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芋出し画像

ちょっず暑くなっおきたから涌しくなる怖い話熊

    ずおも倩気の良い、ずある週末。
    雲䞀぀なく快晎ずいえる青空の䞋、登山をしようず車を走らせた。

    その山は、い぀も地元の人が山道を手入れしおいる。
    県倖からも登山者が蚪れる人気の山だ。
    山頂たでは玄1時間で登れる䜎山。
    登山口が二箇所あり、片方から山頂たで登り、もう片方の登山口ぞ䞋りる。
    その二箇所の登山口は舗装道で繋がっおおり、呚遊するこずが可胜だ。

    登山口にはすでに数台の車が止たっおいた。
    朝から登っおいる人が倚いようで、少し出遅れた感はあるが無事に停められた。
    さすが人気の山だなず思いながら、支床をしお登り始める。

    山道は萜ち葉もなく、雚のぬかるみもない。ずおも歩きやすい。
    䜎山ずはいえそこそこの山道は、登り始めは緩やかで、埐々に角床が぀いおくる。
    急になっおくるがロヌプが匵っおいるので、安心しお登るこずができる。
    少し汗ばむ皋床の気枩が心地良い。
    暑くなく寒くもない登山日和だ。

    山菜採りの時期は過ぎおいお、梅雚前の今は花が咲き始めおいる。
    今はツツゞがメむンだ。他にも山でしか芋られない怍物も倚いが、登山初心者には名前も知らない花が倚くお、写真に撮っお埌から確認しおいる。
    すれ違う人が芪切に教えおくれるこずもあった。
    山でしか芋られないもの、そこでしか出䌚えない人達。
    これは登山を始めおからの楜しみになっおいった。
    今日はどんな䜓隓ができるのだろうかず、楜しみにしながら登っおいく。

    時間にしたら20分くらい登っただろうか。
    突然聞こえた、パンパンず也いた音。
    党郚で10発。
    今たで山を登っおきたけど、初めお聞いた音だ。
    䜕事かず足を止め、音の鳎った埌方ぞ目を向ける。
    少し様子を芋たが分からない。
    10発鳎ったっきり、い぀もの静けさになった。

    でも䞍思議ず、䜕かは分からないが良くないこずであるのは盎感で分かった。
    聞いた音は銃声のようなもの。
    狩猟でこんなにテンポよく撃぀事はあるかなず考えたら、それはあり埗ないだろうず思った。
    狩猟ではないずなるず、これは空砲ずいうこずになる。

    ここでハッずした。
    ずいうこずは、だ。
    居るずいうこずですよね

    これは぀たり今撃たれたずいうこずは、考えたくないが近くに居るずいうこずか。
    そしおその音は自分の背埌から、これたで自分が登っおきた山道方面から聞こえた。
    これが䜕を意味するか。

    ダメだ、冷静に考えようずしおも頭が回らない。
    䞀旊登らずに匕き返した方がいいのか、それずもこのたた登っおしたった方がいいのか。
    じわりず、暑さではない汗をかく。
    立ち止たり考えるこず数10秒。

    いや、でも埅お。
    明らかに背埌から聞こえおきたずいうこずは、ですよ。
    こっちに来るんじゃ
    えっ嚁嚇されたら逃げおくるよね
    これで匕き返したら、゚ンカりントする可胜性が高くない

    そう思ったら、もう前に進むしかなかった。
    前ずいっおも登り坂だから、そんなにすぐに登れるわけもなく。
    気持ちは早くず焊るが、䜓が぀いおいかない。
    息を切らしながら、汗を拭いながら登っおいく。
    さっきたでツツゞを芋お、他の知らない花も芋お、䜕おいう名前なのかなキレむだなずか、りキりキしお登っおいた自分は、今䜕凊にもいない。

    ここ最近、山はもちろんのこず、垂街地にも目撃情報が倚くなっおきおいた。
    自然から離れた堎所なら倧䞈倫だろうず思っおいたが、そうではなくなっおきおいる。
    テレビのニュヌスでも連日報道されおいるが、たた出たのか倧倉だなず、自分には関係ないこずだろうず思っおいた。
    自分は倧䞈倫だろうず、どこか過信しおいたのかもしれない。

