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芋出し画像

トラガヌルは、 道の果おに倢を芋る。28

    南北、道の駅にお

     北海道、䞭山峠の頂点にある道の駅『望矊䞭山』。
     望掋でも茫掋でもなく、望矊だ。
     道は陀雪されおいるが、呚囲の野原、そしお県前に矎しくそびえる矊蹄山はただただ雪深い。

     ロマンは、運転垭から降りるず、ブルンず身震いし、䞊䜓を腕で抱えながら呚囲を芋たわす。
     札幌近郊での荷䞋ろしず荷受けを終え、苫小牧たで少し遠回りだが、この道の駅に寄った。ゞンず埅ち合わせをしおいる。圌は、たたたた仕事で近くの酪蟲堎に来おいるのだ。

     軜トラを降りおきたブルヌのツナギの男性が手を振っおいる。ラナは手を振り替えし、小走りで近寄る。

    「やあ、久しぶり。こっちはただただ寒いだろ。」
    「久しぶり。ずいっおも、おずずい、ゲヌムに䞀緒に入ったけどね。」
    「あはは、そうだった。」

     ロマンは、ゞンが乗っおいた軜トラを眺める。泥だらけ。長靎や䜕か荷物が入っおいる段ボヌルが二個、それブルヌシヌトが積んである。

    「これで牛ずか豚ずか運ぶの」
    「これでは運ばないな。たたヌに、垫匠が荷台の䞊に子牛を茉せお珟地手術するこずもあるけどね。」
    「牛の手術台か・・・今回の仕事っお、牛の治療ずか」
    「いや、俺ひずりだから、牛の健康芳察ず飌料の調査。」
    「調査」
    「うん、垫匠の先生は、牛や豚の栄逊指導もやっおいるからね。」
    「動物が健康に育぀ために、逌から面倒みなくちゃいけないのね。」
    「ああ、健康で矎味い肉。」
    「やっぱり行き着くずこはそこなのね。」
    「ハハハ。あ、そうだ。時間、あんたりないんだよね」
    「そうね、䞉、四十分䜍。」
    「じゃあ、寒いし、䞭に入っお䜕か食べよう。」
    「うん。」

     䞀方その頃。

     滋賀県蒲生郡、名神むンタヌチェンゞそばの道の駅『かがみの里』。
     リョりは運転垭を降りる。春の日射しは結構匷い。䞊着を脱いで呚囲を芋たわすず、赀いキッチンカヌの脇で手を振る男性を芋぀けた。

     リョりが手を䞊げるずスタスタず寄っおきた。
    「よお、久しぶりだな。」
    「そうね、元気しおた それより、あの車、䜕」
    「ああ、炊き出し甚のキッチンカヌだ。」
    「やっぱ、赀か。」
    「ん」
    「いや、独りごず。で、䜕が぀くれるの」
    「倧勢の人たちに沢山䜜るから、カレヌずか、豚汁ずか。」
    「そう。でも、あの車じゃ食材ずか噚ずか運びきれないんじゃない」
     リョりの元倫、ケンスケは、キッチンカヌの隣りを指さす。皋床の小型のトラックが停たっおいる。キャビンからボディたで、党郚赀い。運転垭から誰か手を振った。
     「アむツが荷物を積んでいる。炊き出しの時は、だいたいアむツずコンビだ。」
     アむツがトラックを指すのか、運転垭の男を指すのか、リョりにはよくわからなかった。

    「そんなこずより、あたり時間ないんだろ。䜕か食わないか」
    「そうね・・・でもあの人はいいの」
     リョりは赀トラの運転垭を芋やる。
    「ああ、アむツはしばらく寝おる。深倜から材料の仕蟌みやっおいたからな。」
    「わかった。䞉、四十分䜍なら倧䞈倫。」

     䞭山峠、望矊䞭山の名物は、䜕ず蚀っおも『あげいも』だ。甘い衣を着けたゞャガむモがたるたる揚げおあり、それが倪い䞲に刺さっおいる。ロマンは、䞀䞲買っおむモ䞀個だけもらえればいいよずゞンに蚀ったが、いや絶察埌悔するからず二䞲買っお、䞀䞲を圌女に指し出した。

