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♯94セカンドシヌズンヌ奜きな人を、真っ盎ぐに。ヌ

    第94話 忘れがたき、ふるさず



    そしお——

    陜向ず俊茔は、残された時間をひず぀も取りこがさないように、䞁寧に、噛み締めお、確かめるように過ごしおいた。

    孊食で笑い合う昌䌑み。
    スむヌツを食べに行く攟課埌。
    週末は、ショッピングや本屋さん、映画通やプラネタリりム、氎族通や動物園。

    二人きりでくっ぀き合う孊校の図曞宀。

    同じ垰り道を歩くこずも、同じ空気の䞭で笑うこずも、その党郚が、もうすぐ“終わるもの”だず知っおいるから——

    䜕気ない䞀日が、やけに重く、やけに愛おしかった。





    攟課埌の図曞宀。

    西日が、長机の䞊に现く差し蟌んでいる。
    ペヌゞをめくる音ず、遠くの郚掻の掛け声だけが、静かに重なっおいた。

    その䞭で。

    「えregularの結果っお、月䞭旬なの」

    陜向の声が、小さく空気を揺らす。

    「そうだよ。蚀っおなかったっけ」

    俊茔は、手元の本から芖線を䞊げる。

    「月ずは聞いおたけど、勝手に月頭かず思っおた䞭旬だったら卒業したあずじゃん」

    「そう なるね」

    その䞀蚀で。

    “その時、もう隣にいない”ずいう珟実が、はっきりず茪郭を持぀。
    陜向の指先が、机の䞊でわずかに止たった。

    「匕っ越しの日っお決たった」

    䜕気ないふりをしお、問いかける。
    けれど声の奥は、少しだけ固い。

    「卒業匏の日、圓日倜の䟿で行く事になった。」

    「えぇっ」

    思わず声が跳ねる。

    「そんなすぐっっ」

    珟実を拒むみたいに、蚀葉が速くなる。

    「だったらregularの合吊、向こうに行っおからじゃん」

    俊茔は、少しだけ間を眮いた。
    その沈黙が、やけに長く感じる。

    「  結果 LINEする事も出来るけど   」

    蚀いかけお、ほんの少しだけ、迷う。

    「   陜向が     連絡しおいいなら   」

    その蚀葉は、蚱可を求めるような圢をしおいるのに。
    どこか、なにかに恐れおいるような響きだった。

    ——別れたあず。

    メッセヌゞが届く。
    たったそれだけで、きっず。

    画面越しに、圌の存圚が、珟実を䟵食しおくる。

    文字を芋れば、声を聞きたくなる。
    声を聞けば、䌚いたくなる。
    䌚いたくなれば——

    戻れない距離を、突き぀けられる。

    もう䌚えない珟実の䞭で、“ただ繋がっおいる錯芚”だけが、心を締め付ける。

    それが、どれだけ苊しいか。

    圌の居ない日垞で、圌の圱が差し蟌んだ瞬間、それに瞋り぀いお、心が抌し朰されるのは既にわかっおいる。

    それがもう、あたりにも鮮明に想像出来おしたうから。

    だから——

    「それはやめおおこう。」

    「だよね。」

    萜ずした声は、きっぱりずしおいた。
    その奥にある芚悟を、俊茔はちゃんず受け取っおいた。
    陜向が抱えおいる恐怖は、俊茔も同じだった。

    「僕も 党萜ちしおたら気たずくお連絡出来ないよ。」

    空気を軜くするように、少しだけ冗談めかしお蚀う。

    「えヌヌヌでも気になるヌヌヌ」

    陜向が、い぀もの調子で声を䞊げる。
    明るく、さっきたでの空気を壊すみたいに。
    俊茔は、い぀も通りの穏やかな声で続ける。

    「孊校にはすぐに知らせが行くから、始業匏の日に先生に聞いおくれればわかるよ」

    「たじ本圓に」

    「  萜ちおおも暎れないでね」

    「なんでそんな消極的なの俊ちゃんならどこかしら受かっおるっしょ」

    迷いのない蚀葉。
    俊茔は、小さく笑う。

    「  だず思うんだけど。結果が出るたではわからないからさ。」

    窓の倖では、倕焌けがゆっくりず沈んでいく。
    橙色から、矀青ぞ。

    その移ろいみたいに。

    二人の時間も、静かに、確実に——
    終わりぞず近づいおいた。

    「陜向  」

    俊茔は、少しだけ間を眮いおから名前を呌んだ。
    い぀もよりも䜎くお、どこか慎重な声。

    「卒業匏圓日は、二人でゆっくり過ごせないず思うから 」

    蚀葉を遞ぶみたいに、ひず぀ず぀区切っおいく。

    「前の日に最埌、孊校終わっおからどこか出掛けようか」

    「     。」

    陜向は、すぐには返事が出来なかった。

    “最埌の日”

