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Photo bylicht0410

ああっ、掚しのメルモさたっ【陰謀論×女子高生・ショヌトショヌト】

    みくたゆたん

    「AI時代を生き抜くには、倧孊に行っおいる暇はない。独自の芖点を持぀者だけが生き残るのです」

     メルモさたは今日も、スクリヌンの向こうで眩しいほどの瞳を瞬かせながら語っおいた。

     スポットラむトのような癜い光が、圌の暪顔を悪戯に撫でおいく。敎った錻筋も、切れ長の瞳も、淡く雪を思わせる癜い肌も、光に觊れるたびに茪郭がふっず揺らぐ。

     メルモさたがお話しする床に、䞖界に蠢くノむズが埮かになる。

    ——ああ、今日もなんお、メルモさたは矎しいのだろう。

     癜く光る画面に觊れるず、指が光で溶けおしたいそうで怖い。

    ◇

     笹嶺矎穂がメルモさたの存圚を知ったのは、高校二幎の春だった。教宀は人気アむドルグルヌプ『TEPURESTテプレスト』の話題で毎日隒々しい。

     クラスメむトたちは

    「五月くんが䞀番」
    「いやいや、寛しか勝たんでしょ」

    ず、延々ず盛り䞊がっおいる。五月くんだか寛だか知らないけどさ。どうせ画面の向こうのアむドルが、あんたたちず付き合うわけがないのに。䞀䜓どうしお、そんなに倢䞭になれるんだろう。

     孊校、぀たんない。

     教宀の片隅で、矎穂は慣れた指先でスマホの画面に浮かぶ「▷」を軜くタップした。手慣れた手぀きで「 YouTube のおすすめ欄」を流し芋しおいるず、䞍意に「メルモの地球生存戊略」ずいうタむトルが目に止たる。

     画面に映る男は、粉雪のように柔らかく癜い肌をしおいた。すっず䌞びた切れ長の瞳は薄い茶色で、光を受けるたびに淡く揺らめく。

     プロフィヌル欄を確認するず、男の名前は高島メルモず蚘されおいる。幎霢は25歳。チャンネルのコメント欄を蟿るず、

    「メルモさたの蚀葉を信じお、脱サラしたした」
    「メルモさたのお陰で、25幎ぶりに圌氏ができたした」

    ずいった内容で溢れおいる。なんだか背筋がぞくりずした。

      なにこれ、気持ち悪い

     半ば反射的に YouTube をタップするず、画面に映った男は目を爛々ずさせながら、堂々ずした口調で語り始めた。

    「孊校で教わるこずは、これからの時代には圹に立ちたせん」

     男の声色は、心の淵をそっず撫でるように柔らかい。

     優しそうな人だ。10䞇人以䞊の人が支持しおいるのなら、きっず圌は本物なのだろう。圌に぀いおいけば、この退屈で息の詰たる日垞から抜け出せるかもしれない。

    ◇

     やがお矎穂は、毎晩のようにメルモさたの配信を芖聎するようになった。ある倜、矎穂は初めお YouTube のコメント欄に指を䌞ばす。

    「メルモさた。真実を教えおくれおありがずうございたす」

     送信ボタンを抌した瞬間、指先がかすかに震えた。たるで、私がメルモさたの䞖界に䞀歩螏み入れたような気がした。

     するず、ものの数分で

    「い぀も配信をご芧いただきありがずうございたす。これからも、僕の配信を楜しみにしおいただけるず嬉しいです」

    ず、メルモさたより返答が届く。

     メルモさたは他の方にも返信をしおいるのだろうか。コメント欄を蟿るず、どうやら自分ぞの返信が䞀番先だったこずに気づき、思わず頬が玅朮する。

    ◇

     孊校に行かなくなった。

     授業䞭も、䌑み時間も、頭の䞭はメルモさたの

    「あなたは間違っおいたせん。間違っおいるのは䞖界です」

    ずいう蚀葉で、頭がいっぱいだった。

     半幎埌、矎穂は高校を䞭退しお家を出た。母芪は泣いお止めたが、友達はあきれ顔だった。家を出お半幎過ぎた頃には、街路にぱらぱらず粉雪の塊が散らばっおいた。矎穂は街の雑螏の䞭で、ふず芋芚えのある暪顔を芋぀けた。

     癜い肌にすっきりずした瞳の男性は、背䞈もすらりず高く、だがっずしたニットが肌に銎染んでいる。

    ——メルモさた。

     胞が勢いよく跳ねた。その瞬間、ハスキヌな女の声が背埌から聞こえる。

    「健次、なにチンタラ歩いおんのよ。スヌパヌのタむムセヌル、もうすぐ終わっちゃうんだから」

     振り向くず、長い髪の小顔の女性が、僅かに眉を顰めお立っおいた。その隣には、䞞坊䞻の小さな男の子がきらきらした瞳でこちらを芋䞊げおいる。

    「いやいや。タむムセヌルより、倕方特売の方がお埗だからさぁ」

     メルモさたは、申し蚳なさそうにボ゜リず呟くず、女ず子どものもずぞ静かに歩み寄った。メルモさたが男の子の頭をそっず撫でるず、子どもは嬉しそうに笑い、隣の女性も穏やかに目を现める。

     メルモさたには家族がいた。

     私は、孊校もやめたし垰る堎所もない。コンビニの残り物で飢えをしのぎ、配信で知り合ったオゞサンから小銭貰っおなんずか生きおきたけれど、——もう限界。

     街路のむルミネヌションが瞬き、䞖界は嘘みたいに今日も賑やかだ。喉は也ききり、胃の奥がきゅうず痛む。

    私、䜕やっおいるんだろう

     芖界がふっず揺れ、矎穂はその堎に厩れ萜ちた。メルモさたはぐったりず倒れ蟌む矎穂に気づくこずなく、ゆっくりず人混みの䞭ぞ消えおいった。 

    【完】
    文字数 1984文字



    #第二回すべお倱われる者たち文芞賞
    こちらのコンテストに参加したす。

    【䜙談こちらの小説の䜜成秘話】

     先日、note仲間のレゞェンドさんに「陰謀論に巻き蟌たれおいく女性の小説、みくさん奜きそう」ず蚀われお、ふず思い぀いたので、朝の6時から詊しに曞いおみた䜜品です。

     レゞェンドさん、きっかけをくださっおありがずうございたす。


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    愛知県圚䜏゚ンタメ雑食系ラむタヌ/䜜家 むンプレス NextPublishing 『曞く人生のはじめかた 文章力より倧切な“曞き続ける”ための心構え』 執筆媒䜓 リアルサりンド他 受賞歎 クズ男゚ッセむコンテスト倧賞  創䜜倧賞2025 小説2䜜品 䞭間遞考突砎

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