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ワンオペ西海岞。4歳児をANAラりンゞで䞞掗いし、トむレの暗号を解いた話

    あの倏の思い出を、
    今こそ振り返っおみたいず思う。

    これは、昔々、ただ幌い息子を連れお
    アメリカ西海岞ぞ行き、
    垂内のトむレや倧自然を駆け抜け、
    最埌に倫ず合流し
    ナパのワむナリヌで也杯するたでの、
    私のワンオペ旅の蚘録である。

    幌児を連れお異囜ぞ突っ蟌むロヌドムヌビヌ

    倏䌑み初日。
    私は䌚瀟にいたが、頭の䞭はすでに
    囜際線の搭乗開始時刻を意識しおいた。

    そしお満を持しお
    「では、お先に倱瀌したす」ず蚀いながら、
    「午埌䌑」に突入する。
    ここからがミッションの始たりだ。

    向かう先はサンフランシスコ。
    同行者は、4歳の息子がひずり。
    倫はひず足さきに仕事で珟地入りで
    合流は最終日。

    この旅、完党ワンオペである。


    ① 䜜戊お昌寝前に回収せよ

    保育園児を連れおの長距離フラむト、
    最倧の敵は「機内で寝ない」問題だ。

    察策はシンプル。
    お昌寝をする前に迎えに行き、
    䜓力ゲヌゞを削った䞊で
    倪平掋䞊で速やかに寝萜ちさせる。

    ここたでが初日のミッションである。

    たず私は、保育園ぞ向かった。
    お昌寝盎前の息子を「母のお迎え」が急襲。

    息子は、私の顔を芋お
    そういえば今日はい぀もず違うのだず
    思い出したようだ。
    「パパのずころに行くよ」
    「」

    よし、テンション高い。
    これは機内で寝ない可胜性も高い。
    でも行くしかない。
    そのたたタクシヌで空枯ぞず向かう。


    ② ANAラりンゞずいう名のオアシス

    たず向かったのはANAラりンゞだ。

    ワンオペが決たった瞬間、
    プレミアム゚コノミヌの垭を予玄しおある。

    予玄しおいたシャワヌに盎行し、
    汗ず成分䞍明のベタベタにたみれた息子を
    䞞掗いしお、顔を保湿、
    髪をふわふわに也かした。
    自分も汗だくだったからサッパリした。
    これだけで母のストレスは激枛する。

    ラりンゞに戻るず、
    息子が目ざずく軜食に気づいた。
    玠敵なものぞの嗅芚は物心぀いた頃から鋭い。

    「食べる」
    「食べる」
    「ゞュヌスもいいよ」
    「飲む」
    「サンドむッチもあるよ」
    「うん」

    4歳児はANAラりンゞに
    「なんかいい堎所」ずいう認識は
    持ったようだった。䜜戊は順調だ。


    ③ プレミアム゚コノミヌで早く寝お

    飛行機に乗った瞬間から
    珟地時間に合わせるのは
    私の時差ボケ察策の基本だ。

    西海岞ずの時差は16時間。
    珟地時間では前日の深倜だ。
    離陞埌、すぐにでも寝おほしい私は、
    搭乗しおせっせず巣䜜りを始めた。

    持参したガヌれケットや゚アクッションで
    䜜られた、息子甚のふかふかのシヌト。
    お颚呂䞊がりで、お腹がいっぱいで、
    さすがに寝るだろう。

    機䜓が浮いた。息子が窓を芗いた。
    「くもがある」「そうだね」
    「ちかい」「そうだね」
    いや違う。
    こんな可愛らしいやり取りはなかった。
    昔から息子は飛行機より
    機内サヌビスに興味を瀺す子どもなのだ。

    機内食が来た。
    先ほどのサンドむッチをものずもせず
    プレ゚コの食事を楜しむ息子。

    生たれお初めおのヘッドホンで
    音楜を聎き始める。

    寝なさいよ。

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    シヌトのリクラむニングを倒し、
    添い寝の姿勢を䜜り、毛垃をかけた。
    息子は皋なく、すやすやず眠りに぀いた。
    完璧だった。

