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夜を越えて、君に会いにきた。~あの夜、君がくれた言葉~

 ある夜、布団の中で携帯電話の電話帳一覧を眺めていた。
 いのちの電話にかけたが繋がらず、手当たり次第に友人へ電話をかけた。しかし、社会人である彼らの殆どは寝ている時間だ。当然ながら電話に出ない。繋がらない人もいた。

 やはり私は社会不適合者であり孤独なのだ。
 絶望しかないこの世界で、もう生きていく自信がない。

 そのとき、先ほど電話をかけた、親友のHから着信があった。

「どうした、こんな夜中に」

「悪いな。起きてた?」

「当たり前だ。起きてたよ」

 彼は起きていなかったはずだ。寝起きのような擦れ声である。
 しばらく黙っていると、

「どうした? 何があった?」

 緊迫した声色で再び問いかけてきた。

 それから、とりとめのない私の個人的な話をただ黙って聞くと、第一声、 

「辛かったんだな」

 と言った。

 その瞬間、涙が溢れた。
 私は言葉がほしかったのではない。自分を受け入れてくれる人がいてほしかったのだ。
 Hは続けた。

「そこまで人を愛せるなんて、お前を尊敬するよ。皆が目を背けることまで、本気で向き合っているんだよな。こんな純粋な愛を持った奴、他に知らないよ。お前のような人間がいることが、この世の希望に思う。ありがとうな。生きていてくれて」

 今でもその声や言葉を鮮明に覚えている。
 闇の底にいる私に、手を差し伸べるのではなく、隣で背中をさすってくれた。
 それは一縷の光であり、今も照らし続けている。

 あの頃、私はこの世の端で立ち竦んでいた。
 私を励ましてくれたHは、崖淵を歩いていた。
 そんなこと知らなかった。気づくこともできなかった。

 数日後、彼は自ら命を絶った。
 二十四歳だった。

 彼は消えていない。
 私や彼を大事に思う人に溶けていったのだ。
 あの日の夜のように、いつも隣にいる。

 彼が私にくれた言葉を、今度は私が誰かに渡していきたい。

 夜の中、ひとり立ち竦んでいる誰かへ。

 生きていてくれて、ありがとう。



※このストーリーは「#夜を越えて君に会いにきた」企画に参加しています。

#夜を越えて君に会いにきた




「夜を越えて、君に会いにきた。」

シロハル 2nd Anniversary Live開催

9月26日(土)

LOFT9 Shibuya

開場 18:00 / 開演 18:30

前売り ¥4,000 / 当日 ¥4,800

オンライン配信 ¥3,500 ※別途1ドリンク制


音楽・言葉・カルチャーが交差する
“発信の聖地”とも言えるこの場所で、

弊社IPアーティスト・シロハルの2周年ライブを開催します。

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夜を越えてきた、あなたへ。


もし今、
苦しみの中にいるなら。
もし今、
人生に迷っているなら。
もし今、
「それでも夢を諦めたくない」
そう思っているなら。
このライブは、
きっとあなたのための夜です。
会場で、お待ちしています。


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