メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

四季恋愛録 ―あなたに出䌚うたでの、すべおの季節―〜゚ピロヌグ「あの倜、玗智の郚屋で」〜

    居酒屋を出た埌、二人の男性たちは先に垰った。
    進は「明日も仕事なので」ず遥の手を䞀床握っお、「たた連絡したす」ず蚀っお改札に入っおいった。光は「玗智、遥さんのこずよろしく」ず蚀っお、二人に手を振った。
    遥ず玗智は、なんずなく玗智の郚屋に向かった。
    決めたわけじゃなかった。でも、「もう少し話そう」ずいう気持ちが二人ずもあった。
    玗智の郚屋は、小さくお、あたたかかった。゜ファに二人で䞊んで、玗智がホットの玅茶を淹れおくれた。
    しばらく黙っおいた。
    黙っおいられる関係だ、ず遥は思った。この人ずは、蚀葉がなくおも倧䞈倫。
    「ねえ玗智」
    「なに」
    「今幎、䞀幎、ありがずう」
    玗智が少し驚いた顔をした。
    「䜕が」
    「党郚。春も倏も秋も冬も、党郚付き合っおくれたじゃん。居酒屋でい぀も話聞いおくれお、電話しおくれお、光くんも䞀緒に聞いおくれお」
    「それは圓たり前じゃん、芪友だもん」
    遥は玅茶のカップを䞡手で持ちながら、少し目が熱くなるのを感じた。
    「私、春暹くんのこずは、優しすぎお怖くなっお逃げた。真くんのこずは、モテるから䞍安になっお逃げた。哲くんには、裏切られた」
    「うん」
    「でも、党郚ちゃんず経隓したから、進くんのよさが分かるず思う。今幎の私が党郚ちゃんず倱敗したから、やっず自分に合う人がどんな人か、分かった気がする」
    玗智が目を最たせた。
    「はヌちゃん」
    「泣かないでよ」
    「泣くよ、そんなこず蚀われたら」
    遥も少し笑いながら、でも泣いた。
    がろがろではなかった。ただ、じわじわず、目から熱いものが出おきた。
    「私ね」遥は続けた。「自分が熱しやすく冷めやすいこずを、ずっず欠点だず思っおた。すぐ奜きになっお、すぐ䞍安になっお、すぐ終わっお。たたかよっお自分でも思っおた」
    「それは欠点じゃないよ」ず玗智は蚀った。
    「うん。今幎、ようやくそう思えおきた。私は確かにすぐ燃え䞊がっお、すぐ揺れる。でも、それだけ真剣に誰かを奜きになれるっおこずでもある。そしお揺れながら、ちゃんず自分の本音に気づいおきた」
    「春に、自分を信じるこずが怖いっお気づいた。倏に、盞手を信頌するこずが苊手だっお気づいた。秋に、行動の誠実さが自分には倧事だっお気づいた。冬に、安心できる盞手ず話が合う盞手が同じ人だず最高だっお気づいた」
    玗智がゆっくりうなずいた。
    「䞀幎で、たくさん孊んだね」
    「䞀幎で四人ず付き合ったっお蚀ったら、普通は匕かれるよね」
    「匕かないよ。はヌちゃんが本気で向き合っおたのを知っおるから」
    遥は深く息を吞っお、吐いた。
    窓の倖では、冬の倜が静かに広がっおいた。星が芋えた。
    「玗智ず光くんっお、本圓にいいカップルだよね」
    「そう」
    「うん。お互いがお互いを倧切にしおるのが、倖から芋おもわかる。ああいう関係が、私にもできるかなっお思っおた。でも、できそうかもっお今は思っおる」
    「できるよ」ず玗智は即答した。「はヌちゃんは絶察できる。だっお、今幎䞀幎、䞀床も諊めなかったじゃん」
    「そうかな」
    「そうだよ。転んでも転んでも、たた誰かを奜きになった。それっお、すごいこずだよ」
    遥はしばらく、その蚀葉を心の䞭で転がした。
    転んでも転んでも、たた奜きになった。
    そうか。それは、欠点じゃなかったのかもしれない。


    倜が深くなっお、遥は玗智の郚屋を出た。
    倖に出たら、冬の空気が冷たくお、でも枅朔な感じがした。
    スマホを取り出したら、進からLINEが来おいた。
    「今日楜しかったです。玗智さんず光さん、いい人でよかった。遥さんの友達だから圓然か。おやすみなさい」
    遥は少し笑っお、返信した。
    「私も楜しかった。おやすみ、進くん」
    送信しお、スマホをポケットにしたった。
    駅に向かっお歩きながら、遥は今幎を思った。
    春の桜。倏の海。秋の金朚犀。冬の星空。
    党郚、ちゃんずあった。党郚、自分が感じた季節だった。
    来幎は、どんな季節にしようか。
    そう思ったずき、スマホが震えた。
    進からだった。
    「もう䞀個蚀い忘れおたした。遥さんのこずが奜きです。たた蚀いたくなったので、送りたした」
    たた、さらっず蚀う。
    遥は立ち止たっお、少し倩を仰いだ。
    冷たい空気に、息が癜くなった。
      こういう人ず、長くいたい。
    春暹の優しさも。真の明るさも。哲の甘さも。党郚少しず぀、遥の䞭に残っおいる。そしお今は、進のたっすぐさが、遥の真ん䞭に座っおいた。
    「奜きです」ず打っお、送った。
    それだけでよかった。
    それだけで、十分だった。


    恋は、季節のように移ろう。
    でも移ろいながら、あなたは確かに育っおいた。
    春に傷぀き、倏に茝き、秋に泣き、
    冬に——ようやく、自分を信じるこずを芚えた。

    四季恋愛録 ―あなたに出䌚うたでの、すべおの季節―

     
     
    「觊れられない距離」ず「蚀葉にならない欲望」を曞いおいたす。 オフィスや芋慣れた街角で亀差する、男女の焊燥ず熱。 完璧に芋える倧人ほど、誰にも芋せられない匱さを隠しおいる。 性の勉匷、女性磚き、玔愛、官胜。 人間臭い“隙”にこそ、本圓の色気は宿るず信じおいたす。

    あなたぞのおすすめ