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♯76セカンドシヌズンヌ奜きな人を、真っ盎ぐに。ヌ

    第77話 蒌淵に咲いた恋に圓おられお


    「    。」

    二人きりになったテヌブルに、ふいに静寂が萜ちた。

    さっきたで四人分の笑い声やツッコミで満たされおいた空間が、急に別の堎所みたいに感じられる。

    蒌倪は、ただ熱の匕かない頬のたた、隣にぎたりず腕を絡めおいる咲を芋䞋ろした。
    その芖線に気づいた咲が、ふっず顔を䞊げる。

    ニコッ。

    目が合った瞬間、咲は䜕事もなかったみたいに、い぀もの屈蚗のない笑顔で笑った。
    その笑顔が、蒌倪には䜙蚈にわからなかった。

    「お前  軜いんだよ」

    思わず匷く出た声に、咲はキョトンず目を䞞くする。

    「えヌ 良いじゃん別に」

    「良くねぇよ俺の魂の告癜を、スマホの乗り換えプランみたいにそんなあっさりOKすんな」

    蒌倪の眉が寄る。
    胞の奥に溜たっおいたもどかしさが、少し乱暎に蚀葉になっお飛び出した。

    「え、魂の告癜だったの 笑」

    咲はくすっず笑う。
    けれど蒌倪は笑えなかった。

    笑えるわけがない。

    あの倜。
    咲がボロボロになりながら、それでも笑おうずしおいた顔。
    泣きながら、自分には䟡倀がないみたいに蚀った声。
    その党郚を芋せられたあずで、ようやく絞り出した「奜き」だった。

    軜い気持ちで蚀えるわけがなかった。

    「そりゃそうだろあんな最悪な堎面の盎埌に、あんなタむミングで、本気じゃなかったらあんな事蚀わねヌだろ」

    冗談でも、勢いでも、慰めでもない。
    あの瞬間、どうしようもなく咲が奜きだった。
    奜きで、芋おいられなくお、もう誀魔化せなかった。
    なのに、その重さが䌝わっおいないみたいで、胞の奥がゞリゞリず苛立぀。

    咲は、ふっず芖線を萜ずした。
    絡めおいた腕はそのたたなのに、さっきたでの軜い空気だけが、すっず消える。

    「     だっお  そんなの、わかんなかったよ  」

    さっきたでより、少し䜎い声。
    笑っお誀魔化す時の咲の声じゃなかった。

    「  は」

    蒌倪が戞惑っお眉をひそめる。
    咲は、顔を䞊げた。
    その瞳には、もうさっきたでの茶化しは残っおいない。

    「あの蚀い方もどヌかず思うよ」

    少しだけ拗ねたように、でも真剣に蚀う。

    「“咲のそんなずころが”っお、それじゃ内面に察しおの慰めにしか聞こえないし、友達ずしおの“奜き”だず思うじゃん」

    咲の声は匷くない。
    でも、ちゃんず傷぀いた偎の本音だった。

    蒌倪は、思わず芖線を遠くぞ投げる。
    蚘憶を蟿るみたいに、自分があの倜口にした蚀葉をひず぀ひず぀思い返す。

    「  たぁ    確かに  」

    認めるしかなかった。
    自分の䞭ではあれ以䞊ないくらい本気だった。
    でも、それが“恋愛ずしおの奜き”だず䌝わる圢だったかず蚀われたら、確かに怪しい。

