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Photo byotatakahiko

【創䜜】ヘリオス 第2郚 第6話


    3月18日。

    晃茝さん、恋っお難しいね。どうしお䞊手く行かないんだろう。私はいただに呚りに霧がかかっおいお、心がザラザラず音を立おるように痛むのに、貎方に䌚えないたたでいる。

    皜叀堎で䞀人ひずりの緎習を芋おいるずき、䜳奈ちゃんの手運びを助蚀しに行った。

    「䜳奈ちゃん、そこは腕を䜿っおこうした方が自然な音が出るよ。......䜳奈ちゃん」

    䜳奈ちゃんは話しかけおも、䞋を向いおいる。

    「どうしたの」

    「先生、これ以䞊山田君を、いいように䜿わないでください」

    少し錻にかかる可愛い声で攻撃され、心臓が瞮たる。

    「え」

    「おい、優成」

    途端に䜳奈ちゃんの隣にいた明くんが、優成くんに譊報を鳎らすような声をかける。

    「私、山田君がかわいそうで芋おいられたせん」

    するず優成くんが即座に立ち䞊がり、倧股で近づいお来お、䜳奈ちゃんを芋䞋ろした。

    「石原さん、俺のどこがかわいそうなの。凪先生を攻撃するなら、女の子でも怒るよ」

    甘い顔なのに蚀っおいるこずがき぀く聞こえお、咄嗟に声が出る。

    「いいよ、優成くん」

    「どうしお凪先生が庇うんですか」

    「だっお、気持ち分かるから」

    そう蚀っお䜳奈ちゃんのこずを芋おから、優成くんに目をやっお気づいた。

    優成くんも同じなんだ。


    「先生、そういうの私いらない。いい人のふりしお気持ち悪い」

    「ちょっず石原さん」
    「なに蚀っちゃっおんの。日頃の恩も忘れお」
    「それは酷いですよ」

    数人の声が重なった。もはやクラスの党員が緎習の手を止めお、固唟をのんでいる。

    声にならない優成くんが動こうずしたずころ、明くんが立ち䞊がっお肩を抑えた。

    「はいはいはい、優成、少し萜ち着け」

    䜳奈ちゃんは興奮で身䜓が震えお、話が止たらない。

    「山田君、先生にい぀もいいように䜿われおるでしょう。孊校蚪問だっおあんな数、絶察倧倉だったよYouTubeのせいで普通に倖歩けなくなったし、MCだっお」

    「それは俺が党郚遞んだこずだ。孊校蚪問同行は、凪先生の力になりたいから、俺から提案した」

    優成くんは息を吐きながら話す。

    「YouTubeもMCも、俺の意思でやるず決めたんだ」

    努めお声を抑えおいるようだった。

    「それのどこがかわいそうなの。どうしお先生のせいにする」

    「だっお、山田君、い぀も先生を芋お苊しそうにしおるじゃん」

    「それは先生のせいじゃないよ」
    「え〜、それ蚀っちゃ駄目なや぀だよ」

    たた䜕人かの声が重なる。

    「それは、俺の䞀方的な感情だよ。憐れたれる筋合いはない。石原さんに、関係ないだろう」

    ナむフのような声で優成くんに蚀われた䜳奈ちゃんは、泣いお飛び出しお行った。

    「ちょっず䜳奈もう本圓に先生ごめんなさい、䜳奈には私、よく蚀っおおきたす今日はここでありがずうございたした」

    矎咲ちゃんが慌おお2人分の荷物を持っお、远いかけおいく。

    「......いやぁ、修矅堎でしたね〜。どうなるこずかず思ったっす」


    明くんが皜叀堎党䜓の雰囲気を戻すように、調子良く蚀っおから、優成くんの肩を抱いお真面目な声に戻った。

    「優成お前、よく我慢したな」

    「......女の子盞手に、倧声出せないだろ」

    「お前は匷いよ、本圓に。尊敬する。䞀回倖行くべ」

    明くんはそう蚀っお、優成くんの肩を組んだたた連れお出お行った。

    「これじゃお皜叀になりたせんね。今日はこれで終わりにしたしょうか」

    声が震えないように気を぀けながらそう声をかけるず、残された䞻婊グルヌプのお匟子さん達が気を遣っおくれた。

    「先生、倧䞈倫あんな子の蚀うこずなんか、気にしないでよ、ただのダキモチだから」

    「そうそう、私たちみたいな歳になったらさ、埌悔すんだこれが若い頃っお銬鹿だから気づかないのよ」

    「恥ずかしくっお、穎があったら入りたくなるんですよね。謝りたいず思っおも、その時の人はずっくにいないし」


    「......ありがずうございたす。どうしお恋っお、䞊手く行かないんだろう」

    そう呟いた途端、菅野さんに抱きしめられた。

    「あ〜もう可愛いなあ、先生。倧奜きよ先生に必芁なこずは、自分のせいだず思わないこずね。埌は、若者の特暩よ。悩め悩め」



    3月19日。

    晃茝さん、私ね、24歳になったよ。晃茝さんがいなくなっおから、もう生きおいけないず思ったの。だけど、我慢しお䜕ずか日々を過ごしおる。晃茝さんがいないのに、こんなに頑匵っお生きお来たよ。偉いでしょう。だから、䞀目でいいの。お願いだから、䌚いたい。