    その蚀葉が、胞の奥に静かに萜ちおくる。

    今たでずっず、遠くにあるものみたいに思っおいた“別れ”が、急に、目の前の距離たで近づいおきた気がした。

    喉の奥が、少しだけ詰たる。

    握り合う手のぬくもり。
    俊茔の膝の䞊の䜓枩。
    倕焌けに染たる綺麗な暪顔。

    ふず、“終わるもの”ずしお茪郭を持぀。

    「    図曞宀がいい。」

    ぜ぀り、ず萜ちた声は思ったより小さかった。

    「攟課埌にどこか行くより  」

    蚀葉を探しながら、少しだけ芖線を䞋げる。

    「最埌の日は  俊ちゃんず初めお䌚った図曞宀で、ゆっくり二人で過ごしたい。」


    特別な堎所でも、特別なこずでもない。

    でも➻



    二人にずっお、党郚の始たりだった堎所。



    俊茔は、少しだけ目を现める。
    あの日のこずを思い出すみたいに。

    陜向が、本に俯いおばかりで䞭々顔を䞊げなかったこず。
    声をかけた時の、驚いた衚情。



    そこから、党郚が始たった。



    「    そうだね。そうしよう。」

    笑顔で頷いた。



    図曞宀の䞭に、沈みかけた光が差し蟌む。
    長く䌞びた圱が、二人の足元で静かに重なっおいた。

    その静けさの䞭に、確かにあった。

    “終わっおしたう時間”ず。
    “ずっず䞀緒にいたい気持ち”が。



    ────────。



    時の流れは、どうしおこんなにも残酷なんだろう。



    どれだけ願っおも、どれだけ匕き止めおも——
    止たるこずなんお、最初から蚱されおいないみたいに。

    そしお。


    ぀いに、“その日”が来た。





    ガラッ——

    い぀もず同じ勢いで、図曞宀の扉を開く。

    い぀もず同じ空気。
    静かで、柔らかくお、心から安心出来る空気。

    「おいで。」

    窓際の、い぀もの垭。
    西日を背にしお座る俊茔が、優しく䞡腕を広げる。
    迷う理由なんお、ひず぀もない。

    「お埅たせっっ」

    駆け寄っお、そのたた飛び蟌む。

    ぎゅうぅぅぅ———

    觊れた瞬間、息がほどける。

    䜕床も、䜕床も繰り返しおきたこの感觊。
    この枩床。
    この距離。

    図曞宀で䌚った瞬間、すぐにぎゅっず抱きしめ合うのも、圓たり前に続けおきたい぀もの習慣。

    そのたた、自然に膝の䞊に乗る。
    それもたた、い぀も通りの“定䜍眮”。

    「明日の卒業匏、圚校生代衚の送蟞読む時、倧号泣しお読めない気しかしないんだけど。」

    「読めなくなるほど倧号泣する人っお、あんたりいないず思うけど」

    「でも原皿曞いおる時、既に倧号泣し過ぎお曞けなくなるほど嗚咜しおた」

    「そんなの陜向だけだよ 」

    少しだけ笑う。
    䌚話をしながらも、膝の䞊に陜向を抱えおいる俊茔の身䜓は、ゆっくりず巊右に、ゆら ゆら ずい぀ものように揺れおいる。
    付き合った圓初からずっず続いおきた安心出来るこの揺れが、陜向は心底心地よい。

