
疲れたときの隠しだま その① 5ーALA
5-ALA(5-アミノレブリン酸)は、細胞のエネルギー工場であるミトコンドリアの働きを直接支える天然アミノ酸です。
私は サプリメントとしての5ALAの名前を聞いたときの感想は「植物を元気にする肥料じゃね?」でした。
今回のお品書き
1)5ALAはATP(エネルギー)産生の中心となります
2)In vitro(細胞実験)でATP産生量の増加、In vivo(動物・ヒト臨床)で活動性の改善や糖代謝へのよい影響が報告されてます
3)加齢で低下する・・・ピークは20代で60代だとピークの半分以下になる
4)ダイエットにもよいかも・・・基礎代謝アップとして
5)サプリを選ぶときの注意

1)5ALAとはATP(エネルギー)産生の中心
① 5ALAはミトコンドリアで合成される
ミトコンドリアの内部で、アミノ酸の「グリシン」と、クエン酸回路(TCA回路)の中間体である「スクシニルCoA」を材料にして、ALAS(アミノレブリン酸合成酵素)の働きにより5-ALAが合成されます
② 生成された5-ALAはミトコンドリア内で作られ、鉄と結合して「ヘム」になり、ATP(エネルギー)を生み出すプロセスの中心を担います。
③ 代謝水の生成と抗酸化: エネルギー産生に伴い細胞内で良質な「代謝水」が作られ、ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)経路を介した酸化ストレス軽減にも関与します。
※代謝水について:代謝水は飲水によって細胞外(間質・血管内)に供給される水分とは異なり、細胞の内部(マトリックス)で直接発生する純度の高い水です。ミトコンドリアの酸化的リン酸化が活発になると、細胞内水分量が高まり、細胞容積の維持や老廃物の排出が円滑になります。
2)基礎・臨床データ(In vitro / In vivo)
① in vitro(細胞実験): 筋細胞や線維芽細胞に5-ALAとクエン酸第一鉄ナトリウム(SFC)を添加すると、ミトコンドリア膜電位の上昇、酸素消費速度の増加、ATP産生量の有意な向上が確認されています
②In vivo(動物・ヒト臨床):動物モデルにおいて持久力向上や骨格筋の代謝改善が報告されており、ヒト臨床試験(二重盲検比較試験など)では、VAS(視覚的評価スケール)による疲労感の有意な軽減、起床時のだるさの改善、睡眠の質の向上が示されています。また、糖代謝(インスリン感受性改善や食後血糖値の上昇抑制)データも確立されています。
3)ピークは20代で60代だとピークの半分以下になる
体内の5-ALA合成能力は10代〜20代をピークに減少を続け、60代ではピーク時の半分以下に落ち込みます。これが「年齢とともに疲れが抜けにくくなる」代謝的要因の一つです。
加齢に伴い体内におけるALA生合成および電子伝達系の複合体IV活性が低下し、ALAの経口摂取で複合体IV活性、およびATP生産量が上昇することが報告されています。
特に女性の場合、40代以降のエストロゲン低下はミトコンドリアの機能維持を弱め、基礎代謝の低下や冷え、倦怠感を増幅させます。女性の疲労感には、エネルギー産生経路そのものの底上げが適しています。

4)ダイエットにもよいかも・・・基礎代謝アップとして
糖や脂質を効率よくエネルギーに変えやすくし、血糖値の急激な乱高下を抑えるデータもあるため、『食事を減らしても痩せにくくなった』『代謝が落ちて体が重い』と感じている方の体質改善の土台作りとして、無理のない減量を後押ししてくれます」
間接的なダイエット(体組成改善)への寄与
「飲めば痩せる」薬剤(GLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬など)のような直接的な体重減少作用はありませんが、代謝不全を解消することによる間接的な体脂肪低減・体重管理のサポート効果は生理学的・臨床的に十分期待できます。・・・元気にダイエットにはとてもむいている気がします。
① 基礎代謝(BMR)の底上げ: 全身の酸素消費量とATP合成効率を高め、安静時のエネルギー消費効率を正常化させます。
② 白色脂肪組織の褐色化(Beiging / Browning): 動物・細胞実験において、5-ALAと鉄の投与がPGC-1αおよびUCP-1(脱共役タンパク質-1)の発現を促す→エネルギーをため込むのがお仕事である白色細胞がエネルギーを熱として放散するベージュ脂肪細胞への分化することを促進することが示されています。
また、UCP-1は余剰なエネルギーがATPとして蓄積(のちに中性脂肪化)されるのを防ぎ、安静時エネルギー消費量(REE)を増加させます。同時に脂肪酸合成酵素(FAS)などの脂質合成経路が抑制されます。
③インスリン感受性の改善: ヒト臨床試験(糖尿病前症や軽症2型糖尿病患者を対象とした二重盲検試験)において、空腹時血糖や食後2時間血糖値の低下、HbA1cの有意な改善が報告されています。インスリンの無駄な過剰分泌(高インスリン血症)が抑えられることで、体脂肪が合成されにくい体内環境を作ります。
5-ALAそのものが脂肪を直接燃やして劇的に体重を落とすわけではありませんが、落ちてしまった『細胞の基礎代謝のエンジンスピード』を本来の状態に戻して 糖や脂質を効率よくエネルギーに変えやすくし、血糖値の急激な乱高下を抑えるデータもあります。『食事を減らしても痩せにくくなった』『代謝が落ちて体が重い』という感じている人への体質改善の土台としておすすめです。
5)サプリを選ぶときの注意
何故わざわざこんなことを書くかというと 5ALAことアミノレブリン酸・・・日本では物質特許の期限が切れて海外の原料がサプリメントとして使われる可能性がでてきているからです。
5ALAはもともと植物の発育を助けるものとして注目されて、長く肥料として製造され市場にでまわった成分です。
5-ALAは、サプリも肥料用でも微生物を用いた「発酵培養法」で製造されています。
ただ、肥料として使わるものは食品・医薬品グレードのように極限まで再結晶・単離精製を繰り返す手前で回収した発酵抽出物や、工業用グレードの5-ALA塩が使用されています。
サプリメントメーカーがこのあたりをきっちりやってくれるのか・・・若干不安。
もし今後5ALAを含んだサプリや健康食品があれば原材料に注意が必要だと考えます。
私が使っているのはSBI promo の5ALAです。
これは品質が安定・安全(アミノ酸発酵のパイオニアである協和発酵の山口県にある最先端プラントで生産した高品質な5-ALAを使用している)のと、実際に研究データや臨床データがしっかりしているからです。