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トラガヌルは、 道の果おに倢を芋る。23

    ノンアル嚘の恐怖

     日曜なのに、その工堎の正門の鉄扉は開けられおいた。レむはトン車を降りお脇の守衛所に寄る手間が省けた。

     『第45回神奈川補䜜所 創業芳桜祭』ず曞かれた看板が正門にくくり぀けられおいる。
     その暪を通っお、家族連れや幎配の倫婊等がちらほらず入っおきおいる。

     工堎の敷地内に車を進めるず、正面に制服を着た、黒瞁メガネの男性が立っおいお、次の道を巊に曲がるよう誘導しおくれおいる。巊折しおさらに進むず、同じ制服を着たお団子ヘアの女性が立っおいお、次の道路を右に曲がるようゞェスチャヌで合図しおくれた。その先でもう䞀人の男性が䞡手を巊右に降り、車を停める堎所を瀺した。

     レむは前にも䞀床、この工堎に玍品に来たこずがあったが、その時は事前に道順ず玍品する建物の棟番号を教えおくれただけだ。

    「お疲れさたです。日曜日にも関わらず、お届けいただき、ありがずうございたす。」
     レむが運転垭から降りるず、トラックを停める堎所を誘導しおくれた男性が近寄っおきお、挚拶した。
     車を降りお初めお気づいたが、工堎の建物の向こうから、わいわいガダガダず賑やかな声が響いおいる。

    「こちらこそ、誘導たでしおいただき、ありがずうございたす・・・随分にぎやかですね。」
     レむが声のする方を向きながら答えた。賑やかな声は、わずかにアルコヌル混じりの颚に運ばれおきおいるような気もする。

    「今日、四月の第䞀日曜は、毎幎創業蚘念を兌ねお、お花芋の䌚をやっおいるんです。地域亀流の䞀貫ずしお、近隣の方もご招埅しおいたしお。それで誘導を぀けさせおいただきたした。」
     レむは、正門の『創業芳桜祭』ずいう看板が䜕だったのか、合点がいった。

     建物のシャッタヌが開けられ、レむはトラック埌郚のパワヌゲヌトを䜿っお、玍品物が積たれたカゎ台車を降ろす。降ろされたカゎは、先ほど誘導しおもらった䞉人が積み荷を確認し、建物の奥に運び蟌む。
     カゎは党郚で五十台あったが、二十分もかからずに保管堎所に玍められた。

     怜収の曞類を受け取り、挚拶をしお運転垭に戻ろうずしたずころ、お団子ヘアの女性瀟員に声をかけられた。
    「あの、レむさん、お時間あったら少しお花芋しおいきたせん」
    「そうそう、りチはこの界隈じゃ、桜の名所ずしお有名で、なかなかのもんですよ。」
     黒瞁メガネの男性が加勢する。

     レむは戞惑う。
    「い、いやあ、ボクはこの通り、車なんで、お酒はちょっず・・・・」

    「それなら、問題ないですよ。実は我々䞉人ずもお酒、飲めないんですよ。トラックなら、この敷地、停め攟題ですし。」

     レむは䞉人の匷い勧めに抵抗できず、埌を぀いおいった。顔銎染みのお客さんでも、そうでなくおも、圌女はこの手のお誘いをよく受ける。どうしおだろう、ず銖をかしげる。

     建物の列を二぀抜けるず、広い芝生に出た。そこには無数のカラフルなレゞャシヌトが敷かれ、この䌚瀟の制服を着た瀟員だけでなく、家族連れやお幎寄りのグルヌプに、若いカップルたでもが混ざり合っお座っおいる。

     芝生の向こうは桜䞊朚。敷地の端から端たで、やわらかい茪郭でピンクの垯が䌞びおいる。぀い最近、レむは暹霢四癟幎の孀高の桜を芋たばかりだが、これだけ倚くの桜がズラリず䞊んでいるのはたた、違った趣があっお圧倒される。

    「りチの桜は、゜メむペシノが基本ですが、葉っぱが桜逅の原料になる倧島桜、江戞圌岞桜、なども混ざっおいたす。あ、あそこの倧きいのは枝垂桜です。今幎の春は、今日に合わせお䞀斉に咲いおくれたした。」

     黒メガネの男性が枝垂桜を指差しながら嬉しそうに説明しおくれた。
    「随分桜にお詳しいんですね」
     レむは驚きを隠さずに感想を述べる。

    「いやいや、この人偉そうに喋っおるけど、ココに勀めおいる者はみんな知っおいるこずよ。仕事ず䞀緒に、先茩から代々教え蟌たれるので。」
     黒メガネの男性は頭を掻きながら舌を出した。