    「陜向の曞く文章や挔説はすごく゚モいから  それで陜向に倧号泣されたら、その盎埌に僕が卒業生代衚の答蟞読む時に、僕たで倧号泣しちゃうよ。」

    「いいじゃん。䞀緒に壇䞊で倧号泣しよ」

    「それは流石に恥ずかしいな  」

    くすくすず、笑いがこがれる。
    図曞宀に、い぀もの空気が広がる。

    倉わらない䌚話。
    倉わらない距離。
    倉わらない時間。

    ——このたたずっず続いおいくみたいな、圓たり前の空間。

    卒業匏の話。
    進路の話。
    テストの話。
    友達の話。
    本の話。

    蚀葉を繋ぎながら、時間を匕き延ばすみたいに。

    気づけば、図曞宀はすっかり倕焌けに包たれおいた。
    窓の倖が、ゆっくりず橙に染たっおいく。
    その光が、机の䞊を、床を、二人の圱を、長く䌞ばしおいく。

    ——沈んでいく。

    胞の奥に、じわじわず圱が萜ちる。

    その瞬間。
    17:00に自治䜓が流す倕焌けのチャむムが鳎った。

    遠くから耳に萜ちる“倕焌け小焌け”のメロディ。

      やだ   

    心のどこかで、幌い声がする。

     やだやだ   終わらないで    


    倪陜、お願い。

    沈たないで。

    時間、止たっお。

    あず少しだけでいいから。


    けれど、時蚈の針は、容赊なく進む。
    最終䞋校、18:00。
    その数字が、珟実ずしお、静かに近づいおくる。

    こんなにも。
    時間が怖いず思ったこずは、なかった。

    䌚話が、少しず぀枛っおいく。
    さっきたで無理やり繋いでいた蚀葉たちが、ひず぀、たたひず぀途切れおいく。
    沈黙が、隙間に入り蟌む。
    それをごたかすみたいに、たた蚀葉を探す。

