
バスツアーでめぐった秩父札所三十四観音霊場~手を合わせることは向き合うこと~
2023年に三峯神社へ行くバスツアーの道中、こんな会話が聞こえてきました。
「行こうと思ったときに行っておかないとね」
「来年はどうなるかわからないものね」
その言葉がずっと私の中に残っていました。
若い時は、「また今度」、「またいつか」と思えたことも、人生の折り返し地点を過ぎると、残り時間を気にするようになるのです。
まるで砂時計の砂が減っていくのを見ているような気持ちと言えばいいのでしょうか。
そこには「残り少ない」という焦りを感じるよりも、「残り時間が見えているからこそどう生きるか、何をするのか」を考えることが大事だと強く思うようになっていました。
① はじめに|なぜ秩父三十四観音まいりだったのか
冒頭に書いたことから、考えました。
通信制大学も卒業したことだし、低山の登山も何度か行ったのですが、体力の低下・限界をひしひしと感じて、無理なくできる体力づくりを兼ねた「何か目標になるもの」を見つけたいと思っていた時にふとネット検索で目に留まったのが秩父札所三十四観音霊場でした。
実は若い頃、秩父には母の同行で何度かお参りしていたのですが、当時は若さゆえなのか信仰心がないからなのか、良さが全くわからず、いつの間にか一緒に行かなくなってしまいました。
それでも心のどこかでかすかに覚えていて、いつか機会があったら再度きちんとめぐってみるのも良いのではないかなという気持ちもありました。
忙しい日々の中で、何かを決断しなければならないわけではないのに、気持ちだけが「行ってみよう」というベクトルに傾いていったのは、もしかしたら今思うと、後づけにはなりますが、日常を少し横に置いて立ち止まるような時間がほしかったのかもしれません。
ただ、全部歩いてまわるのも興味はあれど、体力的にも厳しいし、自力で行くにしても車は無理で、公共交通機関を乗り継いでいくのも大変そう…ということで、バスツアーを探しました。
②秩父三十四観音まいりとは
秩父三十四観音霊場は、埼玉県秩父地方に点在する三十四ヶ所の札所を巡る巡礼で、駅周辺や町中に溶け込むように点在するお寺もある一方で、かなり
山の中に行かないとたどり着かないお寺もあります。
秩父三十四観音・坂東三十三観音・西国三十三観音を合わせて百観音と言われていますが、関東に住んでいる人にとっては、距離的にも費用的にも日数的にも一番まわりやすく、始めやすいとも言われています。
巡り方はさまざまで、徒歩で巡る人もいれば、車やバスツアーを利用する人もいます。
ツアーも色々と出ていますので、自分に合ったものを選ぶのが良いと思います。
ツアーですと、有名どころ、2大巨頭は阪急交通社トラピックス、クラブツーリズムでしょうか。
③なぜバスツアーを選んだのか
今回、バスツアーを選んだ理由はとてもシンプルです。
効率よくお参りできることはもちろんのこと、ツアーには先達さんが同行してくださるので、お作法や歴史や注意点なども学べると思ったからです。
実際に参加してみて一人参加の人も多く、相席になったとしてもお話ししたりと楽しい時間も過ごすことが出来ました。
今はもうなくなってしまったのですが、私は西武秩父駅集合で参加したこともあり、新宿など主要な駅から出発するツアーもありますから、交通関連の時間を気にせず移動できることが何よりのメリットでした。
また食事つきもとても助かります。
お参りのどこで何を食べるのかというのは、結構悩ましいことでもあり、近くにコンビニや食堂などがないことも多いこと、また食事で秩父のグルメも楽しめるという良さもありました。
団体行動を気にする方もいらっしゃると思いますが、私は気にならなかったです。
それぞれが自分のペースで手を合わせ、必要以上に干渉しない距離感が保たれているのと、年齢層が高めなので(50代の私が最年少なのではないかというくらい)落ち着いた雰囲気のことが多かったです。
2023年に4回、2024年に2回と年をまたぎましたが、いつ、どこの札所から始めてもOKですので、自分のペースや都合で選んでいる方も多かったようです。
④用意しておいてよかったもの、あったらよかったもの
用意したもの
・和袈裟 ・数珠 ・線香 ・ろうそく ・チャッカマン ・お賽銭
・塗香(手水場がないときにも便利です) ・お経本 ・納経帳
・納札 ・写経したもの
白衣を着ている方もいらっしゃいましたが、なくても大丈夫です。
チャッカマンは風があるとつかないので、カバーがつけられるものを選ぶと便利です。
一般社団法人秩父札所連合会の通販サイトにはセットになった巡礼用品がそろっています。
その他、Amazonやネット通販など色々とあるので、見てみるのも楽しいです。
私は全行程をバスツアーで行くので、ツアー会社が納経帳を無料特典としてつけてくださっているもので御朱印をお願いしました。
ご自分で納経帳を用意されている方も多く、気に入ったものをお使いになると良いと思います。
服装は、登山をしているので、それをそのまま活用できて便利でした。
お寺は石の不安定な階段や段差も多いことから、スニーカーや底のしっかりとした靴で行くと良いです。
バッグは小さめのショルダーバッグなどを持っている方も多かったです。
四国お遍路の同行二人バッグを持っている方もいました。
暑い時期は水分補給は必須です。
初心者の分際で色々書きましたが、もっとベテランさんはいろいろなアイテムを駆使していらっしゃると思います。
便利アイテムがあれば教えていただきたいです。
⑤心境の変化
最初の数ヶ所は少し緊張していました。
お経の声もおぼつきませんでした。
観音様にお願いするというよりは、おまいりできたことの感謝の気持ちを伝えることを主に考えていました。
少しずつ慣れてくると、感覚として好きなお寺、空気感の違いなどを感じられるようになってきました。
そして、回を重ねていくと、おまいりを終えた後は気持ちがすっきりしていることに気づきました。
毎日の生活から少し離れて、おまいりという行動を通じて、自分をリセットできるようなそんな感覚にだんだんとハマっている自分を実感しました。
日常に戻っても何かがとても変わったということはありませんが、毎月コンディションを整えて、観音様にご挨拶に行くというルーティンが自分にとってはとても心地よいものでした。
加えて、自分の心の動きを丁寧に見ることが少しずつできている感覚になりました。
観音様に手を合わせることは、一旦自分の願いを託す、良い意味で固執しない、ゆだねるということでもあるのではと感じます。
そして、参加者の人たちはひとりひとり色々な願いや思い、ご供養など、それぞれの理由や願いがあって、秩父に来ているということもわかりました。
はるか昔に秩父をめぐっていた方たちも色々な願いや思いをもってめぐっていたのだと思うと感慨深いものがあります。
そして、今はこの便利な世の中で、楽しみながらお参りができるということにありがたい気持ちにもなります。
私は地図を読むのが苦手で、方向音痴なので購入した秩父の本などを読み直して、復習しています(笑)
御朱印が毎回手元に来ると、とても充実感があります。
スタンプラリー的な考え方はご法度ですが、やはり三十四観音様の御朱印が1冊に綴じられると達成感もあります。

