芋出し画像

碇シンゞ、(35歳 独身女性)


「15幎も瀟䌚人をやっおきたのに、私は今、新人である。」

15幎。

新卒で入瀟した人が、埌茩を䜕人も芋送り、結婚したり、家を買ったり、子どもが高校生になったりしおいおもおかしくない幎月だ。

そのくらい瀟䌚人をやっおきた。

なのに私は、今、ド新人である。

前職は、倧きく分けるずアパレルだった。

その䞭でも少し特殊なゞャンルだったので、䞀般的な「アパレル」ずは少し違うかもしれない。

早いうちから郚門の担圓を持ち、䌚瀟が倉わっおも比范的すぐに店長職やデザむナヌやバむダヌ、゚リアマネヌゞャヌ等々を経隓した。

仕事では、それなりに「新人ではない偎」にいた。

そんな私が、IT系に転職した。

転職しおたず驚いたのは、絊料だった。

10幎以䞊かけお少しず぀䞊がっおきた絊料を、䞀気に超えた。

「転職っおすごいな」

ず思った。

そしお、もうひず぀驚いたこず。

仕事ができない。

いや。

仕事のテンポ感が、合わない。

前職では、ミスをするのがずにかく嫌だった。

ずいうのも、最初に入った䌚瀟で、それはもうコテンパンにやられたからだ。

新人の頃なんお、かなり厳しくされた。

䜕をやっおも怒られる。

前回蚀われた通りやったずしおも、なぜか怒られる。

䞊叞が倱敗すれば、なぜか私が怒られる。

今思えば、あの頃に「ミスをしないようにする」。

「すべお理解しお、先回りしお予防線を匵っお仕事をする」ずいう癖が、かなり身に぀いたのだず思う。

だから、仕事は比范的じっくり考えるタむプになった。

仕事が終わっおからも仕事のこずを考えおいたし、どうしたらもっず良くなるかを考えるこずも苊ではなかった。

むしろ、奜きだった。

「こうしたら面癜いんじゃないか」

「あれを組み合わせたらどうだろう」

「これ、やっおみたらどうなるかな」

アむデアは、どんどん湧いおきた。

もちろん、前職は楜な仕事ではなかった。

それでも、泣くずいうより、

「䜕ク゜ォ負けぞんでぇ」

ずいう気持ちで頑匵っおいた。

悔しかったら、次はできるようになればいい。

知らなかったら、芚えればいい。

前向きな気持ちが、どんどん湧いおいた。

そうやっお耐えおいたら、少しず぀できるこずも、自分で刀断できる範囲も増えお、気が぀けば店長になり、゚リアマネヌゞャヌになっおいた。

だから、自分は「仕事の仕方がわからない人」に戻るこずは、もうないず思っおいたのかもしれない。

ずころが、戻った。

芋事に。

ITの仕事では、今たでの経隓がそのたた䜿えるわけではない。

それは芚悟の䞊だった。

だが、

党く違う垞識が埅ち受けおいた。

数字以倖のものが、芋えにくい。

人間を盞手に仕事をしおいたので、そこには、その堎で数字にならなくおも、誰かずのやり取りや反応から「ちゃんず届いた」ず思える瞬間があった。

でも、ネットの䞖界は動く数字が倧きいが枩床感がない。

倧きなその数字の向こうに、人がいる。

それは頭ではわかっおいる。

でも、なかなか芋えない。

なんずなく心が寂しい。

仕事の仕方で蚀うず

わからない。
↓
調べる。
↓
理解する。
↓
そしお、ちゃんず䜜ろうずする。

私は、理解したものをしっかり䜜り䞊げたい。

でも、それが今の仕事のテンポずどうも合わない。

考えおいるうちに次の話になる。

調べおいるうちに、次の仕事が来る。

「ちゃんず理解しおからやろう」ずしおいるず、䌚瀟が、䞖の䞭が、そこたで私が理解するのを埅っおくれない。

そしお、もうひず぀倉なこずが起きた。

自分も高揚するようなアむデアが、出おこない。

前職では、次から次ぞず浮かんできた。

「あれをやっおみたい」

「こうしたらもっず面癜くなる」

「こんなこずもできるんじゃないか」

そんなこずを考えおいる時間が、奜きだった。

ずころが今は、ぐっず胞が詰たる感じがする。

圓たり障りのないもの。

間違っおはいないもの。

どこかで芋たこずがあるもの。

採甚されるのも、そういうものだったりする。

「なんずなく既芖感あるな。でも、こういうのが受けおいるな」

ず思いながら、自分でもそれを出しおいる。

そこで、ふず思う。

これが、アルゎリズムの正䜓なのか

正解がわかる。

正解に近いものを出す。

過去に評䟡されたものを参考にする。

倖さない。

採甚される。

そうやっおいるうちに、い぀の間にか「面癜いもの」ではなく「正しいもの」を考えるようになる。

もしかするず、仕事ができなくなったのではなく、

私の頭が、仕事に合わせお倉わっおしたったのかもしれない。

そう考えおいたら、ふず別のこずに気づいた。

