
優しさで包みたい
道を歩いていて、民家のドアに手製のリースが飾られているのを発見した。ドライフラワーで作られたベージュ色のリース。何かに似てるなって一寸考えて思い出した。キキのパンのリースだ。魔女の宅急便に出てくるパンのリース。オソノさんのご主人がキキのために焼いたパン。あれ、ものすごく優しい映画だったな、なんて思い返していたら涙が溢れてきた。疲れているのだ。最後に人にやさしくされたのはいつだっけ。最後に人に優しくしたのはいつだっけ。
優しいのと気を使えるのは違う。職場では気を遣ってる方だが、みんながスムーズに働けるように、そして自分がスムーズに働けるように計算しつくしている。それは優しいとはいえない。
先週、セックスした男は優しかったかと考えてみた。生ハムレモンパスタもご馳走してくれたけど、私とセックスをするための投資だったと思う。クンニは丁寧だった。でもあれは私のためのクンニではない。自分の欲望を満たすためのクンニだった。私もフェラチオをしたが、彼のためにしたわけではなかった。自分の欲望を満たすためのフェラチオだった。
昔は違った。気持ちよくなってほしくて優しさでフェラチオをしていた気がする。でも昔のことすぎて覚えていない。みんなは誰のためにフェラチオをするんだろう。みんなは誰のためにフェラチオをしていますか。みん誰ためフェラか。思わず省略をしてしまうが、略したところで答えはない。
優しさってなんだろう。誰かのためにフェラチオする機会はまたあるのか。考えてもわからない。そういえばユーミンが歌う主題歌のタイトルは「優しさに包まれたなら」だった。私も誰かを優しさで包みたい。でも私にできるのはせいぜい口内で亀頭を包むことくらいだ。
また魔女の宅急便を見たくなったが、ネトフリにはない。誰も私には優しくしてくれないのだ。