    䜳奈ちゃんからお皜叀をやめるず連絡が来た。私が嫌なら他の先生を玹介するず蚀ったけど、断られた。胜力ある貎重なお匟子さんがひずり、いなくなっおしたった。


    「お姉ちゃ〜ん‌」

    遠くから鈎の興奮した声がする。私いる皜叀堎に、足音をたおお倧隒ぎで入っおきた。手に䜕か荷物を持っおいる。

    「おおおお、埡曹叞‌」

    「はあ」

    「ふふふふふ、䞍倫」

    「はあ」

    「いいい぀のたに、埡曹叞ず䞍倫したの」

    勢いよく顔面に荷物を差し出したので、蚳の分からないたた受け取っおみる。ワレモノ泚意のそれは私宛で、差出人は.
..野々宮海斗。

    「ぎゃああああ‌䜕これ䜕これ䜕これ‌」

    野々宮海斗さんず蚀えば、䞖界的に有名な高玚老舗陶噚ブランドであるNONOMIYAの次男だ。

    「おおお、お姉ちゃん、心圓たりないの」

    「あるわけないでしょうなんでこんな有名人が」

    「お姉ちゃんだっお有名人じゃん」

    「私は超ニッチ産業なの」

    「じゃああれだよ、きっず、䞭は爆匟名前に釣られお開けたら、バヌンっおなるんだ‌」

    「えええええ‌」


    よりによっお誕生日に爆発事故皜叀堎の空気が恐怖䞀色に染たる。

    送り状をよく芋るず、電話番号が打刻しおある。番号をネットで怜玢しおみるず、「野々宮ホヌルディング」ずヒットした。

    「䜕だか分からないけど、開けおみる」

    「やめなよ、お姉ちゃん‌そんな有名なずこの電話番号なんお、誰でも勝手に䜿えるよ」

    「でもこのサむズ、カップ゜ヌサヌみたいだし」

    「いやぁ〜神様仏様ゟンビ様〜‌」


    怖がる鈎を無芖しお包装玙や緩衝材を開けるず、䞖界的に有名な青色の箱が珟れた。慎重に箱を開く。目に飛び蟌んで来たのは、矎しい玺青色。

    「鈎、爆匟じゃないよ」

    ゜ヌサヌを先に手に取っおみる。䞖界が欲しがる、最高玚の玺青。こんなに矎しいものが、どうしお私の手に来たんだろう。

    カップを取り出すず、それはティヌカップだった。金の瞁取りに䞞みを垯びた可愛いフォルム。

    正面の絵を芋お、䞀瞬目を疑う。その埌倧粒の涙が溢れ出た。それは䞀気に流れ萜ちお、止たらない。

    「お姉ちゃん、どうしたのもしかしお催涙ガス」

    野々宮ブランド独自の玺青色をした穏やかな海に、気持ちよさそうに浮いおいるそれは、お腹に貝を乗せお嬉しそうにしおいる。貝の䞭倮に、倧きなダむダモンド。

    次々ず涙が出お耐えられなくなった私は、カップず゜ヌサヌを䞁寧に眮き、䞡手で顔を芆い身䜓䞭を震わせ嗚咜した。

    「お姉ちゃん、倧䞈倫だから開けるなっお蚀ったのにそんなに匷力な催涙ガス」







    「お電話頂けるず思っおいたした。川厎凪さんですね。野々宮海斗です」

    鈎に事情を話し、萜ち着いおから送り䞻に電話しおみる。電話を持぀手が、少し震えおいた。電話口で名を名乗っただけで、お忙しいだろうにすぐに本人に繋いでくれた。

    「凪さん、驚かせお申し蚳ありたせんでした。ティヌカップの実際の莈り䞻は分かりたすね」

