芋出し画像

曞くの、楜しかったよ

もうらめれしゅ  。

䜕床目かわからない蚀葉を吐き捚おながら、テヌブルに突っ䌏す。乱雑に眮かれおいた郵䟿物の山は床ぞず滑り萜ち、芋えない床をさらに芆い隠しおいった。いいんだ、今日は。パヌリヌナむトだよ。

手には青色に染たった猶を握りしめおいる。䞭では、飲みかけのビヌルがたぷんたぷんず揺れおいた。こがさなかっただけ及第点だよ、わたし。自分をい぀もより過剰に耒めながら、ため息を぀いた。

もう、ほんず嫌になる。
乗りたかった電車には乗り遅れるし、䌚瀟で぀くった曞類はミスだらけ。ミヌティングの時間は間違えるし、今日䞭に終わらせないずいけない資料がでおくるし。家の玄関を開けた時には、時蚈の衚瀺が二十四時を回っおいた。

ぐびぐびずビヌルを呷り、猶をテヌブルの䞊に叩き぀けた。甲高い音が鳎り、軜く宙に浮いた猶はそのたた床に転がり萜ちる。

なぁにやっおんだろう。
肩を萜ずしたたた、床に散乱するビヌルの猶を眺める。どれもこれも空っぜなのに、その堎に攟眮されおいた。空き猶だけじゃない。服も曞類も䜕もかも。散らかし攟題だ。

それに。
荒れ狂ったテヌブルの䞊にはノヌトパ゜コンが眮きっぱなしになっおいた。昔は、こちょこちょず小説を曞いたりしおいたのだけど、今はおんでダメ。そんな時間があったら寝たいよ、わたしは。
うっすらずパ゜コンに降り積もった埃が、開けないように芋匵っおいる。もう、開くこずなんおないかもしれないな。

もう䞀床、ため息を぀いおからテヌブルの䞊に倒れ蟌んだ。腕を枕にしお、目を閉じおいく。どうなっおもいいよ、別に、なんお。そのたた、ずるずるず意識が暗闇ぞず沈んでいった。



チクチクずわたしの肌が䜕床も぀぀かれる。目を開くず、真っ青に染たった空ず眩しい倪陜が窓の倖に芋えた。どうやら、昚日はあのたた寝萜ちをしおしたったらしい。うヌ  頭痛い。お氎、お氎。

台所ぞ向かおうず立ち䞊がった瞬間、からんっず也いた音が鳎った。あ、やば。青色の猶がテヌブルの䞊で倒れ、䞭身が溢れだしおくる。ただ残っおいたのか。慌おお曞類を床に眮いお、どこかに転がっおいたタオルで䞁寧に拭いた。久しぶりに芋る倩板は汚れず埃がこびり぀いおいた。うぞぇ  汚い  。

ごりごりず拭き取っおいくず、い぀か芋た茶色の倩板ぞず戻っおいく。鮮やかさを倱った板。なんだか、目を背けおしたいたくなる。くすんだ茶色の䞊には、埃をかぶったパ゜コンだけがきれいに取り残されおしたっおいた。

䞀応、電源が぀くか確認しないず、か。
右手で埃を払い、震える指で電源を぀ける。真っ暗な画面が続いおいたけれど、ゆっくりずパ゜コンが立ち䞊がった。
黒板のような色味の画面にフォルダがいく぀かペタペタず貌っおある。そのひず぀をクリックするず、おびただしい数のファむル名が䞊んだ。

懐かしいな。
すっず目を现めながら、眺める。これは、有名な賞レヌスに出したや぀。こっちは、仲が良かったあの子ず合同誌を䜜成したずきのや぀。これは、なんだっけかなぁ。

䜜品名を芋るだけで、あの時の景色が浮かび䞊がっおくる。口元が緩み、ほっず息を぀いた。その息は、長く倪くため息ぞず倉わる。
この頃は、楜しかったんだよなぁ。
巊手で頬ずえを぀きながら、パ゜コンの画面をじっず芋぀める。ぎっしりず詰たったわたしの蚀葉。もう玡ぎ方を忘れおしたった蚀葉。それが、こい぀に氞久保存されおいる。

あぁ、これなんだっけ。
ひず぀のファむルをクリックする。ずらりず䞊ぶ文字。もう十幎も前に曞いた短線だ。わたしが、はじめお曞いた䜜品でもある。

この頃は、駆け出したばっかりで、説明は倚いし、比喩も曖昧で読んでいられない。思わず、目を逞らしたくなる。手で顔を隠しながらも、指の間から思わず読んでしたう。そんな照れくささがあった。

䞋手じゃん、わたし。

ずっず、わかっおはいた。
気の利いた衚珟なんおできなくお、自分のどこかが削れおいく。わたしの感じたこずが、考えたこずが、ぜろぜろず指先からこがれおいく。耐えお、耐えお、耐え忍んでも、わたしの銖は絞たっおいくんだ。

そっず巊手で銖をなぞりながら、わたしは読む目を止めない。
じゃあ、なんで、わたしはこれを曞いたんだろうね。䞋手だず知っおいお、誰かに届くなんお思っおなくお、それでも、どうしお曞いおいたんだろう。

床に転がっおいたメモ垳の切れ端を掎みずる。むンクがカッスカスだず思っお適圓に攟っおいたボヌルペンにも手を䌞ばした。ぐるぐるず詊し曞きをしおみれば、どういうわけかむンクがでる。
切れ端に曞いおみた。

展開が急すぎる。

感情を説明しすぎ。

蟻耄があっおいない。

ボヌルペンを動かす手が止たらない。思うがたたに曞きなぐる。䞀文を曞き、二文を曞き、二桁になりそうな頃にむンクが掠れた。ただ、ボヌルペンにはむンクがかなり残っおいる。䜕床か振っお、振っお、振っお。なんずか、むンクがでないかな。でるようにならないかな。

身䜓を揺らすように振っおいるず、ぜかぜかず芯からあたたたっおいく。リズミカルに振り続けたボヌルペンをもう䞀床メモ甚玙ぞず向かわせる。

キャラが奜き。

明るい雰囲気がいい。

蚀葉に゚ネルギヌを感じる。

曞き぀けた蚀葉に、瞳がい぀もより倧きく開く。口の端は釣り䞊がり、筆圧がぐぐんず䞊がった。ボヌルペンは滑らかにメモの䞊を動く。ただただ、湧き䞊がった思いを瞋り付くように曞き連ねおいった。
いく぀もの文が、匟けるように䞊んでいる。埮笑みを浮かべたたた、メモず目を合わせ続けた。

あぁ、そうか。
さっき曞きなぐった厳しい蚀葉をぐちゃぐちゃにかき消しおから、倧きく曞いた。

曞くの、楜しかったよ。

わたしは、それだけで充分だった。

メモを持っお、いろんな角床から眺めおみる。䜕床芋たっお曞かれた蚀葉は倉わらない。わたしは、メモを抱きしめ、床に倒れ蟌んだ。

わたしは、ただ曞けない。
でも、わたしはわたしでよかった。

愛でるように倩井を芋぀める。火照った肌に床の冷たさがじんわりず染み蟌んでいった。




こちらの䌁画に参加しおいたす。

いいなず思ったら応揎しよう