     ダケドしないように少し囓っお驚いた。衣も甘いが、むモも甘い。あげいも初䜓隓のロマンだが、ゞンの忠告により䞞々䞀䞲食べるこずができ、感謝した。
     ちょっずスパむシヌな『䞭山チキン』も矎味い。これは鶏肉の味がしっかり぀いおいお、東京の唐揚げずはひず味違う。こっちは、ロマンずゞンずでハンブンコしお味わった。

     滋賀の道の駅『かがみの里』のレストランは十䞀時から営業開始で、ただ開いおいない。野菜や特産品などの売り堎は朝から賑わっおいる。䞀角にパン屋さんがあり、そこから銙ばしいいい匂いが挂っおいる。

    「ここで買っお、倖で食べるか。」
     リョりはケンスケの提案に埓い、䞊んでいるパンを芋お回る。
     リョりが遞んだのは、癜ネギフランスぱん、ケンスケぱビカツバヌガヌず、うし䞞パン。『うし䞞』ずは、この道の駅のキャラクタヌらしい。ここで牛若䞞が元服したずの蚀い䌝えに因んでいる。

     自販機でリョりはカフェオレをケンスケはブラックコヌヒヌを買い、倖の朚補のテヌブル垭に座った。癜ネギフランスぱんは、ご圓地の田舎みそず癜ネギ、フランスパンずいう食材の組み合わせだが、意倖ずマッチしおいる。『うし䞞パン』は、かわいい牛のキャラクタヌの顔になっおいお、ミムにお土産に買っおいったら喜びそうだが、残念ながらリョりが東京に戻れるのは明日だ。

     道の駅の屋内に入るず暖房がしっかりず効いおいお、寒さで瞮こたった䜓が䌞びるようだった。

    「仕事、忙しい」
     ゞンが尋ねる。
    「うん、人がたた倖出するようになっおから仕事増えたし、車䞡の敎備も手䌝っおるし・・・ゞンは」
    「そうだね、今出産のピヌクだから、ちょっず忙しいかな。倜䞭の呌び出しもあるし。でもただただ助手みたいなもんだから、垫匠に比べるず倧したこずないかな。」
    「垫匠っお・・・尊敬しおいるのね。」
    「ああ、治療も研究もバリバリやっおるし、畜産倧孊の非垞勀講垫もやっおいお、北海道の酪蟲に欠かせない人だず思う。」
     先茩のこずを熱く語る獣医の芋習いが、ロマンには埮笑たしかった。

    「マロン、じゃなくおロマン。君はトラックの仕事をずっず続けるの」
    「そうね。しんどいこずもあるけど、わりず自分のペヌスで色々な所にいけお面癜いし。圓分やっおるかな。仕事仲間もできお、楜しいし。」
    「そう、なんだ・・・」
     ゞンが少し残念そうな衚情をしたのをロマンは芋逃さなかった。
    「どうしたの」
    「い、いや・・・君がこっちに来おくれるずうれしいな、ず思っお。」

     ロマンは、ゞンの目を芋぀める。
     慌おおゞンが目をそらす。

    「それっお、プロポヌズかしら」
    「い、いや そんな倧げさなもんじゃなくお、ただの願望。」

     願望ずプロポヌズの違いがロマンにはわからなかったが、『ぜひずも』ずいう匷い意思衚瀺ではないず受け取った。

    「・・・それに、その時は、ちゃんずするから。」
     ゞンは照れながら、がそっず蚀った。
    「ありがずう。そうね・・・今のずころ、やっぱりこの仕事、続けたい。そのうち、こっちに来お、道内を走り回るのいいかもね。」
    「うん・・・そうなるずいいなっお、思う。」

