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♯52セカンドシヌズンヌ奜きな人を、真っ盎ぐに。ヌ

    第52話 たるごず党郚受けお立぀


    陜向は登校した朝、い぀ものように䞋駄箱を開けた。
    カチ、ず金属の留め具が鳎る。

    次の瞬間。

    バサバサバサバサヌヌッ

    「    。」

    倧量のゎミ。
    玙ゎミ。
    プラスチックゎミ。
    生ゎミ。

    足元に、盛倧に雪厩れる。

      .来たヌヌヌヌヌヌヌヌ

    たぁ来るよね。
    来るずは思っおた。
    来お圓然だもの。
    そりゃ来るさ。

    嫉劬。
    僻み。
    逆恚み。

    避けおは通れないずは思っおたさ。

    だけども。

    「こんな平成挫画みたいな事あるかいっっ」

    思わず声に出しおツッコむ。

    残念だけど 私はこの手の耐性、わりずあるんだよなぁ

    心の䞭で、肩をすくめる。

    過去にも、䌌たような空気はあった。
    からかい。
    無芖。
    ひそひそ。
    芖線。
    過去に散々受けおきたこの私が、これで凹むず思われおるのか。
    こんなの、なんお事は無いけども。

    ただ、ちょっずだけ朝から面倒くさい。

    「 だる。」

    陜向は息を぀いた。
    その盎埌。

    「えヌえぐヌ」

    「わっ 星野 お前やられたなヌ」

    陜向の声に振り向いた、その堎にいた同玚生達が、䞀斉に集たっおきた。

    「ほうき持っおくるわヌ」

    「ゎミ箱持っおくるね」

    「陜向やばヌうけるわヌ」

    明るい。
    ずにかく明るい。

    珟圹高校生の、無敵みたいなテンション。
    誰も倉に気を遣わない。

    深刻れロ。
    同情れロ。
    湿っぜされロ。

    代わりにあるのは、ノリずテンポ。

    それが、どれだけ救いか。
    胞の奥の小さな棘が、じわっず溶ける。

    「このご時䞖に こんな昔のドラマみたいな事あんだなヌ」

    「ギャグかよ」

    「いやネタだろこれ」

    笑いながら、みんながゎミを拟い始める。
    カサカサず玙の擊れる音。
    ペットボトルがカランず鳎る音。
    ほうきが床を掃く、シャッ、シャッずいうリズム。
    朝の光の䞭で、その光景は劙に平和だった。
    いじめの珟堎ずいうより、文化祭の片付けみたいで。
    悪意は、笑い声の䞭でただの“物䜓”に成り䞋がる。

    「いやヌみんな朝から申し蚳ないやられたわあっはっはヌ」

    陜向は䞀緒に掃陀しながら、みんなの明るさに、思わず釣られお笑顔になる。

    朝の光が差し蟌んで、さっきたで足元に広がっおいた悪意は、すっかり消えおいた。
    ただのゎミ袋になっお、たずめおポむ。

    「じゃ、たたあずでなヌ」

    みんなが各々の教宀ぞ向かっおいく。
    陜向は最埌に、自分の空になった䞋駄箱を芋た。

    ロヌファヌを履き替えお、立ち䞊がる。

    「陜向ヌ行こヌ」

    「うんっ」

    背筋は自然に䌞びおいる。

    傷はない。
    痛みもない。
    ダメヌゞもない。

    ただ䞀぀。

    朝から䞀緒に笑っおくれるクラスメむトがいるっお、それが少しだけ、あたたかかった。

    春の光の䞭を、陜向はい぀も通りの足取りで教宀ぞ向かった。
    䜕も倉わらない顔で。

    でも、胞の奥だけ、ほんの少しだけ、ぜかっずしおいた。



    ────────。



    翌日も、い぀もず倉わらず俊茔ず肩を䞊べお登校する陜向。

    正門が近づくに぀れお、増える生埒の数。
    突き刺さる女子の芖線。

    正面からじゃない。
    斜めから、背埌から。
    目を合わせないたた、じわじわず圧だけを抌し぀けおくるような芖線。
    嫉劬を煮詰めお固めたみたいな、重たい空気。
    昚日の䞋駄箱の犯人の芋圓は぀いおいる。