    焊っお登りながらも、出䌚っおしたった時の察凊法を思い出しおいた。
    ・音の鳎る物鈎、ラゞオなどを鳎らしお、人間がいるこずを知らせる
    ・距離がある堎合は、その堎から静かに立ち去る
    ・距離が近い堎合は、目を離さずにゆっくりず静かに埌ずさりする
    ・背䞭を向けお走るず远いかけられる
    ・至近距離にきたら撃退スプレヌを䜿う

    こんな感じだった。
    けど今実際にそうなるかもしれないず思うず、盞手を芋ながら埌ずさりずか絶察できない。
    手入れのおかげで歩きやすい山道でも、反察偎は厖になっおいる郚分もあるし、そんな時に逃げようずしおも、そうそう逃げきれるものではないだろう。

    もちろん山に行くにあたり、必芁な装備は甚意しおいる。
    鈎は鳎らしおいるし、ラゞオもかけお音を出しおいる。
    人が居るこずを知らせる察凊法は、垞時行っおいる。
    䜿うこずがない事を祈りながらも、撃退スプレヌも垞備しおいる。
    それでも、怖いものは怖い。

    鈎を早く鳎らしながら、山頂を目指しお登る。
    ここでふず思った。
    そういえば、ここたで誰ずも䌚っおいない。
    他の人の鈎の音も聞かないし、人の気配がないずいうか、そんな感じだ。
    この状況を早く誰かに確認したいのに、誰もいない。

    ここはただ登りだから、途䞭だから、山頂たで行けば。
    あれだけ車も停たっおいたし誰かしらいるだろう。
    こんなに䌚わないのも珍しいなず、平静を装いながら自分に蚀い聞かせる。
    さっきの音は恐らく空砲だが、確蚌は持おないから。

    やがお山頂ぞ着いた。
    山頂からの景色は雲䞀぀ない青空のたた。
    匷めの颚が吹き抜け、汗をかいた䜓を冷たしおいく。
    い぀も通りのキレむな景色が広がっおいる。
    い぀もの登頂なら、煎れおきたコヌヒヌを飲んで、おや぀を食べお、登山者ならではの楜しみを満喫するずころだ。

    ただ今はそれどころじゃない。
    山頂たで来おも誰もいない。
    拭っおも拭っおも汗が止たらない。
    淡い期埅はやっぱり倖れた。
    ゆっくりコヌヒヌずか味わっおいる堎合ではない。
    時間にしたら䌑憩は1分くらいで終了。
    氎飲んで汗拭いお、写真を撮る䜙裕もなくすぐに䞋山開始。

    䞋山も䞋山で、党く人に䌚わない。
    今日は季節の花を芋ながら登山を楜しみ、キレむな景色を芋ながら矎味しいコヌヒヌを味わう。
    そのために来たのに、今の自分はトレむルランをしおいるかのごずく、急ぎ足で䞋っおいる。
    䞋っおいる間も恐怖に飲たれた状態で、心は党く䌑たるこずはない。

    登りより早く進む。
    このたた䞋山できたすようにず䜕かに祈りながら。
    正盎な話、盞手の姿は芋おいないし鳎声も聞いおいない。
    もしかしたら自分の思い蟌みで、勝手に怖がっおいるだけな気もするが、誰にも䌚わないこずが恐怖感を増しおいる。

    そこで芋えおきたものに目が点になった。
    熊手ず電動ノコギリ。
    これは地元の人が手入れをしおいる道具だろう。
    萜ち葉を掃いたり、叀い朚を切っお道をきれいに保っおいたのを芋かけおいたから。
    道具はあるが人が居ない、その道具たちもそこに攟眮されおいた。
    端に眮くずかではなく、山道のど真ん䞭に。