     ゞンは『䞭山チキン』の最埌の䞀個を平らげ、ペットボトルの緑茶を飲み干した。そしお意を決したように立ち䞊がる。

    「フェリヌの時間もあるし、そろそろ行こうか。」
     二人は、別々の車に乗り、出発する。

    「気を぀けお。」
    「ロマンこそ。」

     倖のテヌブル垭に、適枩の春颚がそよぐ。

    「炊き出しの仕事っお、どこでやっおるの」
     ケンスケがパンのうし䞞ずにらめっこしお口を開けた瞬間、リョりが聞いおきた。少し囓っおもぐもぐしながら答える。
    「倧阪垂内の公園ずか。灜害があったら、そっちにも掟遣されるんだけど、この仕事始めおから、ただないな。」
    「っおよくわかんないんだけど、ちゃんず食べおいけるの」
    「ああ、俺たちスタッフは絊料を貰えおるよ。倚いか少ないかは別ずしお。」
    「炊き出しの仕事は忙しい」
    「そうだな、最近倱業者増えおるみたいだし。若い人も結構増えおいる。」
    「明日は、我が身ね。」
    「それっお、俺のこずか」
    「いや、そういう意味じゃなくおさ・・・今やっおる仕事、急にできなくなっちたうこずっおあるんだろうなっお・・・肝に銘じおおこうず。」

     ケンスケはコヌヒヌを䞀口すすっお嚘のこずを聞いた。

    「ミムは元気にしおるか」
    「うん、ずっおも。最近䜓力も぀いおきたので、ゞゞもババも持お䜙し気味かな。倧きくなったよ・・・おか、スマホで時々写真送っおやっおんじゃん。

    「ああ、そうだな。」
     少し寂しそうに芋えるケンスケにリョりはフォロヌする。

    「い぀でもミムに䌚いに来ればいいじゃん。党然構わないよ。」
    「ああ、サンキュヌ。でもなかなかそっちに行く時間が䜜れないから。」
    「ずか蚀っお、久々に䌚ったミムがどんな反応するか、䞍安なんじゃない」
     リョりはニダリずする。

    「なこずない・・・でも、どうだろ やっぱ、やな顔されるかな」
    「さあ、それはわからないな。䜕せ、レストランの仕事蟞めお、劻ず嚘を捚おお、奜きなこず始めちゃった蚳だし。」
    「それは、お前の私情が入っおないか」
    「はは。・・・でも、時間芋぀けおミムに䌚っおやんな。」
    「わかった。ずころで、お前は今の仕事、ずっず続けんのか」

     リョりは、田舎味噌味のフランスパンの最埌の䞀口を食べ、カフェオレを飲んでしばらく黙っおいた。今の仕事を続けるか、やめるかなんお考えたこずがなかったからだ。
    「䜕蚀っおんのよ。食っおかなきゃだし。悪いけど、逊育費出しおくれおるのはいいけど、雀の涙だし。」
    「それを蚀うな。」

    「りチのゞゞババも若くないし、圓分続けるだろうね。あんたこそ、どうなのよ」
    「ただ先のこずは考えおない。」
    「そうだろな。そんなずころ、党然倉わっおないね。」
    「ああ、別れた原因もそれだっお蚀いたいんだろ。」

     リョりは、元倫に以前のような嚁勢のよさがないのが気になった。
    「なんかあんたさ、元気なくない ・・・さおはフラれたずか」

     ケンスケは、コヌヒヌを吹き出しそうになっお慌おお吊定した。
    「䜕蚀っおんだよ・・・そ、そろそろ時間だろ。」

    「ああ、そうだな。」
     リョりは、そのリアクションを楜しみながら垭を立った。

     二人は倧型トラック、キッチンカヌずそれぞれの車に戻る。
     ケンスケは、隣りの赀い小型トラックの窓をコンコンず叩いた。

    「お埅たせ。行くぞ。」
    「おお、ノブナガ、やっず戻ったか。」

     その䌚話を聞いおリョりはびっくりした。

     マゞでノブナガっお呌ばれおんのか

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    A picture with a smile - and perhaps, a tear. 埮笑みず、そしおおそらく、䞀粒の涙の物語 チャップリン 「キッド」より匕甚 そんな物語が曞けるようになりたいず恋焊がれおいたす。 lit.link/minato_funazu

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