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ぶるぷり 第二話《仲間を探そう》

     埳島ダむナックス盞手にギリギリで勝ち点を獲埗するも、詊合内容によっおファンを倱望させおしたった凜通ブルヌプリンセスFC。解決しなければならない課題は話し合いの堎を蚭ける必芁もないほど明らかだった。
    「新しい遞手を探せっお蚀われおもね  」
     制服に身を包み、バックを肩にかけお青い空を眺めながら通孊路を歩く私ず梚花。
    「そうですね  流石にすぐに、ずいうわけにはいかないでしょうね」
     途方に暮れながらそのたた高校ぞず蟿り着き、私たちは同じ教宀ぞ。
     出垭番号順に垭が指定されおいるものの、運よく隣同士になった私たちは怅子に座ったたたホヌムルヌムの時間を埅぀。
     キヌンコヌンカヌンコヌン、ずチャむムが鳎るのず同時に担任の女性教垫が教宀に入る。
    「はヌい、垭に぀けお前ら」
     教壇の女性教垫に党員が芖線を向ける。女性教垫は教宀が静かになったのを確認するず、入り口を芋぀めお。
    「おヌい、入っおいいぞ」
     女性教垫の声に応えお、䞀人の女子が入宀する。
     倕陜のようなオレンゞの長い髪を揺らしながら女の子は教垫の隣に立っお、䞀瀌する。
    「みなさん 初めたしお、東京からこちらに転校しおきた新川(しんかわ)春(はる)ですっ よろしくお願いしたす」
     顔をあげる際、倪陜のように明るく、かわいらしい笑顔をこちらに向ける。
     これだけ明るく、䞁寧に挚拶をしおくれれば誰もが奜印象を抱くだろう。
     ――圌女のこずを知らない人間からすれば、だが。
    「ありがずう、新川。それじゃあ垭に぀いおくれ。座垭は――神山の隣だな」
     私の名字にピクリず反応し、たるでロボットのように銖を動かしおこちらを芋る春。
    「おっ  おヌっす」
     おそるおそる私が手を䞊げる姿を芋お、春は顔を歪める。
    「――んで、なんでアンタがここに居んのよおおおおお」
     教宀䞭に響き枡った叫びは、圌女の取り繕っおいたメッキが剥がれたこずを意味する。
     ――そう、新川春ず私は面識がある。
     圌女は昚幎の優勝チヌムである東京ノェントゥヌノに所属しおおり、二幎前には䞭孊生の日本代衚にも遞出されおおり、将来を有望芖されおいた。
     昚幎は䞀床も出堎しおいなかったので、どうしたのかず思っおいたのだが、たさか転校しおくるずは思うはずもなく、私も驚いおいる。
    「なんだ、お前ら知り合いだったのか。䞁床いい、校舎の案内はお前に任せる。それじゃ、先生は授業があるからこれで」
     女性教垫はそれだけいうず教宀を出おいっおしたった。
    「  どうするんですか、この空気」
     梚花が小さな声で耳打ちをする。
    「どうするっお、あい぀が勝手に自爆したようなモンじゃない」
     梚花の小声に反しお、私は倧声で春に向かっお指をさす。
     指をさされた春は矞恥ず怒りで顔を真っ赀にしおおり、ブルブルず身䜓を震わせる。
    「た、たぁ座りなさいよ。ほら」
     苊笑いを浮かべながら、垭ぞ座るよう誘導する。
     キッ、ず私を睚みながら隣の垭に座る春に察しお、私は気たずそうに芖線を机の䞋に向けた。
    『――ちょっずびっくりしたけど、これはチャンスだわ。東京から凜通に来たっおこずは匕き抜ける可胜性もあるはず。校舎案内をする昌䌑みが勝負ね』
     ――昌䌑み。
    「んヌっ 昌䌑みね。春、案内するわよ」
    「  いいわよ。別に」
     垭を立っお、廊䞋に出ようずする春の埌ろを私ず梚花で远う。
     私たちを匕き離すべく、廊䞋を早歩きで移動する春に負けじず匵り合っおいるず、やがお芳念したのか、足を止めお振り返った。
    「しっ぀こいわねえ ぀いおくるんじゃないわよ アンタらなんかに教わらなくたっお困りゃしな――」
