
犬がいる夜
夕方、保護犬ラブラドールちゃんと初めての散歩をした。
家を覚えてくれるように散歩コースをしばらく変えないので、確認のためにも初回は家族全員で歩いた。
公園で小型犬がぐいぐい近づいてきて鼻の挨拶をしてきた。日が暮れ暗かったのでよくわからなかったのだが、どちらかが少し唸ったのですぐに離した。保護団体から聞いていたが、ラブちゃんは他の犬に吠える可能性があるので注意が必要だった。この件についてはまた改めて記そうと思う。
散歩後は初めての食事タイム。
決められた量をあっという間にペロリ。
人が大好きですぐ興奮してしまうので、食後しばらく構わないようにして安静にさせる。
トライアル初日、散歩以外はほぼサークル内で過ごしてもらった。今となっては、成犬だし大型犬で体力もあるし、性格的にも神経質なところがない子だったので、そんなに休ませようとしなくてもよかったのかもしれない。ただ、私にそこまで余裕がなかった。
そして、夜になった。
ラブちゃんの様子が気になって、リビングの隣の部屋に寝た。
一度だけ「クゥーン」と鳴いたけれど、すぐに「ブフォッ」と言って寝たようだった。
どうやらこの子は、深いため息やブォーというと爆睡モードになるようだ。
こういうのは実際に飼ってみないと知り得ない様子だ。
私はなかなか寝付けず、ケージの前をそっと通って、キッチンで水を飲んだりトイレへ行ったりした。
一度目は私の気配に気づき、起き上がって尻尾を振っているようだったが、興奮させないように無視した。暗闇の中、サークルの鉄柱に当たる尻尾の音が響く笑。
二度目は忍び足で音を立てないように歩いたので、ラブちゃんが起き上がる様子はなかった。
目が覚めるたびに、暗闇の中、そっとケージ内の様子を遠めに観察した。
夜たとえ鳴いたとしても、完全無視するつもりだった。「鳴けば反応してもらえる」と学習しないように。だが、そんな心配もなく、夜はちゃんと寝ていた様子だった。
静かないつもと同じ夜だが、我が家に犬がいる。
なんだか不思議な気持ちだった。
朝になれば、やっぱり犬がいて、慌ただしい一日が始まる。
トライアルが始まって数日間、日中のお世話で疲れているのに、私はいろいろなことが気になり、なかなか寝付けなかった。
保護団体とのグループラインでラブちゃんの様子を報告する。
「夜鳴きもほぼなさそうで何よりです。新生活で皆さんも大変でしょうが睡眠など体調管理はお気を付けください」と温かいお返事が届いた。