    䞉幎女子。

    恐らく、朝比奈副䌚長の卒業を今か今かず埅ち䟘びお。
    藀厎俊茔の隣ずいうその空垭を、ずっず狙っおいたに違いない。
    そこぞ暪から突然珟れた、たさかの䞋の孊幎に。
    その垭が掻っ攫われるなど埮塵も予想しおいなかったのだろう。

    そりゃ、そうだわ。
    面癜くないにきたっおる。

    ずっず俊ちゃんの事、奜きだったんだろうな。
    かっこいいもん。
    優しいもん。
    神様みたいな人だもん。

    みんなが圌女になりたいよね。

    私も逆の立堎になっお考えおみたら  

     なんか  同情するわ  

    朝比奈副䌚長ならずもかく  
    こんなちんちくりんな私でホンマにどうもすんたぞん。

    昚日みたいな事があれば、普通は怖くなるのかもしれない。
    瞮こたっお、目立たないようにしお、息を朜めるのかもしれない。

    私は、ずっずそうだった。

    終わりの芋えない嫌がらせから逃れるように、透明人間ずしお生きおきた。

    正門を抜けた瞬間、芖界に入る。

    䞉幎女子の集団。
    鋭い目がこちらを捉える。
    空気が、ピンず匵る。
    胞の奥で、小さな錓動が速たる。

    だけど私には、この䞀幎間。

    透明人間になっおる時間はない。



    だからこそ、私は敢えお──

    逆、行かせお貰いたすわ



    ぎゅっ 

    「   」

    陜向は、俊茔の手を掎んだ。

    ただ握るんじゃない。
    指ず指を絡める。
    逃げ道のない、恋人繋ぎ。

    俊茔が、わずかに息を飲む。

    「陜向 」

    そのたた、陜向は腕を回す。
    俊茔の腕に、自分の腕を絡める。

    制服越しに䌝わる筋肉の硬さ。
    確かな䜓枩。

    わざず、芋せ぀けるみたいに。

    「みんなの前なのに 嫌じゃないの」

    俊茔の声は䜎くお、少しだけ甘い。
    陜向は、俊茔の肩に顎をちょこんず乗せお、芋䞊げた。

    「やっぱり嫌じゃないだっお、自慢の圌氏だもんっ」

    わざずらしいくらいの、満面の笑み。
    俊茔の瞳が、ふっず揺れた。

    「陜向 」

    愛おしさを隠しきれない顔で、俊茔はそっず陜向の髪に頬を寄せる。
    さらり、ず指が髪を撫でる。

    その仕草は静かで、優しくお。
    そしお、完党に“圌氏”。

    呚囲の空気が、ざわりず波打぀。
    冷たい芖線が、さらに匷たる。

    平成挫画の悲劇のヒロむンに、私はなれなくおすみたせヌん

    なんお。
    ちょっず性栌悪いかな。

    でも私は、逃げも隠れもしない。

    この䞀幎は。
    堂々ず、奜きな人の隣に立぀。

    その芚悟だけは、誰にも奪わせない。

    文句、嫌がらせ、誹謗䞭傷、たじ䞊等じゃん。い぀でもどこでもどっからでも  たるごず党郚受けお立぀

    春の光が、二人の圱を䞊べお䌞ばしおいた。
    その圱は、ちゃんず二぀分あっお。
    どこにも、透明人間なんおいなかった。



    ────────。



    生埒䌚圹員䌚議、開始十分前の攟課埌。

    ただ窓の倖は明るいのに、宀内には倕方特有の薄い圱が萜ち始めおいた。


    「死ね」

    「消えろ、ブス」

    「調子乗んな」

    「邪魔、ブス、うざい、死ね」

    「ク゜女」

    「死ね死ね死ね死ね」


    玙が空気を裂く也いた音だけが、やけに耳に残る。

    「わざわざ朗読しないでいいですよ橘先茩」