     小動物の嚁嚇のように唞る春に呌応する圢で、䞀際倧きなお腹の鳎る音が響く。
    「おヌっず、腹ペコなのかしらヌ」
    「匁圓を持参しおいないのであれば急いだほうがいいですよ。球毛利(たたけり)高校の賌買は戊堎ですから。運の悪い日は十分で商品が売り切れおしたうこずもありたすので」
     県鏡のブリッゞをクむッず持ち䞊げお、梚花が意地の悪い笑みを春に向ける。
    「ううっ  」
     春は悔しそうな衚情を浮かべたが、すぐに肩を萜ずしお芳念する。
    「わかったわ  賌買の堎所だけ案内しお」
     その姿に私ず梚花はほくそ笑み、賌買ぞず向かった。
     ――数分埌。
    私たちは賌買で春の勇姿を芋届けた埌、屋䞊ぞず移動しおいた。
    「  瀌だけは蚀っおおくわ」
     春は賌買で入手したデラックス焌きそばパンを頬匵りながら、枋々ずいった感じで口を開いた。
    「いやヌ、満足したならよかったよかった」
     春の様子を芋お、勧誘をするなら今がチャンスかもしれないず私は螏んだ。
    「ねえ、あんたノェントゥヌノ抜けたの チヌム抜けたならりチに――」
    「これ、芋おわかんない」
     私の話を遮っお、春は自身の長く䌞びた埌ろ髪を指さす。
    「  やめたのよ。サッカヌ」
     春がデラックス焌きそばパンを食べきり、お茶を飲む。
    「なんでやめたのよ 日本代衚にも遞ばれおたのに、もったいない」
    「――ダサいからよ。青春無駄にしおたで続けるようなモンじゃないわ。アンタらも銬鹿ね。サッカヌだけでなく、アむドル フフッ、いっそのこずお笑い芞人も目指しおみたら」
     春は嘲笑(あざわら)うず、屋䞊の出入口ぞ向かう。
     その埌ろ姿に䜕か思うずころがあったのか、梚花が重い衚情を浮かべる。
    「――巊足の怪我  たさか、治っおないのですか」
    「――――ッ」
     梚花の蚀葉に、春が足を止める。
    「怪我っおたさか、あの時の」
     私は驚き、春の巊足に芖線を移す。
    「――二幎前のゞュニアナヌス䞖界倧䌚で受けた、劣悪なラフプレヌによる巊ひざの副靭垯(じんたい)損傷。しかし、遞手生呜が絶たれるような内容ではなかったはずですが  」
    「フフッ  随分ずご䞁寧にどうも」
     自嘲しながら、嫌味を含めお蚀葉を返す春。
    「だったら――」
     春が螵(きびす)を返しお、鬌気迫る衚情で私の胞倉を掎む。
    「だったら、䜕 続ければいいっお アンタに私の䜕がわかるっおいうのよ」
     たしかに私の発蚀は無神経だった。それに関しおは申し蚳なく思う。
     でも、おかげでわかったこずがある。
     それは、圌女がサッカヌをダサいなんお思っおないずいうこず。
     であれば、ここは悪圹ずしお振る舞うこずで圌女の本音を聞き出すこずに培するべきだ。
    「いやヌ、わかるわけないじゃない 怪我を蚀い蚳にしお蟞める奎の気持ちなんおさ」
    「ふっざけんな 誰が奜きで蟞めたず思っおんのよ もう、前みたいなプレヌができないから、私は――」
     鬌気迫る衚情から䞀転しお、堪えるように唇を噛み、倧粒の涙をこがす春。
     胞倉を掎んでいた腕は次第に力を倱い、だらんず䞋ろされた。
    「うっ  うっ  もう、無理なのよ。あれだけ埗意だったドリブルも、たた接觊プレヌで怪我をしたらず思うず  䞊手くいかなくお  二軍に萜ちお  」
     俯きながら感情を吐露する春。これこそが圌女がサッカヌから離れた本圓の理由なのだ。
     これ以䞊、これだけサッカヌに真摯に向き合っおきた人間を蔑(ないがし)ろにしおはいけない。
    「本心を聞き出すためずはいえ、蚱されないこずをアンタにしおしたったわ  本圓にごめんなさい」
     私はできるだけ深々ず頭を䞋げる。
    「なっ、䜕よ  謝ったずころでなんの意味も――」
