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実家に垰れる日を、指折り数えお䞉千里

     先日、久しぶりに実家ぞ垰省した。母ず父は、頭のおっぺんから぀た先たでギュッず絞ったように、少し前に芋た時より䞀回り小さくなっおいた。肌のハリも衰え、癜髪やシミも増えた。

     それでも私からすれば、父ず母を芋るたびに「若い頃のかっこよくお矎しい䞡芪」が思い浮かぶ。父も母も、私を芋るなり「あの頃」ず同じように話しかける。

     私たちは、姿こそお互いに老いおはいるけれど。嫁に出たあの時から、時間はずっず止たっおいるのかもしれない。

    ◇

     母は、私が家に着くなり「䞍芁な服を凊分しお欲しい」ず䌝えた。

     母によるず、人のものを勝手に凊分するのは難しいので、私がいるうちに凊分しお欲しいずのこず。

     クロヌれットを開ければ、婚掻時代に来おいたコンサバ系のワンピヌス、camcam時代の蛯原友里さんを意識したスカヌトなどなど。男目線を意識した服たちが溢れかえっおいる。

     ハンガヌにかかったひらひらの服を芋るなり、ふぅず溜め息を぀く。い぀からだろう。呚りの目よりも、汚れが気にならない服を遞ぶようになったのは。

    「ずきめきがなくなったら、捚おたしょう」

     お掃陀界のカリスマ「こんたりさん」が、か぀お発したセリフが頭をよぎる。

    䜓の反応を感じお、ずきめくモノは残し、ずきめかないモノは手攟す。

    こんたりさんオフィシャルサむトより匕甚

     婚掻しおいた頃は、いかに「男性の目を惹くか」を重芁芖しお服を遞んでいた。

     本呜芖されたいなら、肌の露出は控える。䜓のラむンがわかる服を着お「现さ」を匷調する䞀方、䞋っ腹がぜっこりしおいるので、トップスはふわっずしたものを遞んで䜓型のアラを隠す。

     トップスには、顔が明るく芋えるホワむト、明るいベヌゞュ、ベビヌピンク、コヌラルピンクをチョむス。

     あの頃きおいた服は、本圓に私のお気に入りだったのだろうか。䞀床でも、服を芋おずきめいたこずはあっただろうか。今思えば、ずっず他者目線でモノを遞んでいた気がする。

     誰かに奜かれたくお。そしお、嫌われたくなくお。ずっず、綺麗めOL✖コンサバを意識した服を身に纏っおいた。

     色々頑匵っおいたあの頃ず比べお、今は気楜だ。服を遞ぶ基準が「モテたい」「スタむル良く芋せたい」から、「掗濯できる」「䌞びる数幎着れる」に倉わった。頑匵っおいたあの頃より気たたになり、肩に力も入らなくなる。

    今の基準で服を凊分するず、ほが割がゎミだった。昔は䟡倀があったものも、時ず共に無䟡倀ずなる。圢あるものの悲しい定めだなぁ。

     その䞀方で、20歳の頃に賌入した゚ルメスの時蚈や、少しず぀収集したゞュ゚リヌは今も珟圹。歳を重ねるたびに、消耗品より「長く䜿えるもの」を遞がうず考えるようにもなった。

     私があたりにも昔の服をポむポむ捚おるので、母も嬉しそう。「空いた所に、今床は䜕を入れようかしら」ず、母は意気揚々ずしおいた。こんなこずなら、もっず早くに自分のモノを凊分しおおくべきだったのかも。

    ◇

     定期的に実家ぞ顔を出すのは、孫(私の嚘)に䌚わせるこずも理由のひず぀。母は孫の顔を芋るなり、ずおも嬉しそう。

    「次に来るのは、○○ちゃん(私の嚘)が䞭孊校になっおからでいいからね」

     孫の姿を芋せるず、母は決たっお皮肉めいたこずを蚀う。けれど、頬は終始緩みっぱなし。本圓は嬉しいのに、玠盎にその蚀葉を䌝えられないのだ。

    「○○ちゃんの顔、ばぁばが描いおあげるね」

     そう蚀っお、母は慣れた手぀きで嚘の䌌顔絵を描き始める。

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    嚘らしい

     母の描いた嚘は、䞭幎女性のような颚貌だった。眉毛は凛々しすぎるし、目が死んでいる。嚘の頬は確かにふっくらしおるけど、こんなに「おおもやん」みたいではない。

     嚘の髪はおかっぱなのに、なぜか少し長いし。もちろん、党く䌌おない。

     嚘はむラストを芋お呆然ずしおいる。きっず、䌌顔絵を芋お「䞀䜓、誰の顔なの」ず思っおいるのかも。

     誰も「䌌おいる」ずも蚀っおいないし、そもそも「絵が䞊手いね」ず、耒めおすらいない。にも関わらず、なぜか気をよくした母は、「今床は、あんたの顔を描いおあげる」ず蚀っお、私の顔を描き始めた。

     誰も「次も描いお」ず蚀っおいないのに、なぜ次ぞ挑戊できるのか。圌女の思考回路がわからないけれど、こういう人が案倖成功を勝ち取っおいけるのかも。母はおそらく、他者目線ではなく「自分がやりたいかどうか」を基準にしお生きおいるのだ。

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    䌌おるかも

     分厚い唇。長い銖。スッずした錻ず冷めた目぀き。ボサボサの髪。さすが長幎芋おいるだけあっお、こちらは特城を少し捉えおいる。嚘のむラストより、少しこちらの方が若そうにも芋える。

     「こっちは䌌おるかも」

     そう蚀っお耒めるず、母は意気揚々ずした衚情で倫の顔も描き始めた。もはや、巻き添え事故である。

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    おばさんやないか

     倫は今、パヌマを圓おおいる。パヌマの雰囲気を出したくお「クルクルヘアヌ」を描いたらしいが、どう芋おも40〜60代の女性である。どちらかず蚀うず、うちの母に䌌おるかも。

     そんなこんなで、1泊2日の「実家お泊たりツアヌ」は、あっずいう間に幕を閉じた。実家に戻っお感じたのは、思っおいた以䞊に自分の荷物が倚かったずいうこず。

     もし今埌、実家じたいをするこずがあれば、私の荷物が倚いず困るこずだろう。芪を困らせないためにも、実家にある「䞍芁な荷物」は、片付けられるうちに凊分しおおこうず思った。

     それにしおも、実家はそう近くにないので、戻れるのもあず䜕回だろうか。父や母が元気なうちに、なるべく時間を芋おは孫を連れお家に戻れたらいいなず思う。

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    愛知県圚䜏゚ンタメ雑食系ラむタヌ/䜜家 むンプレス NextPublishing 『曞く人生のはじめかた 文章力より倧切な“曞き続ける”ための心構え』 執筆媒䜓 リアルサりンド他 受賞歎 クズ男゚ッセむコンテスト倧賞  創䜜倧賞2025 小説2䜜品 䞭間遞考突砎

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