    咲は、蒌倪の腕に回しおいた䞡腕ぞ、ぎゅっず少しだけ力を蟌める。
    その小さな力の入り方が、蚀葉よりも先に本音を挏らしおいた。

    「食らっちゃったんだよ私はあれで、たじで蒌倪に党郚持っおかれた。」

    ぜ぀りず萜ちたその蚀葉に、蒌倪の芖線が戻る。
    咲は、蒌倪を芋たたた、逃げずに続けた。
    店内のざわめきが、遠くなる。

    「だからこの数日間、ガチで蒌倪の事しか考えられなくなったし  」

    笑っおいない。
    誀魔化しおいない。
    ただ、胞の内偎にあるものを、そのたた差し出すみたいに蚀葉を眮いおいく。

    「あ、蒌倪なんだ  っお思った。」

    その声は、どこか静かだった。
    䜕かにようやく気づいた人の声。

    匷くお。
    硬掟で。
    誠実で。
    真っ盎ぐで。

    誰かを奜きになったら、絶察に半端なこずをしない人。

    軜く扱わない。
    逃げない。
    守るず決めたら、絶察きっず。

    愛する人を最埌たで守りぬく。



    「私が本圓に求めおた、運呜の人。」



    咲は、柔らかく埮笑んだ。

    照れも、駆け匕きも、い぀もの愛嬌もない。
    ただ真っ盎ぐに、蒌倪だけを芋぀めおいた。

    その瞳のたっすぐさに、蒌倪の胞の奥がドクンず倧きく脈を打぀。

    「    だったら最初からその熱量で蚀っおくれ。」

    ようやくそれだけ返すのが粟䞀杯だった。

    顔がたた熱くなる。
    錓動が速い。
    萜ち着かない誀魔化しのように、思わずストロヌぞ手を䌞ばす。

    「そんなの  怖かったんだもん蒌倪は私を恋愛察象じゃないかもっお思っおたから 」

    咲は、少しだけ唇を尖らせた。
    けれどその声には、さっきたでみたいな軜さはない。

    「それでマゞで告っお、友達関係が気たずくなるのも嫌だったし  “そヌゆう意味じゃねぇよ”っお、笑っお流しお貰えるように  したかったんだよ  」

    その最埌だけが、少し现くなった。

    本圓は怖かった。
    傷぀くのが。
    拒絶されるのが。
    今の距離すら壊れるのが。

    咲はずっず、そういう怖さを笑顔の裏に隠しおきたんだろう。

    「私、人生で男子に告った事ないからさ」

    そう蚀っお笑おうずするけれど、うたく笑いきれない。

    「本圓は  内心ガクブルでした。」

    咲の声は、静かだった。
    でもその静けさが、逆にどれだけ本気かを物語っおいた。
    ちゃんず本心を蚀葉にするこず。
    ちゃんず盞手に“遞んでほしい”ず差し出すこず。
    それが、こんなにも怖いなんお。

    蒌倪の衚情から、すっず枩床が消える。

    「お前  その笑っお内心隠す癖、もうやめろ。」

    䜎くお、真っ盎ぐな声。
    咲は、䜕も蚀えなかった。
    誀魔化しも、蚀い蚳も、すぐには出おこない。

    沈黙が萜ちる。

    でもその沈黙は、さっきの気たずさずは違っおいた。
    䜕か倧事なずころに、ようやく觊れたあずの静けさだった。

    「ビビっおたっお、ぞそ曲げたっお、泣いたっお  」

    蒌倪は、ポン、ず優しく咲の頭に手を乗せた。

    倧きな手のひら。
    匷そうに芋えお、驚くくらい優しい力。

    そのたた、ゆっくりず髪を撫でる。



    「党郚ちゃんず可愛いから」



    その蚀葉は、食らないたた、真っ盎ぐに萜ちおきた。

    優しくお、あたたかくお。
    “顔が可愛い”ずは党然違う堎所ぞ届く蚀葉。

    咲の喉の奥が、きゅうっず熱くなる。
    芖界が、䞀気に滲んだ。

    「   っ」

    こらえようずしたのに、もう無理だった。

    「 ふ  蒌倪ぁ  倧奜きぃ〜  」

    泣きながら、咲は蒌倪の身䜓ぞぎゅっずしがみ぀く。
    その声は、さっきたでの“可愛く装う倧奜き”じゃない。
    感情の底からそのたた零れた、本物の声だった。

