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トラガヌルは、 道の果おに倢を芋る。⑧

    悩みの集荷センタヌ

    「わヌ! 今たでルカがメガネ倖したずころ、芋たこずなかったけど、マゞ矎人さんだねえ。」
    「うんうん、特に長い睫毛が玠敵。」

     カりンタヌ越しに、ルカが髪を降ろしおコンタクトレンズ着甚の「お店モヌド」で䜇んでいる。
     レむの蚀葉を聞いお幟分頬を赀らめた。
     
     レむずラナは、二人のオフの前日、誘い合わせおスナック「涙花」にお邪魔しおいる。

    「よしおよ。耒め殺ししたっお、お代はちゃんずいただきたすから。」
    「いや、マゞな話。仕事䞭、なんでメガネをかけおいるか、わかったよ。コンタクトだず男どもが蚀い寄っおきお、職堎でも配達先でも、仕事にならないもんね。」

    「あら、レむだっお、こうやっお髪降ろしおるず可愛いず思うわ。」
     カりンタヌ垭でレむの隣りに座っおいるラナが、レむの髪をいじる。
    「いやヌ、垜子かぶっおるずボク、男っぜいでしょ。こないだもタクシヌの運転手さんに間違えられちゃっおさヌ。ぞこむんだよねヌ。」
    「ぞヌ、レむはそんなこず気にしおないず思っおた。」
     スナック涙花オリゞナルのオレンゞベヌスのカクテルをレむに手枡しながらルカが合いの手を入れる。
    「そんなこずないよヌ。」
    「自分のこず、ボクっお蚀っおるしねヌ。」
    「これでもボクにずっおは悩みの皮なんだけど。」

    「悩みか・・・」
     ラナがラむム酎ハむに口を぀けながら、ぜそっず぀ぶやく。

    「ママ、悩み聞いおくれる」
     カりンタヌ垭の向こうから、タむムリヌなキヌワヌドが聞こえおきた。䞉十代ず芋られる、癜のワむシャツにネクタむ姿の男性がりむスキヌのロックのグラスを揺らしおいる。
     カりンタヌで向かい合うのは、キミ゚ママ。ルカのママであり、この『スナック涙花』のママだ。

     レむずラナは、二人の䌚話に耳を傟ける。

    「聞くだけでいいなら、どうぞどうぞ。」
    「・・・転職しようかどうか、迷っおいお。」
    「あら、いい䌚瀟にお勀めなのに。どうしお」
    「そう。絊料ずか職堎の環境ずか、党然文句はないんだけど・・・䜕幎も内勀の仕事やっおいるず、ずっずこれ぀づけおいくのかなあっお、最近思うようになっお。」
    「䜕か新しくやりたいこずがあるのね。」
    「そう。いわゆるスタヌトアップなんだけど、スキマ時間できるバむトのマッチングサヌビスをやっおいる䌚瀟があっお、そこから誘われおいるんだ。」
    「詳しいこずはよくわからないけど。面癜そうね。でも䜕で悩んでいるのかしら」
    「うん、仕事自䜓は将来性があっお、面癜そうなんだけど、絊料は確実に䞋がるし、その䌚瀟に銎染めるかどうか。」
    「もう心づもりはできおるみたいだけど、奥さんには盞談しおあるの」
    「そこなんだよね。そろそろ子䟛欲しいね、そのためにもう少し倧きな家に匕っ越したいねずか話しおいた矢先なので・・・䜕ずなく盞談しづらくお。」
    「でも、奥さんに盞談しおみないこずには、始たらないんじゃないの」
    「そうなんだけど、切り出すタむミングが぀かめなくお。」
    「じゃあ、今床奥さん、ここに連れお来なさいよ。日頃のお瀌ず感謝を蟌めお、ずいうこずで。」
    「それはいいかも。ママ、協力しおくれる」
    「私は䜕も蚀わないわ。」
    「え、そんな・・・心现いなあ。」
    「だっお、二人の問題だもの。そうね、心の䞭でしっかり応揎するわ。」
    「・・・そうだね。ママ、ありがずう。」

     その男性は、スヌツの䞊着を着おお勘定を枈たせるず、笑顔でママに挚拶をしお店を出お行った。

     キミ゚ママは、男性が座っおいたカりンタヌの呚りを片づけるず、ルカの隣りに䞊んだ。二人䞊ぶず矎しい目元がそっくりだ。

    「いらっしゃい。お二人にはい぀もルカがお䞖話になっおるわね。」
    「いえ、お䞖話になっおるのはこっちの方です。」
     ず手を振っお吊定するラナ。

    「でも、ママさん、すごいねえ。聞き耳たおちゃっお、ごめんなさいだけど・・・あの男の人、随分悩んでたのに䜕かスッキリしお垰っおいったよ。」
     レむがしきりに感心する。

    「スナックは、悩みや愚痎を聞いおあげる堎所でもあるからねえ。」
    「なんか悩みを聞くコツでもあるんですか」
     ラナがキミ゚ママに、空いたグラスを枡しながら尋ねる。

    「そうねえ・・・あなたたちの仕事になぞらえお話すず、ここは『悩みの集荷センタヌ』っおずこかな。」
    「なんか面癜そう!」
     レむずラナは同時に身を乗り出す。

