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響造 第18回 「幻の囜」

    祈りの唄

    祈りの儀匏は、シ゚ルが倒れたこずで䞭断が続いおいた。党員が地面に座り蟌み、氎分を採りながら気力ず䜓力を回埩させおいた。

    ドヌヌン

    突然倧きな音が鳎り、揺れを倱った静かな堎に、異倉が蚪れた。
    みんなは、慌おお呚囲を芋枡した。

    草朚がカタカタず音を立お、小刻みに揺れる。
    トンボや蝶が乱れるように飛び回り、
    バッタが、ぎょんぎょん飛び跳ねる。
    黒い鳥が空ぞず舞った。

    「これは」

    「儀匏は䞭断しおいるのに、䜕事じゃ」

    揺れが治たる気配はなかった。
    シ゚ルずリヌれロッテが、目を閉じ、耳を柄たせた。

    「唄よ」

    「みんなの唄が聎こえる」

    長老たちも、はっずしお耳を柄たせた。
    遠くから、島民たちの歌声が聎こえおくる。

    「皆も祈っおくれおいるのか」

    「そうじゃな。そうじゃな」

    最長老の目に涙が溢れた。
    党員、立ち䞊がった。

    「我々も唄を」

    「ルミシアの唄を」

    長老たちは、癜い垃の䞊に暪䞀列に䞊んだ。
    シ゚ルずリヌれロッテはむリシアの幹の前に。
    二人は芋぀め合い、埮笑んだ。
    そしお、手を繋ぎ、真っ盎ぐに前を向いた。

    ルミシアの唄が響き枡る。

    

    アレオンずサむモンは枯に蟿り着いた。
    ハアハアず息が䞊がっおいる。

    サむモンは蟺りを芋枡した。
    そこには、誰もいなかった。
    みんなず䞀緒に乗るはずだった、船も。

    アレオンは、乗っおきた小型船ぞず走った。
    甲板に飛び移り、手を差し出す。

    「さあ、こっちぞ」

    サむモンは船を前にしお立ち止たる。
    䞋を向き、なかなか手を䌞ばせない。
    アレオンが再び声をかけた。

    「サむモン、䞀緒に行こう」

    サむモンは顔を䞊げた。
    二人の目が合った。
    サむモンは、手を䌞ばした。

    小型船が枯を離れた。

    

    街の広堎の時蚈台。
    時蚈の長針ず短針が、瞊真っ盎ぐに䞊んだ。

    草原の小川に倧きな波が立ち、
    川の魚が䞋流を目指しお、急いでいる。

    図曞通が揺れ、曞棚の本がバサバサず床に萜ちおいく。

    孊校の窓が、ギシギシず音を立おお揺れる。

    チヌズパンの棚が揺れ、トングが萜ちた。

    䌚議堎。
    壁際の扇颚機が、激しく揺れお、床に萜ちた。
    電源スむッチの赀いランプが消えた。

    

    アレオンずサむモンの乗る小型船は、ルミシアを離れ、沖合に止たった。
    波は高く、颚も匷い。
    それでも、二人は急いで甲板に出お、ルミシアを芋぀めた。


    ルミシアは、揺れおいた。


    サむモンは泣きそうな顔をしお、隣に立぀アレオンを芋た。

    「どうなっおるの」

    アレオンは、遠くを芋぀めたたた静かに答えた。

    「分からない。だけど、聎こえる」

    アレオンは芖線をサむモンに移した。
    その目をたっすぐに芋぀め、静かに、けれど確かな声で告げた。

    「むリシアの歌声が」

    サむモンはルミシアをたっすぐに芋た。

    「ほんずだ。むリシアが、唄っおる」


     眠る星の 森の䞭
     朚の葉ず螊る 倢をみお
     月の光が 倪陜を照らす

     海の波 空の雲
     光に包たれ こころに流れる

     枯れる花は ぀ぎの実を
     招いお 隠れお 䞍思議を護る


    歌声が消えた。


    むリシアの根元から、癜く眩しい光が溢れ出しおきた。

    その光は根から幹ぞ、幹から枝ぞ、流れるように広がっおいく。

    光はどんどん倧きくなり、むリシアが癜く光り茝いた。

    むリシアの光は、さらに匷さを増しおいく。

    癜く倧きな玉のような光が、ルミシアを包みこんだ。



    眩しくお目を開けおいられなかった。
    サむモンずアレオンは目を閉じた。


    

    どれくらいの時が経ったのか。

    二人はゆっくりず目を開けた。

    眩しい光は跡圢もなく消え去り、倜の海が広がっおいた。


    颚は止み、波は穏やか。

    空には、星が瞬き、

    満月が、癜く茝く。


    ルミシアは、消えおいた。



    幻の囜

    ルミシアが消えた。
    アレオンずサむモンは、蚀葉をなくし、甲板で二人䞊んで立ち尜くしおいた。

    遠くに船らしき灯りが芋えた。
    灯りは埐々に小さくなり、芋えなくなった。

    入れ替わるように、数隻の船が珟れた。
    ゜ルメカの艊隊だった。

    「船を出そう」

    アレオンは静かにそう蚀っお、操舵宀に向かった。
    サむモンも埌に続いた。

    

    ゜ルメカ政府は、ルミシアが存圚した海域をくたなく調査した。しかし、ルミシアの痕跡は䜕ひず぀確認できなかった。

    埌にルミシアは、『幻の囜』ず呌ばれるこずずなる。


    

    操舵宀の䞭。
    アレオンは、前だけを芋据えお操瞊桿を握っおいた。その隣でサむモンは、あの本をしっかりず握っおいた。


    ゞゞ ゞゞゞ

    埮かに、ノむズのような音がした。


    サむモンは、きょろきょろず呚囲を芋回す。
    アレオンは倉わらず黙っお前を向き、操瞊桿を握っおいる。


    声が聎こえた。

    ――゜ルメカ垝囜到着予定、五日埌。速床を䞊げたす。




    ルミシア倧陞線 完


     
     

    mikitonoel

     
     
    mikitonoelみきずのえるは、ひずりの人間が、AIずの察話をきっかけに物語を玡ぐプロゞェクトです。 日垞にひそむ小さな気づきや、やさしい違和感をそっずすくい䞊げ、物語や゚ッセむずしお衚珟しおいたす。 MiLuna.名矩でInstagramに空を䞭心の写真投皿しおいたす。

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