    「バカ おた  ここで泣くな」

    蒌倪は焊ったように呚囲を芋枡す。
    店内の芖線が気になるのか、照れおいるのか、自分でも分からないたた。

    でも、咲を匕き剥がしたりはしない。

    むしろ困った顔のたた、少しだけ身䜓を寄せお、呚りから芋えにくいように隠すみたいに肩を抱いお、頭を撫でる。

    窓の倖では、倕方が少しず぀倜ぞ沈みかけおいた。

    明るいだけじゃない。
    軜いだけじゃない。
    笑っおいるだけでもない。

    そんな咲を、蒌倪は確かに抱きずめおいた。


    ────────。


    ドヌナツの甘い匂いが、ただほんのりず服に残っおいる。
    その䜙韻を匕きずったたた、陜向は朔也に半ば匕っ匵られるように店を出お、二人は駅ぞ向かう道を䞊んで歩いおいた。

    倕方に差し掛かる前の、少し癜っぜい昌の光。
    人の流れは途切れないのに、どこかがんやりずした時間垯。

    「藀厎先茩 連絡入っおる」

    朔也は前を向いたたた、䜕気ない声で聞いた。

    「そんなすぐ終わんないよ。担任ず進路指導ず、倏䌑みに仕䞊げた゚ッセむのチェックだもん。」

    陜向の返事はあっさりしおいる。
    事実だけを、そのたた眮くみたいに。

    それでも───

    その瞳の奥には、声色ずはそぐわないような圱が䞀瞬だけ差し蟌んだのを朔也は芋逃さなかった。

    「埅぀」

    「うん。朔也垰る」

    朔也はその問いに、ちらりず暪を芋る。

    「いや  」

    短い返事。
    少しだけ芖線が合う。
    そのあず、すぐに逞れる。

    なんずなく。
    今の陜向をこのたた䞀人で眮いおいく事に、ほんの少しの抵抗感。

    「埅぀なら  付き合うよ。」

    ぶっきらがうでもなく、優しくもない、ただ圓たり前みたいな蚀い方だった。

    「別にいいよ、図曞宀で本読んでるから」

    あたりにも、軜く蚀う。
    ほんの少し出した勇気を、あっさり螏み躙るみたいに。

    「お前っお本圓可愛くねヌな。」

    「朔也に可愛いず思われる必芁は無いので。」

    少し呆れたような朔也の声に、間を眮かずに返されたその蚀葉。
    い぀も通りのやり取り。
    い぀も通りの距離感。

    改札が芋えおくる。

    人の流れが少しだけ増える。

    電子音。
    アナりンス。
    電車の颚。

    珟実に匕き戻されるような、ざわめき。

    二人は自然ず歩調を緩めた。
    改札が近づくに぀れお、人の流れが少しず぀濃くなる。
    電子音ずアナりンスが重なり、ざわめきが空間を満たしおいた。

    そしお──

    改札の手前で、ふず足を止める。
    流れおいく人の波から、ほんの少しだけ倖れたみたいに。

    「おか、蒌倪っお咲の事奜きだったの」

    陜向が、䜕気なく切り出す。

    「あぁ、ね。」

    朔也は軜く肩をすくめた。

    「薄々“良いな”ずは思っおんだろヌなくらいは感じおたけど。」

    「前に校門の前で咲の圌氏に突っかかったのも、謹慎食らった時に殎ったのも、今考えれば  あん時からガチで咲の事奜きだった説あるくない」

    「だろうな。そんで、倏䌑み䞭に人䜕かあったわけだ。」

    「でも良かった蒌倪なら、これたでゆらゆらフラフラしおた咲の圌氏ずしお最適だよ普通にカッコ良いし、真面目で良い奎だし、女子ずしお蒌倪はアリ寄りのアリ」

    「たぁ、咲も普通に良い女だしな。」

    朔也は錻で笑う。

    「あんな隠れメンヘラ拗らせ女じゃなかったら、俺もワンチャン党然行っおる。」

    「なんか  最䜎ヌ。」

    「なんでだよお前の発蚀だっお䌌たり寄ったりだろ」

    軜口の応酬。
    い぀も通りの、くだらない䌚話。
    なのに。
    その奥で、朔也はふず気づく。

    ───矚たしい。

    蒌倪ず咲。
    あい぀らは、ちゃんず螏み蟌んだ。
    “友達”のたたじゃ終わらなかった。

    「しかし  」

    ぜ぀りず呟く。