    倕焌けが沈むのず同じ速さで、二人の空気も、ゆっくりず沈んでいく。

    「    明埌日から  」

    ぜ぀り、ず。
    陜向の声が、萜ちる。

    「俊ちゃんがいないなんお  実感湧かないな。」

    なるべく、軜く。
    わざず、い぀も通りに。

    「だっお俊ちゃんず違っお、私は家も孊校も倉わらないし」

    少しだけ、早口になる。

    「同じ堎所で、同じ毎日を、同じように過ごすだけだもんっ」

    同じ通孊路。
    同じ校舎。
    同じ廊䞋。
    同じ孊食。
    同じ生埒䌚宀。

    同じ、図曞宀。

    ——党郚、倉わらない。

    でも。

    い぀も隣に。
    圓たり前にあった存圚が。


    ひず぀だけ、消えおしたう。


    そこだけぜっかりず穎が空いたみたいに。


    「  陜向   」

    俊茔の声が、䜎く萜ちる。
    その名前を呌んだけで、党郚が厩れそうになる。
    陜向が明るく笑っおいるその顔が、逆に苊しくお。

    芋おいられなくお。



    気づいたら、腕が䌞びおいた。



    ぎゅっ、ず。
    匷く、抱きしめる。

    「        ごめん   っ」

    小さく、こがれる。
    抑えきれなかった。


    もう、無理だず。


    このたた、䜕もなかったみたいに笑っおいるなんお、出来ないず。

    「   っ」

    觊れられた瞬間。

    堪えおいたものが、決壊する。

    ぜろぜろず、涙が溢れる。
    止たらない。
    止められない。
    陜向も、同じように腕を回す。

    ぎゅう、ず。

    壊れそうなくらい、匷く抱きしめ返す。

    䜕床も感じおきた、この枩もりに。
    この錓動に。
    この距離に。

    瞋り぀くみたいに。

    離したくないず、願うみたいに。



    ——終わるなんお、嘘だっお蚀っお。



    わかっおる。
    どうにもならないっおこずくらい——
    最初から、ちゃんずわかっおた。

    恋人になった、その瞬間から。
    この恋には、終わりがあるっお。

    ずっず、決めおた。
    “応揎する”っお。
    “笑顔で送り出す”っお。

    そうしないず、圌を困らせるから。
    圌は、前に進む人だから。
    未来ぞ行く人だから。

    離れるっお、玄束した。



    “䞀幎で別れる”。

    それが私たち二人の最初の玄束だった。



    だから、わがたたなんお蚀っちゃだめ。
    泣いたらだめ。
    困らせたらだめ。

    ちゃんず、最埌たで“いい圌女”でいなきゃいけない。

      そう思っおたのに。 

    この時間が。

    この距離が。

    この枩もりが。

    「   俊ちゃんず  っ 」

    声が、うたく出ない。
    喉の奥が詰たっお、息が震える。
    それでも、止められない。

    「  離れたく  ないよ っ」

    堪えおいたものが、こがれる。

    倉えられないっお、わかっおるのに。
    こんなこず蚀っおも、意味なんおないっお。
    むしろ、困らせるだけなのに。

    止たらない。
    涙が、頬を䌝う。
    呌吞が、うたく出来ない。

    でも。

    わかっおるから。

    叶わないっお、わかっおる。
    願っおも意味がないっお、わかっおる。

    もう䌚えないっおこずを、ちゃんず理解しおるから。

    党郚    受け入れるよ。



    だから、せめお——



    最埌くらい。



    「 ずっず  ヒック  」

    声が、厩れる。
    蚀葉にならないたた、それでも必死に掎む。

    「  俊ちゃんず  䞀緒にいたいよぉ っ」



    ただの——


    “最埌のわがたた”蚀わせおね。





    「 グス っ 行がないでぇ ぅぅっ  俊茔ぢゃん ずっど  ずっど偎にいでよぉ っ」





    蚀うだけだから。
    ちゃんず、諊めるから。
    望たないから。

    明日はちゃんず、玄束守るから。




    陜向を抱きしめる腕が震える。

    それでも離したくなくお、壊れそうなほど匷く、き぀く抱きしめる。
    胞の奥が、ギリギリず軋む。
    息を吞うたびに、鋭く痛んで、吐くたびに、䜕かが削れおいく。
    心も、党身も、匕き裂かれるような激しい苊しみに、喉の奥が焌けお、蚀葉は厩れお、俊茔は、もう嗚咜しかこがせない。

    「   っ僕だっお っ  グス  陜向の偎にずっずいたい  」

    息がうたく吞えない。
    芖界が、滲んで、歪んで、䜕も芋えない。


    こんな感情を、ずっず知らなかった。


    胞の奥が、焌け぀くような。
    䞀気に、火を぀けられたみたいに。
    觊れたもの党郚を焊がしおいくような、どうしようもないほどの激しい恋。

    ずっず誰かに求められお、遞ばれ続けおきた。
    それなのに。

    こんなに狂おしい皋に、ただ䞀人を。


    求めお、求めお、求めお。


    どんなにき぀く抱きしめおも。
    ”足りない”ず、思う日が来るなんお。

    「 このたた っ 陜向ず離れるなんお  嫌 だよ っ グス 」

    圓たり前に決められおいた、圓たり前の未来。

    その党郚を、今この瞬間、党郚投げ捚おおしたいたいず——思う日が来るなんお。

    「   ずっど グスッ ごの先も  陜向ど䞀緒じゃなぎゃ  」

    運呜に抗いたいなんお。

    そう思う日が来るこずを、想像した事もなかった。

    「 陜向が  っ居おぐれなぎゃ  ヒック  無理だよ  っ  」

    腕に蟌める力が、さらに匷くなる。
    逃がさないみたいに、瞋り぀くみたいに。

    止めどなく溢れる涙は、お互いの頬を、銖を、肩を、胞を濡らしおいく。

    避けられない運呜。
    残酷な未来。
    亀わした玄束。

    党郚、わかっおいるのに。
    党郚、受け入れるず決めおいたのに。

     

    それでも——

    どうしおも、手攟したくない。



    䜕もかもを捚おる皋の勢いで、二人は想いの党おをぶちたけた。







    「あああぁぁぁぁぁ──────」







    抑えきれなかった感情が、喉の奥から溢れ出す。

    声にならない叫びが、静かな図曞宀に響いお、倕焌けの光の䞭で、ゆっくりず、厩れおいった。






    時刻は、18:00。






    最終䞋校のチャむムが遠くで鳎り終わり、その䜙韻だけが、静たり返った校舎にかすかに残っおいた。

    図曞宀の窓の向こう、遠くの空は、ただわずかに暁を残しながらも、ゆっくりず矀青ぞず沈みかけおいる。

    倕方でも倜でもない、境界の色。

    その曖昧な光が、長机ず本棚の間に现く差し蟌み、二人の圱を、静かに、長く匕き䌞ばしおいた。


    静寂の䞭、二人は動けない。


    俊茔の膝の䞊。
    陜向は抱きしめられたたた、力無く身䜓を預けおいる。
    俊茔の腕は、それを䞀切離す気配もなく、むしろ時間が経぀ほどに、わずかに匷くなっおいくようだった。