     私の謝眪にうろたえる春。圌女は觊れおほしくない話題にも関わらず、本心を打ち明けおくれた。
     それなら、私も党力で圌女に向き合うべきだ。
    「――それでも、アンタは続けるべきだず思う。どんなに䞊手くいかなくおも、情けなくおも、そんなに悔しくなれるくらいにはサッカヌ、奜きなんでしょう」
     春が顔を䞋に向ける。感情の敎理に時間をかけおいるのかもしれない。
     やがお意を決したのか、春が真剣な衚情でこちらを芋る。
    「そうよ  認めるわ。私はただ、サッカヌが奜き。本圓は  蟞めたくなんかない」
    「それじゃあ――」
    「――癪に障るわね。入っおあげるっおこずよ」
     春が私にビシッず指をさす。
    「ふふっ、頌もしいわね。チヌムのオヌナヌずしお歓迎するわ」
     私は春ぞ右手を差し出し、握手を求める。
    「フン  」
     春はムスッずした顔で握手に応じる。
     これにお、新川春の加入が決定した。
     ――しばらくの間、他愛のない䌚話を続けた埌、圌女は出入口の向こうぞ姿を消す。
    「  春さん、憑きものが取れたような衚情をされおたしたね」
    「そうね、良かったわ。私たちにずっおも、圌女にずっおも」
     ずはいえ、プレヌに関しおは自身の理想ず珟実のギャップに苊しむこずになるはずだ。
     明日の緎習では、チヌム党䜓でしっかりず圌女のサポヌトをする必芁がある。
     週末の詊合には間に合うわないだろうが、気長に埅぀ずしよう。
     
    ――週末、第節 FC秋田むヌブリヌズ戊。
    「――サポヌトもなんもいらなかったわ。アンタ、本圓にむップス」
     先日、凜通ブルヌプリンセスFCに加入した新川春。ブランクやむップスによる圱響、チヌム戊術の理解に時間がかかるず螏んでいたのだが、これは嬉しい誀算だった。
    「緎習ならあの皋床、朝飯前よ。でも、やっぱり駄目ね。䜓力の回埩はもう少し時間かかるかも」
     緎習に参加した初日で元䞖代別日本代衚ずしおの実力を遺憟なく発揮した春。今日の詊合では埌半戊のみの起甚になるが、圌女ならきっず玠晎らしいパフォヌマンスをしおくれるだろう。
     そんな期埅をしながらロッカヌルヌムぞず足を運んでいるず、前方をよく芋おいなかったためか、ゞャヌゞ姿の女性ずぶ぀かっおしたう。
    「チッ  気を぀けろや」
     倧きい。みほくらいの身長はあるだろう。赀髪にリヌれントずいう䌌぀かわしくない髪型をしたその女性は、舌打ちをしながら毒を吐いおすぐに姿を消した。
    「なによ、あの態床。たしかに私が悪いかもしれないけど、あんな颚に蚀わなくたっおいいじゃない」
     私が地団駄を螏みながら歩くのに察しお、春は足を止めお硬盎しおいる。
    「春、なに突っ立っおんのよ。さっさず行くわよ このむラむラは今日の詊合で晎らしおやるんだから」
    「――――あい぀よ」
     なぜか身を震わせる春。
    「はあ なんの話」
    「私に  私に怪我を負わせた奎 あい぀のせいで、私は  」
    「あれが、春の  」
     ――おそらくだが、今日の詊合に出堎しおくるのだろう。
     チヌムのみんなに急いで䌝えなくおはならない。
     拭いきれない䞍安を抱えたたた、私は春ずずもに急いでロッカヌルヌムぞ向かった。
     
    ――詊合開始前。
     私は先ほどぶ぀かった盞手をキッず睚み぀ける。
    「おお、怖い怖い。たあたあ、気楜にやろうや、フェアプレヌの粟神でな」
     盞手が顎を少し匕き、䞍敵な笑みを浮かべお芋䞋ろす。
    「矜良はらマリン。アンタのこずは聞いた。サッカヌが嫌いになるくらいにボコボコにしおあげるわ。ちゃんず実力でね」
    「――面癜いねえ、やっおみろや」
     䞡者が睚み合っお今、第二節、秋田むヌブリヌズ戊が始たる。

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