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賞味期限切れ


    #創作大賞2026 #エッセイ部門

    食べ物には賞味期限ってありますよね。別に切れてしまったからといって食べられないわけではないけど、1番おいしく食べられる期間。ちなみに私は賞味期限が切れたものはほとんど口にしません。あんまりおいしくなさそうだから。人生で食べられる食数も健康を考えた食事の量も、考えたらおいしくないものを口に入れてる暇なんてありませんからね!おいしくないものは嫌なんです。でも賞味期限を切れた食材で料理する人をSNSでは見たりする。食に無頓着なんだなと思う。期限が切れてしまう背景には買ったのに忘れていた。外食が重なって。家になかなか帰ってこれなくて。とかいろいろあるだろうけれど、農家さんをはじめいろんな人々が関わって今ここにある食材をおいしく食べてあげないことには食材も人も報われないじゃないかと憤りを感じてしまう。話が脱線してしまった。私には好きな人がいた。毎日朝目覚めた瞬間から脳をよぎり、バイト中の死ぬほど忙しい瞬間にも思い出し、レジにカップルが来ればもしかしてあの人も今こうやってほかの女の人と遊んでいるんじゃないかと妄想してしまい心がぐっちゃぐちゃになってしまうほどだった。あるとき将来の話をしていた。○○君みたいな犬飼いたいなとつぶやくと、じゃあ俺でいいじゃん。俺養ってよと言われた。ついでに平屋に住みたいという話を聞いていたから、口には出せなかったけれど将来一緒に和やかに住んでいる様子を創造してにやけてみたりしていた。あの頃はとにかく誰にもとられたくないの一心で、恋人じゃなくてもいいからずっとこの人と仲良くいさせてほしいと願っていた。そんな激やば思考の私の夢はかなってしまったのだ。恋としては好きだと打ち明けた結果振られあえなく散ったのだが、なぜか仲良しになっているのだ。あんなに待ちわびていたラインが今では普通に帰ってくる。電話も難なくできる。あの頃ほしかったものはすべて手に入ってしまったのだ。でも、あの頃のように楽しくはないのだ。理由はただ一つ。今の私はあの人に恋をしていないから。電話をかけるにも、心が爆発しそうで騒ぎまくったり、好きになってほしくて変な駆け引きをしたあほらしさもすべて好きだったから起こっていた出来事だった。いつかの将来かなえばいいと思っていたことは大抵今の自分が望むけれど手に入れるのが難しいものだった。食材だけではなく、自分の体、また好奇心や感情にもすべて賞味期限があるのだ。また今度でいいなんて思っていたらおいしい時期はあっという間に終わってしまう。ただ食べられることとおいしいということは全く違うのだということを、自分に対してもあなたに対しても伝えたい。今好きなことややりたいことがあるならば、心の賞味期限が切れる前に是非味わってほしいと願うばかりである。


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