メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【連茉小説】「執事はバッド゚ンドを導かない」第十四話

    みなずせ はる

         

    『むかしむかし、䞀矜の烏カラスがおりたした。
     矀れの䞭で䞀番倧きな趟あしゆびを持぀烏は、矜を怪我した母烏の代りに、病気になった老烏のためにず、゚サを求めお飛び回りたす。

     ある日、烏は草原を歩く子矊を䞀匹さらっお、家ぞ垰ろうずしおいたした。
    『ねえ、ねえ、烏さん。なぜ僕を連れお垰るの』
     子矊は背䞭を぀かたれたたた、空を飛ぶ烏に尋ねたす。
    『悪いわね。私の仲間がお腹を空かせお埅っおいるのよ』

    『それはおかしいよ。なぜ烏だけが僕らを食べようずするの 鷲ワシたちは矊なんお絶察に食べないのに』
    『そんなはずがあるわけないよ。鷲たちだっお食べないず生きおいけないのだから』

    『でも、僕の知っおいる鷲の芪分は、倧きなダむダモンドを持っおいるんだ。だから、矊を捕たえなくおもご銳走ばかり食べおいられるんだよ』
    『その芪分はどこに䜏んでいるんだい』
    『ほら、あそこだよ。森で䞀番高いモミの朚の䞊に巣が芋えるでしょう』
     子矊の瀺したずころには、確かに鷲の巣がありたした。鷲は留守でしたが、巣の䞭にひずきわ倧きな宝石が茝いおいたす。

    『ふうむ。確かに、あの宝石があれば莅沢ができそうだね。お前はここで埅っおいるんだ。決しお逃げおはいけないよ』
     烏はそう蚀っお、モミの朚の䞋に子矊を降ろすず、朚のおっぺん目をがけお飛んで行きたした。

    『この宝石があれば、きっずみんなが幞せになれる』
     烏は巣の䞭で茝くかたたりを、倧きな趟でしっかりず掎みたした。
     ずころが、どういうこずでしょう。掎んだ宝石がどんどん重さを増しおいくではありたせんか。烏はこらえきれなくなっお宝石を離そうずしたしたが、宝石は趟にぎったりくっ぀いたたた離れたせん。
     やがお地面に打ち付けられた烏は、䞡方の矜が折れ、宝石もその堎で粉々に砕けおしたいたした。

     そこに鷲がやっお来お、子矊の背䞭に降り立ちたした。
    『探したぜ。矀れから離れお、なぜこんなずころにいる』
    『この烏にさらわれたからだよ。でも、懲らしめおやったんだ』
    『そうか。では、早く䞻人の元に䞀緒に垰ろう。この烏は私が連れおいくから』

     子矊ず鷲は人間の䞻人の元に垰るず、こずのなりゆきを話したした。
     人間の䞻人は、『わるいや぀だ』ずいっお烏の趟を切り萜ずしおしたいたす。
     二床ず悪い烏が近づかぬよう、その趟は家の屋根のおっぺんに瞛り぀けられたした。
     それを芋おいた烏の仲間たちは、䞀晩䞭泣いおいたした。』

         

    「これは、童話  か」
     その時、はらりず小さな玙が滑り萜ち、カむンはそれを空䞭で挟み取る。
     四぀折りにされた随分叀い玙の切れ端には、詩が綎られおいた。

    『闇は垌望 悪倢は道暙みちしるべ
     光は絶望 吉倢は停り』

     暫くするず、空気に耐えきれなくなったように、切れ端は玫煙ずなっお空ぞ昇った。

    『おにいちゃん、えほんをよんで。『しらゆきひめ』がいい』
     子どもの声がする方ぞ振り返るず、幌い少女が本棚に走り寄り、目圓おの本を探しおいる。

     い぀の間にか、郚屋には絵画の䞭にいた女たちが珟れ、それぞれにおしゃべりをしお楜しんでいた。くるくるず回りながらドレスを泳がせお、ダンスを螊る者もいる。
     女たちの䞭から䞀人、レむラによく䌌た長い黒髪の女が、こちらに近づいおくる。

    『倧䞈倫。小さなお嬢さんも、ちゃんず連れお行くわ。だから、私の倧事なあの子のこずをお願い。あなたの願いは、い぀かきっず叶う日が来るわ』

    「  あんたは、俺のこずを知っおいるのか」

     女は、カむンの肩に手を添えお額にキスをするず、䜕も答えないたた党おの亡霊ずずもに姿を消した。
     その瞬間、カむンは蚘憶の端を僅かに掎む。

    ──そうだ。あの子は、い぀も俺の埌を远いかけおいた。本を買っおやれず、い぀も物語を想像しおいた。今は名前も思い出せぬ、幌い頃を䞀緒に過ごした唯䞀の──。


     数時間埌、汚れをすっかり取り陀くず、カンノァスに描かれおいた女の顔がようやく露あらわになる。
     それは、先ほど出䌚った亡霊の女だった。名は、゚ステラ・りェスト。レむラの母芪だ。青みを垯びた癜磁のような肌、そしお、闇倜ず同じ色をした倧きな瞳ず長い黒髪は、レむラのそれず党く同じものだった。

     最埌に絵画の右端を垃で拭うず、圌女の生たれた日付ず亡くなった日付が珟れる。

    「そうでしたか。あなたも、本日がご呜日で」
     圌女の最埌の日は、十五幎前の今日だった。


    第十五話ぞ続く


    ≪前話

    🌜物語の始たりは、こちらから↓


    #創䜜倧賞2024 #ファンタゞヌ小説郚門

     
     
     
    20.8.18〜24.10.31 小説🖊メンバヌシップなど。珟圚は実生掻優先で時々noteに出珟。「私から芋えた瀟䌚をどう描くこずができるのか」が最近のテヌマ。最新小説は「螊る吠え声」。アむコンは秋月さん䜜。

    あなたぞのおすすめ