    私だけそっず起き䞊がった。
    寝おなるものか。

    暗くなった機内で、
    ひずりで静かにワむンを飲んだ。
    私もようやく䞀息぀く。

    だが、本圓の戊いはここからだった。


    ④ 謎解きトむレク゚スト

    飛行機は倪平掋を越え、
    私たちは無事サンフランシスコぞ到着した。

    しかし、海倖で子連れを悩たせるのが
    「治安ずトむレ問題」である。
    私は事前に「ここは無料でトむレが䜿える」ずいうカフェを調べおおいた。
    息子を連れお目圓おのカフェで朝食をずる。

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    食事を終え、店員さんに
    「トむレを䜿っおいいですか」ず聞くず、
    「同じビルのトむレを䜿っおいい」ず蚀う。
    カフェの䞭にはなかった。

    息子を抱っこしお、蚀われた方向ぞ進む。
    现い廊䞋だった。
    途䞭、向こうから歩いおきた女性ず
    すれ違った。

    圌女はチラッず息子を芋た気がした。
    そしおすれ違いざた、小さな声で蚀った。

    「349スリヌ・フォヌ・ナむン」

    

349
    䟮蟱するようなトヌンはなかった。
    どういう意味だろう。

    怪蚝に思いながらも進むず、
    数段の階段を登った先にトむレがあった。
    しかし、斜錠されおいた。

    話が違う。店員は䜕も蚀っおなかった。
    ここじゃないのか
    詰んだ。4歳児の尿意は埅おない。

    その時だった。

    もしかしお。

    私は番号を抌した。

    ドアに぀いおいたテンキヌ匏のロックに

    3。
    4。
    9。

    カチャリ。
    開いた開いたのだ

    私は、芋知らぬ芪切な女性から
    “秘密の暗号”を受け継いでいたのだった。

    助かった。
    それにしおも、
    なんおスマヌトな人なんだろう。

    私はこれぞ旅の醍醐味ず高揚しおいた。
    楜しい。
    私も誰かに「349」を䌝えたい。
    誰かずすれ違えば、
    このトむレの暗号のリレヌを繋げられる。

    私は匷い䜿呜感ず「349」を胞に、
    その数字ずトむレを必芁ずする誰かが
    来おくれるこずを願った。

    甚を足し、トむレから出るず誰もいなかった。
    廊䞋では誰ずもすれ違うこずなく、
    息子ず手を぀ないで倏の日差しの䞋ぞ出た。
    「349」は、私のずころで途絶えた。


    â‘€ アむスクリヌム博物通の掗瀌

    サンフランにはアむスクリヌムミュヌゞアム
    Museum of Ice Creamなる斜蚭がある。
    ポップな䞖界芳で、子どもも倧人も楜しめる
    カラフルでフォトゞェニックな、
    䜓隓型スポットだ。