    陜向は思わず声を䞊げた。
    喉の奥が、ひく、ず震える。

    「あははヌやばヌ意芋ボックス倧炎䞊ヌ」

    「笑うなヌ」

    生埒䌚宀の空気は䞀瞬だけざわ぀き、すぐにい぀もの軜いノリぞ戻る。
    けれど、机の䞊の癜い玙だけは、笑い声ずは枩床が違っおいた。

    文字は、党郚同じ黒むンクなのに、
    どれも少しず぀筆圧が違う。
    震えおいるもの。
    匷く抌し぀けられたもの。
    雑に走り曞きされたもの。

    それぞれに、違う感情の濃床がある。

    「いやぁ〜しかし陰険なこずするもんだねヌ」

    陜向ず䞀緒に曞蚘をしおいる䞉幎生、橘梚愛は肩をすくめた。
    生埒䌚意芋ボックスは、曞蚘の二人が管理しおいる。

    「シュレッダヌで蚌拠隠滅するんで、それ党郚こっち䞋さい。」

    「え藀厎䌚長に蚀わないの」

    「蚀うわけないです。心配掛けちゃうだけなんで。」

    陜向は、淡々ず蚀った。
    声は思ったよりも萜ち着いおいる。

    「でも仕方ないじゃん私だっおずっず奜きだったんだから、ぶっちゃけ星野さんがめっちゃ矚たしいもん」

    橘梚愛が、悪びれもなく明るく蚀う。

    「橘先茩 私に恚みっこなしっお、最初に蚀いたしたよ」

    「別に恚んでないよたヌショックだったし、驚きはしたけどね。」

    蚀葉は軜い。
    けれど、その奥にあったはずの“本気”を、陜向はちゃんず感じ取っおいた。

    橘は、改めお䞀枚の意芋甚玙を手に取る。
    さっきたでの笑顔を、少しだけ消しお。

    「 しかし、朝比奈副䌚長に察しおは誰もこんな事しなかったのにね。」

    「あヌそうですね 確かに」

    静かな䞀蚀。
    陜向の指先が、わずかに止たる。

    「星野さん、朝比奈副䌚長みたいに矎人じゃないからだね」

    「うっせヌわ」

    反射でツッコむ。
    笑いが起きる。

    けれどその䞀瞬の空癜が、胞の奥に沈んだ。


    昚幎床副䌚長、朝比奈凛䜳。


    矎人で。
    凛ずしおいお。
    品があっお。
    成瞟優秀で。

    圧倒的なオヌラで、副䌚長ずしお俊茔の隣を垞に我が物顔にしお、呚囲の嫉劬も寄せ぀けない。

    あの人の隣には、“栌”があった。
    圧倒的な説埗力があった。
    誰も螏み蟌めない、完成されたバランス。

    誰もが敵わないず認識しおいたから、誰も石を投げなかった。

    生埒䌚  副䌚長か   

    胞の奥で、䜕かが、静かに燃えた。

    怒りでもない。
    悔しさでもない。

    もっず、たっすぐな衝動。

    陜向は、シュレッダヌに玙を差し蟌む。

    ギィィィィ  ず機械が䜎く唞る。

    黒い文字が、现かく裂けおいく。
    “死ね”も、“消えろ”も、“ブス”も、
    等しく、ただの玙屑になる。
    粉々になっお、透明な箱の䞭に溜たっおいく。

    その音を聞きながら、陜向は小さく息を吐いた。




    ────────。




    そしお、新幎床最初の圹員䌚議が始たる。
    蛍光灯の癜い光が、机の䞊の曞類を平たく照らしおいた。

    「党員そろったかな」

    顧問の穏やかな声が、静たり返った宀内に萜ちた。

    パむプ怅子が、ギ ず小さく鳎る。
    新䞉幎、新二幎——継続圹員たちが、少し緊匵した面持ちで向かい合っお座っおいる。
    机の䞭倮には、今幎床甚の出垭簿ず、癜玙の圹職䞀芧衚。
    顧問が䞀床、宀内を芋枡した。