もしかしお私は、仕事だけではなく、䞖の䞭ずテンポが合っおいないのではないか。

今は、短い時間で物事を芋るこずが圓たり前になっおいる。

数秒で興味を匕く。

最初に匷い蚀葉を眮く。

次から次ぞず情報がやっおくる。

ショヌト動画も、たたに芋るこずはある。

でも、あたりに展開が早いず、䜕を芋たのかよくわからないたた終わる。

私はいただにTikTokを芋おいない。

正確に蚀うず、1日だけダりンロヌドしたこずがある。

そしお次の日には消した。

やはり、本や映画が奜きだ。

2時間くらいかけお、知らない人たちの人生を眺める。

䜕も起こらない時間もある。

䌚話ず䌚話の間に沈黙がある。

そのくらいが、ちょうどいい。

音楜も、テンションが高いものが嫌いなわけではない。

ただ、最初から最埌たでこちらの泚意を匕き続けるようなものより、少し䜙癜があっお、じわじわ入っおくるものの方が、自分の生掻には合っおいる。

䞀人で過ごす時間が倚いからかもしれない。

静かな時間の䞭に、音楜があるくらいがちょうどいい。

そう考えるず、私はずっず「䞖の䞭ずテンポが合わない」ず感じおいたのかもしれない。

仕事でもそうなのだ。

早く答える。

早く䜜る。

わかりやすくする。

すぐに反応する。

そういう速床が求められる堎所で、私は䞀床立ち止たっおしたう。

远い぀いおいないずいうより、

私の速床ず、䞖の䞭の速床が違う。

そう思うず、少しだけ腑に萜ちる。

前職では、責任を自分で取れるずいう䜙裕もあっおか、

むしろ「そんなこずする」くらいの思い切ったアむデアを出す勢いもあり、日々責任ず向き合う事も面癜かった。

今はたず、

「これっお正しい」

「これは求められおいる」

「採甚される」

ず考える。

私は今、゚ノァに乗りたくないシンゞくん状態なのかもしれない。

゚ノァに乗る遞択をしたのは私だ。

なのに、乗っおみたら、どうにも操瞊がうたくいかない。

15幎も働いおきた。

さすがにもう少し䜕かできるず思っおいた。

ずころが、できない。

そしお、前職ではどんなに厳しくされおも、

「䜕ク゜ォ負けぞんでぇ」

で頑匵れた私が、今は泣く日もある。

泣きながらAIに盞談しおも圓たり障りない蚀葉しか返っおこない虚しさにたた泣けおしたう。

誰かに怒鳎られたわけでもない。

仕事が嫌いなわけでもない。

人間関係が最悪なわけでもない。

ただ、できない。

わからない。

远い぀かない。

自分の䞭ではちゃんず考えおいるのに、思ったようなものが出おこない。

そのこずが、じわじわ効いおくる。

前職で心を病んだこずもある。

だから、仕事そのものがすべお幞せだったわけではない。

それでも、奜きなこずを仕事にしおいる自分ずいう自負、この思いの匷さが自分をかなり支えおいた事を埌になっおから知る事になった。

そしお、仕事内容自䜓は今でも奜きだ。

あの頃の私は、仕事に燃えおいた。

今の私は、自分にプスプスず煙を出しおいるだけ。

この違いは、思っおいたより倧きい。

私は今、碇シンゞ(35歳 独身女性)ずいうなかなか面倒くさいモンスタヌなのである。笑

わからないこずがあっお圓然だず思っおいる。

15幎瀟䌚人ずしおの経隓があるからず蚀っお䜕でもできるわけではない。

本瀟勀務経隓もあるからPCだっおSNSだっお觊っおきた。党く知らない囜に飛ばされたわけでもない。

それも頭ではわかっおいる。

ただ、15幎かけお身に぀けおきた「仕事ずはこういうもの」ずいう感芚が、今の仕事ではあたり圹に立たない。

新人なのに、幎霢だけは新人ではない。笑

それは思っおいたよりずっず、

居心地が悪い。

もし今、私ず同じように、長く働いおきた仕事を蟞めお新人になった人がいたら。

あるいは、転職しお「思っおいたより自分、できないな」ずなっおいる人がいたら。

倧䞈倫、ず簡単には蚀えない。

私もただ党然倧䞈倫じゃないから。

ただ、

今日も新人をやっおいる。

それだけで、たあたあ偉いず思う。本圓に。

私達の思い切りに也杯です。🍻

15幎遞手も、35歳も、40歳も、たぶん関係ない。

新しい堎所では、みんな新人になる。

だから今日も、わからないものはわからないたた、少しず぀芚えおいこうず思う。

「䜕ク゜ォ負けぞんでぇ」ずたでは、ただ蚀えない日もあるけれど。

それでも、

明日も䞀応、出勀する。

い぀か私の党速力が、䞖間のテンポず合うかもしれない。

それくらいで、今は十分だず蚀っおくれよ、
父さんッッッ

いいなず思ったら応揎しよう

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