水色の向こう【みんなのことば帖2】財布野紐ゆるみ2026年5月4日 12:09ぽつりと冷たい雨が落ちる。ふいに息子の顔が、水色で隠れた。「ぼく、レインコートがあるから。」長靴が水たまりを踏む音が止まる。差し出された柄の位置は、思ったより高い。受け取ると一瞬遅れて、向こうでフードの影が揺れた。ついこの間まで、水たまりを跳ねて困らせていたのに。息子の好きな色の向こうで、もう一度、ぱしゃんと音が戻る。私の傘は、しまったままで。指先に残る温度が、雨音の中で遠くなる。※以下の企画に参加させていただきました。 #成長#掌編小説#雨#距離#みんなのことば帖2#成長#掌編小説#雨#距離#みんなのことば帖2