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実山椒の思い出

    雨の日、仕事で板橋区に行った
    帰り道に駅を探してふらふら歩いていると
    仲宿の商店街に迷い込んでいた

    そのままふらふら進んでいくと、
    このご時世、稀に見るお安い野菜がずらりと並んでいる
    ほうれん草が68円、じゃがいもや玉葱はいっぱい入って100円
    元気そうなサニーレタスも100円

    なんと有難いこと
    ここに住んでたら毎日健康だなあ
    などと思いながら、
    店内を物色。

    一通り見て満足したのでレジに向かうと、
    すぐ横の冷蔵庫に実山椒が置いてあった
    これは398円。
    安いのか高いのかは分からないけど
    茹でて冷凍すれば何とかなるかと思って
    とりあえず買ってみた


    家に帰り検索してみると、
    実山椒の旬は5月下旬〜6月中旬。
    年中見るから気が付かなかったけど、
    意外と短いのね


    そして わたしは今から、
    この枝と実を分離しないといけないらしい


    やることが沢山溜まっているのに
    何をしているんだ と
    焦燥感に駆られる

    が、すぐに没頭し、無の境地へ
    現実逃避とも言える


    ひたすら実を指の腹で摘みながら、
    ぷちぷちとむしっていく

    ふと気がつくと、さっきまでニュースを流していたスマホアプリから 自動再生でドラマが始まった様子

    小池栄子と温水洋一の声がする

    何の話をしているかは分からないけど、
    正義感の強い はっきりした物言いと、へなっとした掛け合いがちょうど良い
    昔も共演しているドラマを観たことがあるような、ないような
    この2人、キャスティングしたくなるよな


    茹でる前の青い実山椒を眺めていると
    昔王将でバイトしていた時の常連さんをもわもわと思い出す
    3〜4人のおじさん達

    平日の14時くらい、のんびりした時間帯
    山で採った実山椒を入れたビニール袋を下げてやって来る


    彼等も同様にぷちぷちと実山椒を外し、
    麻婆豆腐に入れていた


    当時から実山椒が好きだったわたしは
    袋の中の 新鮮な実山椒に興味津々だった
    本当は少し分けて欲しかったけど、
    知らないおじさん達だから流石に我慢した


    あれは美味しそうだったし、
    その一日の、一連の流れが羨ましかった


    概ね枝がなくなったので、

    5〜8分程この実を茹でてから
    1時間ほど水に晒してアクを取る

    おや、

    そう言えば 彼等は実山椒を生のまま食べていたのかな
    実山椒と同じくらいの小さな疑問が生じるも、
    今更聞ける訳がないのでとりあえず塩漬けにする


    とは言え、なんと言っても今は旬
    この時期に行けば また彼等とお店で会えるかもしれない

    気がつけばあれから6年以上経っている
    最近は、足腰や胃腸の調子いかがですか
    散策してから王将へ行くコース、
    まだやってますか

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    無心
    細い枝は少しくらい残っていても大丈夫らしい



     
     
    ちょっと長めの文章をぼそぼそと。 ケケケ、は、ご機嫌のおそろい

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