次にめぐるときには重ね印を教えていただけるので、何度もお参りする方もいらっしゃいますね。
⑥秩父三十四観音まいりを検討している人へ
もし、いつかめぐってみたいなと思う人がいたら、一度はツアーに参加してみると良いかもしれません。
中には町中のお寺は自力でまわって、行きにくいところ(特に30番以降)はツアーを利用するという方もいらっしゃるようです。
信仰心がなくても、正しい巡り方を知らなくても、問題ないと思います。
知識がないという方は初回だけでもツアーに参加して、先達さんに教えていただくと要領がわかると思います。
バスツアーは、安心して一歩踏み出すためのよい入り口です。
そして、もしかしたら、本来のお参りという目的、厳密な意味とはズレるかもしれませんが、グルメや景色なども楽しみながら、今の自分を見つめられる、旅行とは一味違った醍醐味を味わえると思います。
⑦おわりに|巡礼は、自分と対話する時間。そして次は…
秩父三十四観音まいりは、若い頃に来た記憶をたどることもあって、意外と覚えているものだと感じました。
その中で特別な答えや何かを得たということはなかったのですが、自分と向き合い、毎日の生活におまいりというものがあることで、自分の内側にある静かな声に気づかせてくれたように感じています。
何か明確な答えやご利益があったのかというと、そうではないのかもしれませんし、ただ私が気が付いていないだけなのかもしれません。
ですが、答えがないところで自分なりに見つめるという時間がお参りの良さなのだと思います。
また、良いタイミングが来たら、今度は違う方法で2回目に挑戦してもよいかもと思いますし、そう思える場所があること自体が、心の支えになっています。
これはやってみた人にしかわからない感覚なのだと思います。
そして、2026年はご開帳なので、にぎやかになるでしょうね。
実はこのツアーの後半で、ある人が言っていたことが私の次のお参り旅につながった話がありまして、これはまた別の記事に書こうと思います。
⑧お寺の記録
ここからはお参りの時に撮った写真を載せていきます。
自分の記録として。
写真と記録がもしかしたら間違っているかもしれません。
再度見直し、編集しながらまとめて随時更新するので、ご容赦ください。
<引用・参考>
楽学ブックス「秩父三十四カ所めぐり」
一般社団法人 秩父札所連合会「秩父札所」
第1番 誦経山 四萬部寺
(ずきょうさん しまんじ)
宗派:曹洞宗
本尊:聖観世音菩薩