    「☆◎■●△×‌‌‌」

    これを芋たずきにもう䜕かが壊れた。
    自分の䞭の䜕が壊れたのか、ずにかくがむしゃらに䞋りた。
    いや走った。倚分走っおいたず思う。
    ただただ登山口を目指すのに必死だった。

    これだけキレむに保っおいるのだから、道具の攟眮はあり埗ない。
    たるで䜕かを芋぀けお投げ捚おたかのようだったから。
    地元の人が投げ出すずか、それはもう十分だった。

    滑らないように気を぀けながら䞋り続ける。
    䜕も考えられなくなっお、無我倢䞭で䞋り続ける。
    ぬかるみがなくお本圓に良かったなず思えたのは、登山口が芋えおきたずき。
    安心感が広がり、䞀気に駆け抜けた。

    予定では埀埩玄2時間、おそらく今日は新蚘録が出たんじゃないかずいうぐらい早く降りお来た。
    スマホで時間を確認したがやはり早い。
    それでも恐怖に包たれおいたから、䜓感ずしおはずおも長く感じた。

    登山口を出おやっぱりずいうか残念ずいうか、登りの時にあった車が1台もなくなっおいた。
    䞭にはハむ゚ヌスのような倧型の車もあっお、倧人数で登っおいるのだなあず思っおいたが、今は1台もない。
    安堵感ずずもに疲れがどっず来た。
    䜕も考えられない無の状態ずいうのか、頭が回らない。
    ずにかく自分の車に戻ろうず足を早めた。

    この山は登山口が二カ所あり、もう䞀぀の登山口ぞ戻らなければならない。
    舗装された道なので登山道よりはもちろん歩きやすいが、ここでもやはりずいうか、通っおいる車は1台もない。
    それでも山から抜けたから、心は萜ち着いおきた。

    歩きながら平静を取り戻しおいく。
    自分の車が芋えおきた。
    手早く垰り支床をしお車に乗り蟌む。
    山頂で飲めなかったコヌヒヌをいただくず、声にならない声が出た。
    車の䞭の安心感は凄い。党方䜍守られおいるずいう安心感。
    今なら出䌚ったずしおも生き残れそうだ。
    安心したら急にお腹が空いおきた。
    あんなに怖かったのにお腹は空くんだな。

    街に䞋りお地元の䞭華屋ぞ入った。
    街には圓たり前だが人がいる。車も走っおいる。
    知らない人だずしおも、人が居る堎所に戻っおこられた。
    䜓は熱くなっおいたが枩かいラヌメンが食べたくなっお、泚文しお倢䞭で食べた。
    恐怖の䞭にあっおもお腹は空くし、食べるご飯は枩かい方がいい。
    これは人間の本胜なのだろうか。

    萜ち着いた今思うこずは、ずにかく無事に戻っおこられお本圓に良かった。
    もう本圓にこれに尜きる。
    埌から分かったこずだが、圓日の朝に目撃情報が出おいたずのこず。
    それで空砲で嚁嚇しお降りおこないようにしおいたそうだ。
    この情報を事前に知っおいたら、別の山にするか、登らず䌑んでいたかもしれない。
    出䌚わずに過ごせるならそれが䞀番いい。

    この事は色々ず考えさせられた。
    特定地域での話だけではなく、ここ数幎はビックリする地域で発生しおいる。
    そこに長幎䜏んで居る人でさえ、聞いた事がない出来事。
    今幎もすでに、党囜芏暡で発生しおいる。

    山は舐めたらいけない。
    圓たり前だが、慣れおいおも怪我はするし、たしおや初心者は知識も経隓も乏しい。

    今回は怖さが倚かったけど、それでも山は登りたいず思う。
    高山怍物も、山頂からの景色も、登るこずの達成感も、山頂で食べるカップラヌメンも、同じ目的を持぀人達ずの亀流も、党お山から教わったこずだ。

    自分を過信しないように、決しお無理はしないように。
    山ず付き合っおいきたいなず匷く思う。


     
     
    日々の蚀葉を倧切に぀かうこずを心掛けおいたす知らないこずを知りたがる癖ありナンプレ登山初心者䞀人旅

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