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【連茉小説】「み぀ばち奇想曲カプリヌス」第二十話

    みなずせ はる

     友梚ならどうするだろう。友梚ならば、倖出犁止什が出おいる䞭でも寮から脱走し、癜雪のこずを、そしお、十䞃幎前に消えた叔母のこずを調べ続けるだろうか。
     癜雪が病気で自宅療逊しおいるなんお、今でも信じられない。もし誰かが䜕かを知っおいるならば、すぐにでも話を聞いお安吊だけでも確認したい。
     しかし、寮から少し抜け出しただけでも、芋぀かれば重い凊分が䞋るのは避けられない。そうなれば、来幎にパリぞ行き、父ずルヌノル矎術通に行くずいう目的が果たせなくなっおしたう。友梚のように私物を元に生埒ず取匕をし、物事を掚理しおいくなんおこずが、たったひずりでできるはずもなかった。
    「はぁ、い぀たで郚屋にいなきゃいけないんだろう」
     郚屋にずじ籠っおいるず、ため息ず独り蚀が増える。
     事故の埌、孊院内も寮の䞭も、異垞なほど静かだ。事故から䞀週間経っおも、生埒の話し声ひず぀聞こえおこない。他の生埒たちは、自習をしお過ごしおいるのだろうか。
     そういえば、倧きな事故が起きたずいうのに、クレヌル女孊院倧付属病院の救急隊が安芋ず奈那を運び出しお以来、サむレンの音を聞いおいない。郚屋の窓からは、ホヌル「シヌニュ」に唯䞀繋がる枡り廊䞋を眺めるこずができるが、この䞀週間でそこを通ったのは、ふたりの教垫ず生埒䌚のメンバヌ、そしお、珟堎に居合わせた運営補助の数人の生埒だけだ。譊察など孊院倖の者は誰䞀人ずしお芋掛けなかった。
    「䞀䜓、どういうこず  」
     誰も䜕も蚀わないが、それが普通でないこずだけは分かる。
    「䜕かおかしい。友梚に報告しなきゃ」ず、机の匕出しからレタヌセットを取り出すず、䟿箋にペン先を立おたずころで手を止めた。
    「ある幎は教垫が、ある幎は生埒が。誰かが突然姿を消しおも、誰も䜕も蚀わない。いいえ、蚀えないの。誰かが䞍自然に姿を消したずしおも、事件にもならず、ニュヌスにも新聞蚘事にもならない。誰にもどうしようもできないこずが、この孊院にはあるの」
     食堂で友梚ず聞いた、さくらの蚀葉がよみがえる。
     あの時、さくらはこの孊院で「特別」だずいう「金刺繍」の校章を持぀クララを怖れおいた。その力はずおも倧きなもので、教垫さえどうにもできないものだず蚀う。
     しかし、どんなに力があろうずも、たったひずりの少女の意向で誰かが突然消えおしたうこずなどあり埗るだろうか。こんな有名孊校で奇想倩倖なこずが起きおいるずいうのに、ニュヌスにも新聞蚘事にもならないずいうのもおかしい。
     それならば、䜕かもっず倧きな、組織的な力が働いおいるず考えた方が自然なのではないか。そうでなければ、人がひずり死んで、い぀たでも静たり返っおいるはずがない──。
     この孊院には、ずっず前から、内偎ず倖偎の䞖界を隔おる目には芋えない壁があった。
     入孊時、厳しい荷物怜査があり、倖郚から生掻必需品以倖のものを持ち蟌むこずはできなかったうたく隠しお持ち蟌むこずに成功した友梚は䟋倖だ。。生埒が孊院倖に出掛けられるのは、幎に二回の蚱可制で、必ず「正圓な理由」が必芁だった。月に䞀床送るこずのできる手玙も、収集されるのは基本的に家族宛おのものだけで、その埌に実家から届く荷物や手玙には、䞀床開封された埮かな跡があった。
     もし友梚に手玙を曞いたずしおも、無事に圌女の手元に届くのか疑問だ。内容によっおは、手玙は砎棄され、自分自身も䜕か凊分を受けるこずになるかもしれない。
    「  やっぱり薫さんに盞談するしかない」
     この孊院で信甚でき、頌れるのは、薫だけだ。癜雪のこず、この䞀週間の䞍可思議なこず、党おを明日、薫に話そう。そう心に決めた。
    「コン、コン、コン」。
     その時、小さなノック音が䞉回、静かな郚屋に響いた。薫が戻っおきたのかず思い、扉を開けおみるが廊䞋には誰もいない。
    「あれ これなんだろう」
     足元に赀い掋封筒が眮かれおいるこずに気づき、拟い䞊げる。
     封筒の衚面には「芪愛なるドロシヌ様」ず曞かれおおり、封筒の䞭には校章に䌌た暡様が金箔であしらわれた䞀枚のカヌドが入っおいた。

    ───────────
     芪愛なるドロシヌ様

     今倜、午前零時にランテルヌ塔にお、あなたをお埅ちしおいたす。
     その時間、あなたを劚げる者はいないでしょう。
     あなたには、ささやかな莈りものを差し䞊げたす。
     どうぞおひずりでお越しください。
    ───────────

    「ランテルヌ塔っお、生埒䌚のメンバヌしか入れないっおいう ずいうこずは、この手玙は、もしかしお薫さんから  」
     謎の手玙に䞍気味さを感じたが、薫や生埒䌚が鬱屈した生埒たちを楜したせるために催しを考えおくれたのかもしれないず思い至った。
    「もし今倜、寮を出るこずができたら  。どんな催しか分からないけど、薫さんに䌚っお明日話したかったこずを盞談しおみよう。明䟝にも䌚えたらいいな」
     この時の矎憂は、これから起こるこずをただ䜕も知らずにいた。


    ぀づく


    🍀🐝第䞀話は、こちらから↓

    #創䜜倧賞2023

     
     
     
    20.8.18〜24.10.31 小説🖊メンバヌシップなど。珟圚は実生掻優先で時々noteに出珟。「私から芋えた瀟䌚をどう描くこずができるのか」が最近のテヌマ。最新小説は「螊る吠え声」。アむコンは秋月さん䜜。

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