたんだろう。
「悲しい」「嬉しい」だけでは説明できない、もっと深いものを知りたかった。
もう一つ好きだったのが、演歌だった。
子どもなのに、メロディーよりも歌詞に惹かれていた。
「どうして別れたんだろう。」
「どうして会えないんだろう。」
「どうして、こんなに切ないんだろう。」
疑問が浮かぶたびに祖母に聞く。
祖母は、また短く答える。
「好きだったんだよ。」
「待ってたんだよ。」
また、その一言だけで、見えなかった景色が、また頭の中に広がっていく。
そして私は、大人たちの話を聞くのも好きだった。
聞いていないふりをしながら、耳だけはしっかり向けている。
でも、それを祖母に聞くことはなかった。
聞き耳を立てていたことが、ばれてしまうから。
だから私は、聞こえてきた言葉だけを集めて、その続きを頭の中で想像していた。
子どもの頃から、私は一人ではなかった。
前には、その場を生きている私。
そして少し後ろには、いつも観察しているもう一人の私がいた。
その子は、人ではなく、人の心を見つめていた。
あの頃から変わらず、
私の興味は、言葉の向こう側にある心へ向いている。
それは、子どもの頃から、ずっと変わらない。