    二人ずも、同じ方向を芋おいた。

    遠くの、もうすぐ消えおしたう空を。

    蚀葉は、なかった。
    けれど、その静けさの奥で、互いの呌吞だけが、かすかに重なっおいた。

    やがお——


     

    「    うヌさヌぎヌおヌいし   かヌのヌやヌたヌ  」

     


    陜向の声が、ぜ぀りず、空気に萜ちた。



    それは、童謡の「ふるさず」だった。



    これは、遠くの倢ずしお。
    時が流れお、二床ずは戻れない昔のふるさずを、そっず想い出の䞭で抱きしめる歌。

    途切れそうで、でも途切れないその声が、図曞宀の静寂に、ゆっくりず溶けおいく。



    うさぎ远いしかの山
    小鮒぀りしかの川
    倢は今もめぐりお
    忘れがたき故郷



    ずっず埅っおるなんお蚀わない。
    い぀か垰っおきおなんお蚀わない。

    ただ、倧人になった先の未来で、い぀かふず私のこずを思い出しお。

    懐かしんでくれたら嬉しいな。




    「   わヌすヌれヌがヌたきヌ  ふヌるヌさヌずヌ  」




    最埌の䞀音が、静かに消えおいく。

    陜向が歌い終わるず、再び図曞宀に静寂が萜ちた。

    「  どうしお ふるさず」

    俊茔は優しく問いかけた。

    「 私は  俊ちゃんのふるさずになれたら嬉しいなっお 思っお 」

    柔らかく笑っお、俊茔の瞳を芋぀めた。
    その笑顔は、儚い。




    「陜向の党郚を、忘れない。」




    俊茔の手が、ゆっくりず陜向の頬ぞ䌞びる。

    「明るい声も、元気な笑顔も、䞍噚甚だけど誰よりも真っ盎ぐなずころも   い぀たでもずっず思い出す。」

    陜向も、同じように手を䌞ばした。
    指先が、俊茔の頬に觊れる。

    「  忘れないで   俊ちゃんずの党郚が、私の䞀生の宝物だから  」

    そのたたそっず、ゆっくり立ち䞊がる。




    「  ずヌっず  ずっず   」




    陜向の蚀葉が、ほどける。

     
    頬に觊れた手は、そのたたに。

     
    ゆっくりず——

     
    顔を、寄せおいく。






    「倧奜きだよ」





    静かに。

     

    そっず。





     

    唇が、重なった。







    二人が想いを通わせお、初めおのキスだった。




    ずっず遠くお。

    届かなくお。

    もどかしくお。



    それでも堪らなく欲しかった。



    俊茔の腕が、き぀く陜向を抱き寄せる。
    離したくない、ず蚀葉にする代わりに。
    陜向も、応えるように俊茔の銖に腕を回す。

    胞を激しく燃やし尜くすような焊げる感芚。

    あんなに怖かったはずの距離が、こんなにも枩かいだなんお。

    信じられない。

    離れたくなくお。

    求めるように。

    䜕床も、䜕床も。


    互いの唇の感觊を刻み蟌むように、繰り返し重ねる。


    俊茔が離せば、陜向が远いかける。
    陜向が離せば、俊茔が匕き寄せる。

    蚀葉よりも正盎な、觊れ方。




    陜向の頬に、涙が䌝う。




    俊茔ず亀わす初めおの。
    倢にたでみた、幞せなキスなのに。


    これは──別れのキス。




    最埌のキス。




    離れられない二人。

    長く、長く続いたその時間は、たるで䞖界から切り離されおいたみたいで。


    やがお——




    静かな廊䞋の奥から、甚務員の芋回りの遠い足音が近づいおくる。

    珟実が、ゆっくりず戻っおくる。

    それでも、二人は。

     

    最埌たで——

     


    お互いの唇を、離さなかった。


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    䌚瀟員しながら子䟛5人の子育おに奮闘し、小説の執筆掻動しおいたす 毎日のメむン執筆掻動タむムは、話し長い郚長の朝瀌䞭ず、䌚瀟の぀たんない研修䞭です♡ 連茉䞭「セカンドシヌズンヌ奜きな人を、真っ盎ぐに。ヌ」 完結たで毎日曎新したす

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