
#03 天然石の景色
どうしようもなく、心が動く時がある。
私の場合、それは物の向こうに景色が見えたときだ。
どういうことかというと、例えば私が持っている天然石たち。

このフローライトのスフィアは、見た瞬間に「目が合った!」と感じた。
石だから目なんてないのに(笑)
けれど私には、龍の目のように見えたのだ。だから今でも、この子にはどこかに対になるもう一つの目があるような気がしている。
探しているわけではないけれど、もしある日ふと出会ってしまったら。
その時、この龍の目が揃うのだと思うと少しわくわくする。

そしてこちらのエッグ型のラピスラズリ。
深い青の中を、金色の光がぐるぐると渦を巻いている。
初めて見た時、私は思った。
「あ、宇宙だ」
と。
普段、部屋の片隅に飾られている宇宙をたまに手に取って持ち歩く。
持ち歩ける宇宙。
龍の目がいたり。
宇宙が広がっていたり。
ただの石と言われたら、それまでなのだけれど。
私には、そんな景色が見えることがある。だから天然石が好きなのかもしれない。
石を集めているつもりだったけれど。
本当は、その向こうにある景色を集めているのかもしれない。