    珟地に着いお、列に䞊んだ。

    䞊んでから知ったのだが、
    なんず入堎刞は時間指定制で、
    オンラむン販売のみ。
    ぀たり、このたた䞊んでいおも入れない。

    入堎が始たり、すでに列は動いおいる。

    「えっ、今から」ず焊り぀぀、
    列の䞭でスマホを取り出す。

    異囜の地で䞍安定な通信環境の䞭、
    入堎時間を遞択。次の枠、あず数分

    息子が列を離れないよう
    気にしながら、
    私はその堎でナヌザヌ登録を始めた。
    震える指で。間に合うのかこれ

    読み蟌たない画面。
    焊る私。
    隣では、ずりあえず黙っおくれおいる息子。

    クレゞットカヌド情報入力、
    このサむト倧䞈倫なのかな。
    ええい、決枈。
    QRコヌドが発行された。滑り蟌みセヌフ。

    🍚 🍚 🍚

    䞀息぀いたのも束の間、
    䞭は完党英語環境だった。

    しかもこのミュヌゞアムは、
    スタッフに誘導されながら
    少人数のグルヌプで進む
    「䜓隓参加型」のツアヌ圢匏。

    郚屋ごずに説明される挔出やルヌルを、
    4歳甚の日本語で息子に䌝える。

    ガむドのお姉さんは陜気に話しかけおくれる。
    参加型なので、リアクションを求められる。

    息子が質問されれば、即座に息子に䌝え、
    すぐには答えない息子の代わりに答える。
    このミュヌゞアム、
    地味に芁求スペックが高い。

    そしお、参加者のテンションも高い。
    ツアヌの最初は、ひずりひずり自分に
    「アむスクリヌムネヌム」を぀けお
    自己玹介するずいう斬新な流れ。

    完党に若者向けだ。
    我々も平均幎霢ならタヌゲット局だが
    䜕せ片方が若すぎるため、
    私は逆の䞋駄を履いお地面にめり蟌んでいる。

    私は空気を読み、流れに乗ろうずした。
    自分のさえ気の利いたものは出おこないが
    息子の分たでニックネヌムを発衚する。

    ツアヌ䞭、その名前で呌ばれるこずは
    ぀いぞなかった。

    ミュヌゞアムの可愛いピンク色ずは裏腹に、
    私の脳内はフル回転状態が続く。

    「アむスクリヌムの説明しおるよ」
    「たべるの」
    「もうすぐね」

    「キュヌトね、䜕歳」
    「さんじゅう あ、4歳です」

    「アむスただ」
    「もうすぐかな」

    参加しながら通蚳しながら
    息子ず遊びながら写真を撮りながら、
    「䞀般家庭の子連れ芳光ずしおは
    ハヌドなずころに来おしたった。」
    私は心の䞭で癜目を剥きかけおいた。

    救いは、息子が楜しそうにし始めたこず。
    補菓甚のカラヌチョコスプレヌのプヌルに飛び蟌んだり、アむスを食べ比べたり。

    そう、このミュヌゞアム、
    郚屋ごずに異なる味のアむスが食べられる。
    息子が絶察奜きそうだった。

    実際、奜きだった。

    次々ず出おくる冷たくお甘いご耒矎に、
    息子は毎回嬉しそうで、その顔がよかった。
    おかげで、カメラを構える私もだんだん楜しくなっおくる。通内はどこを切り取っおも
    最高にフォトゞェニックだった。

    終わっおみれば、2人ずも満足しおいた。

    ただ、あの
    「䞊びながらの入堎刞賌入」の指の震えず、
    「英語↔幌児語の通蚳」は今でも芚えおいる。

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    ⑥ ワンオペペセミテ

    サンフランシスコからツアヌで
    ペセミテ囜立公園ぞ向かった。

    ゚ルキャピタンが芖界に入ったずき、
    息子は黙った。
    4歳児もあの巚倧な岩壁の前で、
    䜕か感じるものがあったのかもしれない。

    ハヌフドヌムを遠くに眺め、
    公園内を歩き、動物に䌚った。

    囜立公園内で䞀泊する。レストランは
    快く子どもの入店を受け入れおくれた。
    息子ず人で星空を芋䞊げ、
    ロッゞで早々に寝た。

    ペセミテ芳光は完党に私の趣味である。
    遞べないずはいえ、こんなに遠くたで
    䞀緒に来おくれた息子の寝顔を芋お、
    「怒ったり急かしたりしおごめんなさい」。

    息子がいるから心匷い。
    ワンオペのピヌクは、静かだった。

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    翌日は運よく珟地ツアヌに滑り蟌み、
    絶景を堪胜した。
    目の前に広がるのは圧倒的な巚岩ず、
    吞い蟌たれそうな青空、そしお枅らかな空気。

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    息子も満足しおいるようで嬉しい。
    滞圚䞭、倧自然の䞭で芋た笑顔、
    それだけで十分だったが
    きっず圌は芚えおいないだろう。
    私は写真をたくさん撮った。


    ⑩ 倫、登堎。そしおナパぞ。

    そしお旅の最終日、
    数日ぶりの家族合流を果たす。
    息子は「パパ」ず飛び぀いた。
    そこからナパバレヌぞ。

    どこたでも続くぶどう畑を眺めながら、
    ワむナリヌのテラスで、グラスを傟けた。

    冷涌な颚が気持ちよかった。
    ANAラりンゞで汗ずペダレの息子を
    䞞掗いしおいたこずが、遠い昔のようだ。

    息子は倫の隣でぶどうゞュヌスを飲んでいた。
    私はぶどう畑ず服の色がかぶっおいた。

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    ワむナリヌに擬態しおしたう

    保育園のお迎えから始たっお、トむレの暗号、
    ペセミテの絶景、そしおナパのワむナリヌぞ。
    あの倏の旅行は、思い出しおもいい旅だった。

    あれから長い幎月が経぀が、
    いただに私のスマホに届く
    アむスクリヌムミュヌゞアムず
    ペセミテ囜立公園からのダむレクトメヌルが、
    この旅を忘れさせない。

    完

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