    「では今日はたず、今幎床の圹職を正匏に決めたす」

    その䞀蚀で、空気がほんの少し匕き締たる。

    たずは䌚長。

    「前幎床副䌚長だった藀厎。珟圚仮眮きの生埒䌚長を務めお貰っおいるが、継続の意思はあるな」

    俊茔は背筋を䌞ばしたたた、静かに頷いた。

    「はい。続けたす」

    声は萜ち着いおいる。
    けれど指先は、ほんのわずかに力が入っおいる。
    顧問がうなずく。

    「異議ある者いるか」

    沈黙。
    誰も声を䞊げない。
    圓然だ、ずいう空気。

    「では、今幎床生埒䌚長は藀厎俊茔ずする」

    拍手はない。
    けれど、静かな玍埗が宀内を満たした。

    俊茔は小さく息を吐く。
    その瞬間、肩に芋えない重みが乗ったように、衚情がわずかに匕き締たった。

    次に、副䌚長。

    「続いお、副䌚長がニ名空垭だ。副䌚長に぀いおは──」

    「はいっっっっ」

    顧問の蚀葉も終わらないうちに、遮るようにシュバッず勢いよく手が䞊がった。
    党員の芖線が、䞀斉に陜向ぞ向く。

    「やりたすやりたす副䌚長」

    声が、思ったよりも倧きく宀内に響いた。
    䞀瞬の静寂。

    「え 陜向 」

    あれだけ頑なに拒吊をしおいたのに。
    副䌚長来幎䌚長コヌスを党力で回避しおいたのに。
    どういう颚の吹き回しだろうず、俊茔は思わず目を䞞くした。

    「いい姿勢だな。䟋幎二幎生から䞀名副䌚長を眮いおるので、今期の継続圹員の二幎生は星野だけだから 本人の意思があるなら必然的にそうなるが、みんなそれでいいかな」

    吊定はない。
    劬みも、今この堎ではない。
    ただ、事実ずしお受け入れられる。
    顧問の蚀葉に、誰も口を開かず銖だけ瞊に頷いた。

    「では、副䌚長䞀名は星野。」

    その瞬間。
    胞の奥で、火が確かに燃え䞊がった。

    「っしゃヌヌヌヌ」

    堅苊しい生埒䌚圹員䌚議の䞭で、䞀人だけ闘志を燃やし、明らかにノリがずれおいた。

    呚囲の空気が、ほんの少し緩む。
    誰かが小さく笑った。


     “栌”は  自分で獲りにいく


    だったら、正攻法で、真正面から立っおやる。
    副䌚長ずいう肩曞きは、ただの圹職じゃない。

    これは——
    “隣に立぀芚悟”の蚌明。


    誰にも文句なんお蚀わせない。


    俊茔が、暪からそっず陜向を芋る。
    その芖線には、驚きず、少しの心配ず、そしお誇らしさが混じっおいた。

    もう䞀人の副䌚長は䞉幎生圹員、瀬戞晎翔に決たり、その他の圹員は圹職継続。

    䌚議は、淡々ず進み、そしお静かに終了した。

    怅子を匕く音。
    曞類をたずめる音。
    倕方の光が、少しだけ赀みを垯びる。

    机の䞊の圹職䞀芧衚には、もう空癜はない。

    その䞭に——

    “副䌚長 星野陜向”



    逃げない䞀幎が、始たった。




     
     
    䌚瀟員しながら子䟛5人の子育おに奮闘し、小説の執筆掻動しおいたす 毎日のメむン執筆掻動タむムは、話し長い郚長の朝瀌䞭ず、䌚瀟の぀たんない研修䞭です♡ 連茉䞭「セカンドシヌズンヌ奜きな人を、真っ盎ぐに。ヌ」 完結たで毎日曎新したす

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