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「老後に田舎暮らしなんてありえない!」と豪語していた私が、いま妙高にいる理由。☆Vol.118

先日、なんとなくYouTubeを流し見していたときのこと。

私と同年代の方が、地方へ移住して暮らしている動画がふと目に留まりました。

雨水をためて生活用水に使う工夫をされていたり、ご自身の畑で採れたての野菜を幸せそうに料理されていたり。画面越しにも、一日一日をとても丁寧に暮らされている様子が伝わってきます。

しかも一人や二人ではなく、おすすめ欄に次々とそんな暮らしを発信する動画が流れてくるのです。

それを見ながら、ふと過去の自分を思い出して可笑しくなりました。


「老後こそ便利な都会が一番」と豪語していた現役時代


私が生まれ育った大阪の街は、駅を出ればアーケード続きの商店街があり、少し歩けばコンビニもスーパーも何軒もある、本当に便利な場所。

だからこそ、現役バリバリで働いていた若い頃は、こう豪語していました。

「老後こそ、病院にも簡単に通えない田舎暮らしなんて絶対にありえない!」

そんな風に鼻息荒く言っていた自分が、まさか今、こうして山あいの妙高で暮らしているなんて。人生とは本当にわからないものです。


76歳の夫と選んだ、「残された時間」を愛おしむ暮らし


宿の事業を始めるなんて話が具体化したのは、ほんの1年半ほど前のこと。

でも、そのビジネスの話が持ち上がる前から、都会の便利さを満喫して精力的に走り回りつつも、心のどこかで「いつかは移住するのかな」と、ぼんやり思い描くようになっていました。

そのきっかけを辿ると、今の夫と再婚した頃に行き着くのかもしれません。
お互い50代と60代。いわゆる「シニア再婚」でした。

若い頃の「これから何十年も続く結婚生活」とは違って、ふたりに残された健康で元気な時間は、どうしても限られています。

ひと足早くリタイアしていた夫は、大阪でまだ現役として走り回っていた私を、いつも献身的に支えてくれていました。

そんな夫も、今は76歳。

「ふたり揃って元気でいられる時間は、思っている以上に限られているかもしれない。それなら、残された時間を一日でも長く、ふたりでゆっくり、精いっぱい謳歌したい」

そう思い始めたこと。そして何より、夫がこの妙高の地を心から気に入ってくれたこと。

それが、私の中で移住へと向かう一番の原動力だったのだと思います。

昨日、YouTubeを見ながら夫に話してみました。

「若い頃は、歳を取るほど便利な都会に住むのが一番と思ってたけど……思いのほか、シニアで田舎暮らしを選んでる人がたくさんいて意外だった」

すると夫も、

「そういえばこの前、80代か90代くらいのおばあちゃんが、田舎の山道を4WDでバリバリ運転してるという記事を見かけた」と笑っていました。

都会の便利さとは違う、タフでしなやかな生き方が、ここには当たり前にあるのかもしれません。

そう言えば昔、亡くなった父も晩年に、

「妙高に引っ越したいなぁ」と何度も口にしていました。

生前の父が叶えられなかったあの夢を、今、私が代わりに生きているのかな……なんて、不思議な巡り合わせを感じることもあります。


大阪に戻っても3日で恋しくなる、山の空気


移住した当初、事情をよく知らない友人からは、

「山荘の仕事があるから、仕方なく移住したん? 田舎暮らしなんて大丈夫?」

と本気で心配されて、びっくりしたことがありました。

でも、今の私の実感は正反対です。

たまに用事で大阪へ戻っても、3日もすると「あぁ、早く妙高に帰りたい〜」とソワソワしてしまうほど、ここの空気感が身体にしっかり染みついています。

この記事を書きながらも耳を澄ますと、大阪ではあまり聴くことのなかった秋の虫の声が心地よく響いています。

朝、窓をパッと開けた瞬間に胸いっぱいに広がる澄んだ空気。

ふと顔を上げれば、息を呑むほど美しい山並みを眺めながらの台所仕事。

先日、台所から見上げた朝の空があまりにも神秘的な茜色に染まり、思わず息を呑みました。


都会にいた頃は、こんな風に空の色や風の匂いに足を止める余裕すら、なかったかもしれません。

またこれからの季節は、玄関を一歩出れば木々が少しずつ色づき、やがて色鮮やかな落ち葉の絨毯が足元を彩ります。

日々刻々と山の色が変わっていく季節を、今、夫とふたりで「紅葉、もうすぐやね」と心から楽しみに待っています。

不便さを補ってあまりあるほどの豊かな光景に包まれながら、心にしみる毎日を送っています。

「ありえない」と思っていたあの頃の私へ。

今の暮らし、想像していたよりずっと幸せやで💓、と伝えてあげたいです。

玄関を出ると広がる落ち葉の道。間もなくやってくる紅葉の季節が待ち遠しいです。

Once believing that city convenience was best for senior life, I now find true peace living in the mountains of Myoko with my 76-year-old husband. Looking out at the morning sky and waiting for the vibrant autumn colors, every quiet moment together feels precious.

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