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前と同じではない

    誰かの話を聞いているうちに、

    気づいたらその中に入り込んでいることがあった。

     

    一緒に泣いたり、笑ったり、

     

    気づいたら、

    どちらかの側に立っていた。

     

    前は、そういう関わり方をしていた。

     

    誰かの話を聞けば、

    そのまま近くまで寄っていった。

     

    どう感じているのか、

    何が起きているのか、

     

    自分のことみたいに追いかけていた。

     

    それが普通だと思っていた。

     

    関わるなら、

    そこまで行くものだと思っていた。

     

    あるとき、

    少しだけ違和感があった。

     

    いつものように聞いているはずなのに、

    どこかで、少しだけ引いている自分がいた。

     

    うまく説明できないけど、

    全部を受け取っていない感じ。

     

    それでも、そのまま続けた。

     

    前と同じように、

    関わっているつもりでいた。

     

    でも、少しずつ変わっていった。

     

    気づいたら、

    一歩だけ外から見ていることが増えていた。

     

    何が起きているのかは、わかる。

     

    どうなるのかも、

    前よりは見える。

     

    でも、その中までは行かない。

     

    同じ場所には立たない。

     

    前みたいに、

    あの中にいる自分を、もう選ばない。

     

    理由は、いくらでも言える。

     

    疲れるとか、

    必要ないとか、

     

    そういう言い方もできる。

     

    でも、どれもあとからつけたものだと思う。

     

    たぶん、

     

    全部を引き受ける必要はないと、

    どこかでわかっただけ。

     

    今も、見えている。

     

    変わらず、感じているし、

    気づいていることも多い。

     

    ただ、

     

    少し距離を置いている。

     

    それだけが、前と違う。

     

    それでいいと思っている。




    #エッセイ

    #人間関係

    #違和感

    #気づき

    #距離感

    #自己理解


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