第2番 大棚山 真福寺
(おおたなさん しんぷくじ)
宗派:曹洞宗
本尊:聖観世音菩薩
ここは行かず、真福寺の納経所である光明寺へ立ち寄りました。

第3番 岩本山 常泉寺
(いわもとさん じょうせんじ)
宗派:曹洞宗
本尊:聖観世音菩薩


第4番 高谷山 金昌寺
(こうこくさん きんしょうじ)
宗派:曹洞宗
本尊:十一面観音菩薩

第5番 小川山 語歌堂
(おがわさん ごかどう)
宗派:臨済宗南禅寺派
本尊:准胝観音帝観世音菩薩

第6番 向陽山 卜雲寺
(こうようさん ぼくうんじ)
宗派:曹洞宗
本尊:聖観世音菩薩


第7番 青苔山 法長寺
(せいたいさん ほうちょうじ)
宗派:曹洞宗
本尊:十一面観音菩薩


第8番 清泰山 西善寺
(せいたいさん さいぜんじ)
宗派:臨済宗南禅寺派
本尊:十一面観音菩薩
札所巡りをしていると、印象に残るお寺というものがあります。
そのひとつがこちらでした。
こみねかえでが本当に美しいのです。
私が訪れたときはまだ今年の残暑が厳しく、青々としていましたが、紅葉の時期にまた来たいと思います。




第9番 明星山 明智寺
(みょうじょうさん あけちじ)
宗派:宗派:臨済宗南禅寺派
本尊:如意輪面観音
六角堂のお寺。



第10番 萬松山 大慈寺
(ばんしょうざん だいじじ)
宗派:曹洞宗
本尊:聖観世音菩薩



第11番 南石山 常楽寺
(なんせきさん じょうらくじ)
宗派:曹洞宗
本尊:十一面観世音菩薩







第12番 仏道山 野坂寺
(ぶつどうさん のさかじ)
宗派:臨済宗南禅寺派
本尊:聖観世音菩薩




第13番 旗下山 慈眼寺
(きかざん じげんじ)
宗派:曹洞宗
本尊:聖観世音菩薩




第14番 長岳山 今宮坊
(ちょうがくさん いまみやぼう)
宗派:臨済宗南禅寺派
本尊:聖観世音菩薩


第15番 母巣山 少林寺
(ははそさん しょうりんじ)
宗派:臨済宗南禅寺派
本尊:十一面観世音菩薩



一丸
第16番 無量山 西光寺
(むりょうさん せいこうじ)
宗派:真言宗豊山派
本尊:千手観世音菩薩





第17番 実正山 定林寺
(じっしょうさん じょうりんじ)
宗派:曹洞宗
本尊:十一面観音菩薩




第18番 白道山 神門寺
(はくどうさん ごうどじ)
宗派:曹洞宗
本尊:聖観音菩薩



第19番 飛淵山 龍石寺(ひえんざん りゅうせきじ)
宗派:曹洞宗
本尊:千手観音菩薩

第20番 法王山 岩之上堂
(ほうおうざん いわのうえどう)
宗派:臨済宗南禅寺派
本尊:聖観世音菩薩



第21番 要光山 観音寺
(ようこうざん かんのんじ)
宗派:真言宗豊山派
本尊:聖観音菩薩




第22番 華台山 童子堂
(かたいさん どうしどう)
宗派:真言宗豊山派
本尊:聖観音菩薩








第23番 松風山 音楽寺
(しょうふうざん おんがくじ)
宗派:臨済宗南禅寺派
本尊:聖観世音菩薩






第24番 光智山 法泉寺
(こうちさん ほうせんじ)
宗派:臨済宗南禅寺派
本尊:聖観世音菩薩








第25番 岩谷山 久昌寺
(いわやさん きゅうしょうじ)
宗派:曹洞宗
本尊:聖観音菩薩








第26番 萬松山 円融寺(ばんしょうざん えんゆうじ)
宗派:臨済宗南禅寺派
本尊:聖観世音菩薩





第27番 龍河山 大渕寺
(りゅうがさん だいえんじ)
宗派:曹洞宗
本尊:聖観音菩薩








第28番 石龍山 橋立堂
(せきりゅうざん はしだてどう)
宗派:曹洞宗
本尊:馬頭観音菩薩







第29番 笹戸山 長泉院
(ささとさん ちょうせんじ)
宗派:曹洞宗
本尊:聖観音菩薩











第30番 瑞龍山 法雲寺
(ずいりゅうさん ほううんじ)
宗派:臨済宗建長寺派
本尊:如意輪観世音菩薩






第31番 鷲窟山 観音院
(しゅうくつさん かんのんいん)
宗派:曹洞宗
本尊:聖観音菩薩










第32番 般若山 法性寺
(はんにゃさん ほうしょうじ)
宗派:曹洞宗
本尊:聖観音菩薩






第33番 延命山 菊水寺(えんめいさん きくすいじ)
宗派:曹洞宗
本尊:聖観音菩薩



第34番 日沢山 水潜寺(にったくさん すいせんじ)
宗派:曹洞宗
本尊:千手観音菩薩



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