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【連茉小説】「み぀ばち奇想曲カプリヌス」第二十䞉話

    みなずせ はる

    「これで、あなたも私ず同じ『特別』よ」。
     ほずんどの時間を自宀で過ごした短い倏䌑みを終えお新孊期が始たるず、薫のこの蚀葉の意味を知るたでに時間はかからなかった。
     盞倉わらずデルノォヌの描く少女のような衚情で歩く生埒たちは、矎憂の胞元に小さな星のバッゞを芋぀けるず、必ず「ごきげんよう」ず笑顔を向ける。今たで矎憂ず友梚を避けおいたクラスメむトでさえ、積極的に挚拶をし、授業䞭に教垫の出した問題の回答に困っおいるず、必ず誰かが助け舟を出しおくれるようになった。
     担任の把にいたっおは、矎憂が「ドむツ語」ず「瀌法」のレポヌトに加え、数教科分の倏䌑みの課題を終えおいなかったにも関わらず、「あんな事故があったから仕方ありたせんよ。九月の終わりたでに提出しおいただければ単䜍に支障はありたせん。舞台のお皜叀も再開されたすし、どうか無理はなさらないでね」ず、柔らかい声音で職員宀から送り出したのだった。
     そう。あんな事故  、いや、事件があったにも関わらず、『オズの魔法䜿い』の皜叀が再開される。あれからひず月も経たぬうちに、この孊院は平静を取り戻しおいた。たるで、教垫がひずり舞台の䞊で死亡したこずなど忘れ去られおしたったように。
     あの謎の儀匏の倜、矎憂はどうやっお自宀たで垰ったのか思い出せない。
     目が芚めた時、「党おが倢であっおほしい」ず匷く願ったが、右手には䞁寧に包垯が巻かれ、じりじりず灌けるような傷の痛みも䞀週間ほど続いた。
     矎憂は、最も憧れ、信頌しおいた薫の恐ろしい䞀面を知り、党おが信じられなくなった。この孊院の䜕もかもが䞍穏で、䞍気味で、吐き気がするほど恐ろしく、すぐにでもここから逃げ出したくなった。右手の傷が痛むうちに、譊察に駆け蟌んだ方が良いずも考えた。しかし、自分の意思で母から離れ、自分から母を芋限った今の自分に、この孊院以倖には垰れる堎所などないこずを痛感する。
     どこにも行けぬたた恐ろしさに震え、涙が枯れるたで䜕日も泣き通した埌、再び垌望をくれたのは、この郚屋を出おいく盎前の友梚の声だった。
    「矎憂、私がいない間も癜雪を探しお。私も父にもう䞀床、叔母のこずを聞いおみる。䜕かヒントがないか倖で調べおみる。お願い、玄束だよ」
     そうだ。友梚に蚗されお、圌女ができないその分も、ひずりで頑匵ろうず決めたじゃないか。折れそうになる心に、「友梚ならどうする」ず自問する。
     ただ確実な安吊の分からない癜雪、十䞃幎前に孊院から倱螪した友梚の叔母のこず。舞台セットに぀ぶれお死んだ教垫の安芋ず、手のひらを切られお自身の血を泚がれた安芋のものかもしれない頭蓋骚。そしお、薫ら生埒䌚の執り行う䞍気味な儀匏。これらの䞍可思議な事件をこのたたにしお良いず、圌女は思うだろうか。
    「ううん、友梚なら逃げない。この機䌚を生かす」
     友梚ず癜雪の顔を思い浮かべるず、ほんの少しだけ勇気の火が灯る。
     理由は分からないが、なぜかこの孊院の「特別」に遞ばれお、謎の鍵を握る可胜性のある「生埒䌚」に近づくチャンスを埗た。
     ひずりで䜕がどこたでできるのか分からないが、この状況を最倧限に利甚しよう。どんなに恐ろしくずも、謎を突き止めるその時たで息を朜め、埓順な生埒を装おう。
    「それが、私だけにできる圹目なんだ」ず、矎憂は心を奮い立たせた。


    ぀づく


    🍀🐝第䞀話は、こちらから↓

    #創䜜倧賞2023

     
     
     
    20.8.18〜24.10.31 小説🖊メンバヌシップなど。珟圚は実生掻優先で時々noteに出珟。「私から芋えた瀟䌚をどう描くこずができるのか」が最近のテヌマ。最新小説は「螊る吠え声」。アむコンは秋月さん䜜。

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