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自分があって、家族がある

    先日、次女に言われました。

    「ママ、弟には全然怒らないよね。

    私たちは、すごく怒られて育ったのに。」

    確かに、その通りでした。

    私は少し考えてから、

    「ママも、怒っても伝わらないことを学んだんだよ。

    もう若くないから、怒るパワーもなくなったしね。

    学ぶのが遅くて、ごめんね。」

    と伝えました。

    すると次女が笑いながら言いました。

    「おばあちゃんは、パワーあるよね。

    まだ怒ってるもん。」

    思わず笑ってしまいました。

    でも、その言葉がずっと心に残っています。

    私は精神科訪問看護を始めてから、たくさんの家族を見てきました。

    そして、自分の母の姿も見続けてきました。

    そこで一つ感じることがあります。

    家族だけが人生になってしまうと、とても苦しくなるということです。

    子どもが思い通りにならない。

    夫が理解してくれない。

    そんな時、自分の人生そのものが否定されたように感じてしまう。

    だから怒りが大きくなる。

    もちろん、私も若い頃はそうでした。

    子ども中心の毎日。

    自分のことはいつも後回し。

    母親とはそういうものだと思っていました。

    でも、それは少し危うさもあります。

    子どもの人生と、自分の人生の境界線が曖昧になってしまうからです。

    私は夫を見ていて学びました。

    夫は自由人です。

    でも最近、その意味が少し違って見えるようになりました。

    夫は、

    「自分があって、家族がある。」

    そんな人なのだと思います。

    私はずっと、

    「家族があって、自分がある。」

    そんな生き方をしてきました。

    だから、子どものことになると必死でした。

    でも50代になり、

    訪問看護を通してたくさんの人生に触れ、

    少しずつ考え方が変わりました。

    私には私の人生がある。

    だから、

    息子には息子の人生がある。

    娘には娘の人生がある。

    そう思えるようになったのです。

    子どもを信じて任せること。

    それは、子どもを放っておくことではありません。

    親にも自分の人生があるからこそ、

    子どもの人生も尊重できる。

    そんな距離感なのだと思います。

    私は今でも母親です。

    でも、母親である前に、一人の人間でもあります。

    これからは、自分の人生も大切にしながら、

    子どもたちがそれぞれの人生を歩いていく姿を、

    少し離れたところから応援できる母でいたいと思います。

     
     
    51歳。まだまだ人生実験中。 子ども4人、犬一匹。精神科訪問看護師。 不登校、里親、仕事、お金、旅。 思い通りにならない毎日から「普通ってなんだろう?」を考えて書いています。 やりたいと思ったら、とりあえず一歩。 人生、まだまだ何が起きるか分からない。

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