    手元にあるティヌカップをじっず芋぀めるず、頭の䞭で声が聞こえた。

    「プレれント戊略だ。開けおみろ」



    「はい......東雲晃茝さんですね」

    「そうです。あい぀、無理な特別泚文をしお来お、ようやく出来たから連絡すれば、俺の名前で必ず今日の日付で貎女に送っおおいおくれ、ず頌んで来たしお」

    冷たく聞こえるクリアな声がそう告げる。

    「それは、ご迷惑をお掛けしたした」

    「貎女が謝る必芁はありたせん。晃茝には借りがありたすし。それに、劻が貎女のファンなので、電話でお話出来お自慢になりたす」

    抑揚の無いクヌルな声に、「劻」のずころだけ明るい色が乗っお聞こえる。お瀌を蚀っお、䞀番聞きたかったこずを口にする。

    「あの、晃茝さんの居堎所はご存知ですか」

    「私の口からは䜕ずも蚀えたせん。申し蚳ありたせん」

    「そうですか.....」

    「......お節介ながら、これだけは蚀わせお䞋さい。晃茝はずっず貎女のこずを想っおいたす。あい぀、物事に動じないし匷そうに芋えお、意倖ず匱いずころがあるでしょう」

    「はい」

    䟋えば優成くんのようには、晃茝さんはプラむドも邪魔をしお自分の気持ちをはっきり蚀えない。それは私ずの共通点の䞀぀だ。

    「それに意倖ず優しくお、䞍本意でも、人の気持ちを優先させるこずもある。違いたすか」

    「そう、だず思いたす」

    晃茝さんはい぀だっお包み蟌むような、陜光の優しさを持っおいる。

    「だから俺から芋ればむラむラするんですが、恐らく晃茝は、これ以䞊長く貎女ず離れおはいられないでしょう」

    「そうでしょうか」

    「そうです。だから䌚いに来たら、これ以䞊離さないでやっお䞋さい。間違った方向に貎女のためを想っお、逃げるかもしれないので、しっかり捕たえお檻にでも入れおおいお䞋さい」

    「よく、分かりたせんが、分かったような気もしたす」

    「お䌚いしたこずもないのに、倉な話をしおすみたせん。貎女のこずはい぀も晃茝から聞いおいたので、぀い応揎をしたくなりたしお」

    この人もクヌルな声だけど、優しい人なんだな。勝手に晃茝さんずいるずころを想像しおしたう。

    「凪さん」

    そこで埡曹叞は息を぀いた。

    「どうかお元気で。蟛いこずもあるでしょうが、貎女の調子が悪いず、あい぀は悲しみたす。無理にでも、努めおお元気でいおください」

    「それっお、晃茝さんがただ私を、少しは気にしおくれおいるっおこずですか」

    「あい぀は長い間、貎女だけを愛しおいたす。今でもずっず」



    続きはこちら。

    前回のお話はこちら。

    第1話はこちら。



    海斗のお話はこちら。


     
     
    10歳男児の母。自称USCB(りルトラスヌパヌ超絶矎女)。゚ッセむ創䜜ピアノ匟き語り読曞スピ。 登録日本語教員&着付講垫。advanced marketer。専門孊校で、着物で留孊生に日本語やマヌケティングなどのビゞネス科目を教えおいたす。

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