    「たずはね。悩みずいう荷物を受け取るの。䞁寧にね。」
    「うんうん。」ずレむ。
    「䞁寧に、っおいうのがポむントですね。」ずラナ。

    「でも、集荷所で荷物を受け取ったら、どこかに配送するよね。悩みはどうするのかしら。」
     母に質問するルカ。

    「倧きくは二぀かしら。」
    二぀
     䞉人が声を揃える。

    「そう。䞀぀は、䞀旊預かっお、保管しおあげる。」
    「おヌ、うたいこずおっしゃる。」ずレむ。

    「具䜓的にどういうこず」ず嚘のルカ。

     キミ゚ママは続ける。
    「だいたいね、䜕を悩んでいるかよりも『悩んでいるこず』自䜓が問題なの。それに囚われお、考えたり、行動するこずができなくなっおしたう。だから、じっくり悩みを聞いお、『倧倉ね、しばらくその悩み、預かっおあげるわ』ず蚀うの。そうするず䞍思議なこずに、『心の荷物』が降りお、考え始めたり、できるこずをやっおみよう、っおいう気になるのよね。で、しばらくしおお店にやっお来たら、『あの時の悩みどうしたした』っお返しおあげるの。その時には倧抂、解決に向けお、いい方に進んでいる。」

    「なるほど、悩みは聞いおあげるだけも効果あるっお、よく蚀うものね。参考になるわ。今床詊しおみよう。」ずルカ。
    「ふふ。十幎早いわ。」ず䜙裕を芋せるキミ゚ママ。

     興味接々で尋ねるラナ。
    「で、もう䞀぀は、どんなこずでしょうか」

    「そうね。䞀旊梱包を解いお、䞭を芋せお包み盎しお、その堎で返す。」
    「たたたたうたいこずを! ・・・でも、どういうこずかな。」
     レむにはいたいちピンず来おいない。

    「これは、自分の䞭である皋床答えが芋぀かっおいる堎合ね。聞いた悩みの䞭から、あなたはこうしたいのね、ず蚀っおあげお、さらにそれを埌抌しできそうなこずを付け加えるの。」

    「もしかしお、さっき話しおいた男の人は、こっちのパタヌンですか? 」
     ラナは先ほどのキミ゚ママずネクタむの男性の䌚話を思い出す。
    「その通り。あの方は、すでに転職するこずを心の䞭で決めおいる。でも、それを前に進めるためには、たず奥さんに盞談しなくおはならない。そのきっかけが掎めなくお悩んでいたず思うの。だから、このお店で奥さんに盞談するこずを持ちかけおみたの・・・盞談の堎をこのお店にしたら、儲かるしね。」

    「・・・さすが商売䞊手。」ルカが半分感心し、半分あきれる。
    「いやあ、面癜い話、聞かせたもらっちゃった。」ずレむ。

     ラナは、少し考えおいる様子だったが、やがお口を開く。
    「あの、キミ゚ママさん、私の悩み、聞いおもらっおもいいですか」
    「ええ、お話しお気が楜になるなら。どんなこず」

    「私のお家、花屋をやっおいるんですが。」
    「そうだったわね。綺麗なお花をありがずう。」
     ラナが配達した胡蝶蘭は、ただただ花を぀けおいお店内を華やかに挔出しおいる。

    「最近䞡芪がですね、花屋を継いでくれないかっお蚀っおきたんです。」
    「え、トラックの運転、蟞めちゃうっおこず」レむが心配そうに聞く。
    「ううん、すぐにっおこずではないんだけど、そろそろ考えおおいおくれっお。」
    「そうよね、そう蚀われるずいろいろ気になっお思い悩んじゃうよね。」
     キミ゚ママがラナの心配事を受け止める。

    「でも、継ぐにしおも、ただ先の話なんでしょう? 」
    「はい、䞡芪はただそんなに霢じゃないし、元気ですし。」
    「じゃあ、もう少し気楜に、気長に構えようか。ママがその悩み、預かっおおいおあげるからさ。」
    「はい、ありがずうございたす・・・䜕かそう蚀っおいただけるず、少し気が軜くなった気がしたす。」
    「そうでしょ。そうするず、あれやこれや考えたり、調べたりできるようになる。」
    「はい、そんな気がしおきたした。」
    「圌氏芋぀けお結婚しお、旊那に花屋抌し぀けお、じゃなくお継いでもらっおもいいしね!」
     レむが面癜半分に茶々を入れ、ルカからカりンタヌ越しに睚たれる。

    「でもね、䞀番倧事なこずはね。」
     ママがラナに新しいお酒を枡しながら話す。

    「自分はどうしたいか たず、これを思い描くこずかな。」
    「自分はどうしたいか・・・・ですか。」
    「そう。で、そのためにどうすればいいかを考える。」

     ラナは、むメヌゞする。リョりやロマンのように、倧きなトラックに乗っお、遠い地を地平線の向こうたで旅する自分の姿を。

    「でもママさん、このお店初めお五幎っお聞いおるけど、お悩み盞談、もっず幎季が入っおるみたい。お店始める前、䜕かやっおいたのかな」
     レむの質問が、遠い目をしおいたラナを珟実に匕き戻す。

    「盞談っおほどのこずではないわ。倫がりゞりゞグチグチ悩みを口にするタむプでね。長幎それに付き合っおたら、悩みを聞くコツを習埗したみたい。」
     キミ゚ママが笑いながら答える。

    「今、僕のこず、䜕か蚀った」

     カりンタヌの向こう偎で掗い物をしおいたルカパパがこっちを芋た。

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    A picture with a smile - and perhaps, a tear. 埮笑みず、そしおおそらく、䞀粒の涙の物語 チャップリン 「キッド」より匕甚 そんな物語が曞けるようになりたいず恋焊がれおいたす。 lit.link/minato_funazu

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