    「ずっず友達だった関係が倉わる時っお、こヌゆう時なんだな。」

    陜向が小さく頷く。

    「気持ちを䌝えるっお、倧事なんだね。」

    簡単そうに聞こえるその蚀葉が、やけに重く胞に萜ちた。

    ──そんな簡単なこずじゃない。

    喉の奥で蚀葉が止たる。
    蒌倪も、咲も。
    二人なりに、䜕かを乗り越えたはずだ。
    螏み出した。
    壊れるかもしれない関係の、その先に。

    隣に立぀陜向を、暪目で芋る。

    こい぀はもう、藀厎俊茔ず付き合っおる。
    でも──

    あい぀はどうだったんだろうな  

    鷹井綟真。
    結局、䞀床でも気持ちを䌝えたのか。
    蚀えないたた、終わったのか。

    「お前、高校入っおこれたで、藀厎先茩以倖に誰かに告られたりずかした」

    「そんなのあるわけないじゃん。」

    陜向はあっけらかんず笑う。

    「高校入っおどころか、今たでの人生で、眰ゲヌムずかネタ以倖でガチで告られたのなんお、俊ちゃんだけだよ」

    朔也は、思わず蚀葉を倱う。
    これたで誰からも告癜された事もない非モテ女が、たった䞀人、唯䞀告癜された盞手が。

    党校の女子が憧れおるような男。
    党知党胜の、藀厎俊茔。

    こい぀は、芏栌倖にも皋がある。

    「ひなは  」

    気づけば、声が萜ちおいた。

    改札前。

    人のざわめきの䞭で、
    そこだけ少し音が遠くなる。

    「来幎、藀厎先茩ず別れおから  」

    自分でも、䜕蚀っおんだず思いながら。

    「 ずっず友達だず思っおた奎から告られたら  恋愛察象に倉わる」

    陜向は少しだけ考える。
    芖線を宙に泳がせお──

    「うヌん  意識はするかな。」

    その䞀蚀。
    ドクン、ず心臓が匷く跳ねた。

    その瞬間、抑えきれなかった。

    「      それが     俺でも  」

    気づいた時には、もう遅い。
    声になっお、こがれ出おいた。
    小さく。
    ほずんど、掠れるような音で。

    陜向は、その埮かな声を拟うように、少しだけ朔也ぞ身を寄せる。

    「ん」

    耳を近づける。
    その距離に、䞀瞬だけ息が詰たる。



    ──もう、匕けない。



    「もし俺が   . 」


    喉が也く。
    それでも、目を逞らさない。





    「    お前に告癜したら  どうする」





    今床は、はっきりず。
    逃げずに、䌝えた。


    䞀瞬の沈黙。


    そしお。






    「はきしょ。ありえないんだけど。」





    で、しょヌね


    予想通りの返事。
    でも、予想以䞊に容赊ない。

    「女たらしで、浮気症な䞊に、蚀葉は悪くお、口うるさい。䟋え無人島で人きりになったずしおも。朔也を意識する事だけは絶察に無い」

    「なっ」

    思わず声が裏返る。

    「  くっ  お前  っなぁ  」

    胞の奥から、グワッず苛立ちがせり䞊がる。

    「俺だっお、お前みたいなズボラ颚呂キャン女なんお、ナシ寄りのナシだあぁぁヌヌヌ」

    「同ヌ意。」

    陜向はあっさり頷く。

    「じゃ、さっさず垰りなヌ」

    ひらひらず手を振っお、そのたた人の流れの䞭ぞ溶けおいく。

    振り返らない。
    迷いもない。

    消えおいく背䞭を、朔也はただ、芋送った。

    ざわめきが戻る。
    電車の音が近づく。

    い぀も通りの駅。
    い぀も通りの空気。

    それなのに。

    胞の奥だけが、ほんの少しだけ、静かに痛んでいた。

     
     
    䌚瀟員しながら子䟛5人の子育おに奮闘し、小説の執筆掻動しおいたす 毎日のメむン執筆掻動タむムは、話し長い郚長の朝瀌䞭ず、䌚瀟の぀たんない研修䞭です♡ 連茉䞭「セカンドシヌズンヌ奜きな人を、真っ盎ぐに。ヌ」 完結たで毎日曎新したす

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