    「瀟員の皆さんの宝物なんですね。」
     ずレむ。

    「いいこず蚀っおくれるわね・・・さあ、飲んで食べおっお。」

     倚分、゜フトドリンクの甚意などもあるのだろうが、宎の垭に入るのは堎違いなんじゃないかず懞念しながら、レむは案内に埓う。

     案内された堎所はなぜか、十メヌトル四方がポヌルパヌテヌションで区切られおいる。
     よく芋るずサむンスタンドが立っおいお、

    『ノンアルゟヌン』
     ず曞かれおいた。文字の暪には、埳利に✕印が぀けられたむラストが描かれおいる。

     シヌトの䞊には、女性瀟員が倚く座っおいるが、若手の男性瀟員もちらほら芋受けられる。近所からの飛び入りだろうか、家族だろうか、小さな子䟛達も飲み物や食べ物が眮かれたミニテヌブルの間を駆け回っおいる。

     レむは空いおいるミニテヌブルの䞀角を勧められ、案内しおもらったお団子ヘアの女性ず䞀緒に腰を降ろした。
     テヌブルの䞊には、䞀芋、果実系の酎ハむかカクテルの猶が䞊んでいるようだったが、どの猶にも『ALC.0.00%』ず蚘茉されおいる。

    「さあ、奜きなのを遞んで。」
     レむは勧められるがたたに、巚峰サワヌテむストの猶を手に取った。

    「カンパヌむ」
     お団子女子の音頭で、先ほど荷降ろしをしたメンバヌで猶を軜くぶ぀け合い、也杯した。

     なんかこういうのっおいいな、ずレむは嬉しくなった。同時に、ボクっお埗な性栌かも、ずも思う。

     テヌブルの䞊には、焌きそばや唐揚げ、ピザなどが䞊んでいる。
     黒メガネの男性が割り箞ず玙皿をレむに手枡しながら話す。

    「以前は、ノンアルゟヌンなんおなくお、飲める人間も飲めない人間も䞀緒くたで、花芋しおたんだけど、こういうご時䞖でしょう。アルハラなんお蚀葉も出おきたし、近隣の目もあるし、数幎前からきっちり分けようっおこずになったんです。」

     なるほど。
     トラックの仕事をしおいるず、職業柄、レむの職堎には無理矢理飲たせようずする人はいない。普通の䌚瀟はこうやっおルヌル぀くらないずいけない時代なんだな、ず初めお知った。

    「おヌい、シラフで花芋しおいお、楜しいのか」
     『ノンアルゟヌン』の隣のシヌト垭の男性から、ダゞが飛んできた。

     レむの隣で焌きそばを぀぀いおいた、お団子ヘアの女性瀟員は『んだず』ず口に出し、ノンアルのカシスオレンゞを䞀気に飲み干すず、ただ未開封のノンアル酎ハむのロング猶を手にし、靎を履いおズカズカずダゞった男性の方に向かった。

    「こっちはこっちで楜しくやっおんの。攟っずいおくんない」
    「いやあ、酒も飲たずに、盛り䞊がれんのかね、ず思っお。」
    「ああ、盛り䞊がっおやろうじゃないか あんたも詊しおみるかい ノンアルで盛り䞊がれるかどうかをさ。」
    「え、どうやっお」
    「ほら、これ飲んでみ。」
     お団子女子は、ロング猶のノンアル酎ハむをプシュっず開け、男性の前に差し出す。

    「いや、アルコヌル無しなんお芁らないよ。」
    「たあ、詊しに飲んでみなよ。」
    「・・・いえ、遠慮させおいただきたす。」
     男性の声がだんだんか现くなっおいく。

    「遠慮するなっお。」
     遠目ながら、レむには、お団子女子の目が座っおきたように芋えた。

     ダゞを飛ばした男性は、぀いに降䌏し、ロング猶を受けずり、䜕床か息を継ぎながらそれを党郚飲み干した。
    「どう、気分は」
    「・・・はい。盛り䞊がれそうな気がしおきたした。」
    「それは䜕より。」

     レむは、疑問に思った。
     お酒を飲んでない人が、酔っぱらいにノンアル飲料を匷芁するのは、アルハラに圓たるんだろうかず。

     黒メガネの男性が、レむにだけ聞こえる声で話す。
    「あの子はね、正確にいうずお酒が飲めないんじゃくお、飲んじゃいけない人。倧酒飲んで、いろいろやらかしたので、みずからお酒を断っおいる。」

    「ええ そうなんですか シラフであれなら、お酒飲むずいったどうなっちゃうんですか」
    「・・・思い出したくない。」
     さおは、この黒メガネの人も被害を被ったこずがあるんだなずレむは盎感した。

     ノンアルゟヌンに戻っおきたお団子女子は、
    「さあ、元気に飲んで食おうぜ」
     ず激を飛ばした。

     お酒を飲たない人々は、楜しく隒ぎ、笑いあった。

     ダゞを飛ばした男性がいるレゞャヌシヌト䞊では、お通倜のような静たり返った宎䌚が繰り広げられた。

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    A picture with a smile - and perhaps, a tear. 埮笑みず、そしおおそらく、䞀粒の涙の物語 チャップリン 「キッド」より匕甚 そんな物語が曞けるようになりたいず恋焊がれおいたす。 lit.link/minato_funazu

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