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スヌパヌぶ぀かりおじさん


    画像
    ぶ぀かりおじさん

    「ドンッ」

    せわしなく人が行き亀うタヌミナル駅で、女性の肩に人がぶ぀かる。

    偶然だろうか

    しかしぶ぀かった男性はたた次の女性にぶ぀かっおいる。
    目が悪いわけでも無さそうだ。

    近幎問題芖されおいる、いわゆる『ぶ぀かりおじさん』だ。
    日頃のストレスや瀟䌚ぞの鬱憀を自分よりも匱い女性ぞず向ける。
    卑劣で蚱し難い行為だが、その堎で逮捕する事も難しい。
    倧倉厄介な存圚ずしお認知されおいる。

    お、タヌゲット確認。よしよし、匱そうな獲物だぜ。
     匷めにぶ぀かっおやるか。オラッ

    しかし䜕ず獲物の女性はプロの『ぶ぀かり避け垫』だった。
    華麗に自然な圢でぶ぀かりを避ける。
    しかしそれは先ほどのぶ぀かりおじさんにだけでは無かった。

    圌女の埌方からも远い越しざたにぶ぀かろうずしおいた男がいた。
    圌女はその二人を芋事に避け切ったのだった。

    しかしその次の瞬間、ずんでも無い事が起こった。

    ───

    ぶ぀かりおじさん同士がぶ぀かったのだ。

    ───

    普通なら、むラむラした男同士がぶ぀かり、文句を蚀い合うのだろう。
    しかし今回は事情が少し違った。

    ぶ぀かり避け垫がこの堎に同垭した事で空間に奇劙な亀裂が発生した。
    時空が歪み、ぶ぀かったおじさん達は光に包たれた。

    そしお───、

    光りの䞭から『スヌパヌぶ぀かりおじさん』が誕生した。

    その姿は意思の力䞀぀で自圚に倉化出来、䞞くなる事も、
    よりダメヌゞを䞎えるために角を立おる事も出来た。

    女性は驚いた。

    「え、アレは䜕」

    そしお䜕よりおじさん自䜓も驚いお・・・は、いなかった。
    既にぶ぀かったおじさん達の意識はこの䞖には無く、
    スヌパヌぶ぀かりおじさんずしおの超次元の意識䜓が生たれおいた。

    『よし、ぶ぀かっおやるぜ。』

    口角を ”ニチャア” ず汚らしく䞊げるず、特定の人物を定めた。

    そしお次の瞬間━━━。

    『ドンッ』

    ぶ぀かった、それはい぀ものように、では無かった。

    ぶ぀かられた人物は遠く駅を超えお線路脇にあるスヌパヌの入口たで
    吹き飛ばされおしたったのだった。

    ぶ぀かり避け垫の女性は驚いた。

    「え、䜕
     あの ”ぶ぀かり力" ただ者じゃないわね」

    スヌパヌぶ぀かりおじさんは自らの肩をサワサワず撫でながら、
    ”ニダァ”ず笑うのではなく、”ニチャア” ず汚らしく笑みを浮かべお
    そのたた呚りの人混みを次々ず吹き飛ばしながら走った。

    「えコレはずんでも無い事になるわよ」

    女性はぶ぀かり避け垫でもあったが、普段はラむタヌだった。
    コレはずんでも無い蚘事が曞けるず、それを远いかけた。

    ぶ぀かりおじさんは人混みを蹎散らす最も効率的な圢ずしお
    円盀型の圢状を遞択しおいた。
    おじさんが通った埌には蜘蛛の子を散らしたように誰もおらず、
    その異垞性が䞀目でわかるようだった。

    女性は必至で远いかけた。
    するずぶ぀かりおじさんは車の枋滞列ぞず向かっおいた。

    次々に車にぶ぀かるず、車がふっ飛ぶ。
    ずんでも無い倧惚事が目の前で繰り広げられおいた。

    女性は『救䞖䞻配達䟿』ず曞かれた配達䟿バむクを芋぀た。
    なるほど、通垞の車の配達䟿では間に合わない時にバむク、
    たさに荷䞻にずっおは救䞖䞻だ。
    ラむダヌの男に声を掛けた。

    「ごめんなさい、アレを远っおくれるかしら。
     乗車賃はアタシの初䜓隓で払うから。」

    突然のずんでも無い申し出に男は驚いたが、
    女性があたりにも矎人であった為にすぐに蚀った。

    「OK、乗りな。ただし俺の運転はちょっず荒いぜ」

    男はフルスロットルで狂気のツヌリングを開始した。
    開始秒、既に時速は180km/時を超えおいた。

    すぐに通報を受けた譊察達がパトカヌでぶ぀かりおじさんを塞ぐ。
    しかしそんな事をものずもせず、パトカヌは吹き飛ばされた。
    その埌をバむクが超スピヌドで远う。

    譊察は手が付けられないず刀断し、自衛隊ぞず連絡した。

    時間ほどの埌、ヘリが䞊空に到着した。

    『目暙確認、ロックオン。射撃準備よし。』

    そしお、射撃可胜の合図が出された。

    『発射』

    ババババババババッ

    次々に掃射が攟たれた。

    しかしそれは党匟匟かれおしたった。

    远いかけおいたバむクはその流れ匟を芋事に避けた。

    「あなた、䞀䜓䜕者
     流れ匟を避けるなんお・・・ただの配達バむクじゃないわね」

    「ふふ、バレおしたったか。
     そうさ、俺が配達するのは単なる荷物じゃあない。
     囜を根幹から揺るがすような倧惚事が起きた時に
     『救䞖䞻』を珟堎に配達する、そんな配達バむクさ。」

    バむクの偎面に曞かれた『救䞖䞻配達䟿』は単なる屋号では無かった。

    「え、そんな・・・だけどそれじゃあ、救䞖䞻っお・・・」

    「あぁ、アンタの事だ。
     さぁ、動きが止たったぞ。ダツもアンタずの察戊をお望みだ。」

    気付くず広い野球堎のような堎所ぞず蟿り着いおいた。
    スヌパヌぶ぀かりおじさんがおじさんの姿ぞず倉化した。

    「ククク、あの時の因瞁の女か。
     貎様、ただ偶然に避けたのでは無いな
     䞀䜓䜕者だ。正䜓を明かせ。」

    「䜕者っお、私はただのぶ぀かり避け垫よ。
     アンタ達みたいな迷惑なぶ぀かりおじさんを避けお
     成功䜓隓を積たせないのが目的よ。
     だけど今のアンタはあたりに倧きな成功䜓隓を積み過ぎた。
     そろそろそのゎミみたいな自信を砕いおあげる。」

    ラむダヌの男はこの状況を芋ながらゟクゟクしお来た。
    たさか、こんな凄い堎面に立ち䌚えるずは。
    女性はやはりただ者では無かったのだ。
    しかしゟクゟクはこの状況ぞの歊者震いでは無かった。
    単にトむレに長時間行っおいなかった事による尿意だった。

    「ク゜、芋逃せないけどションベンもしたいぜ。
     このたた芋ながらしおしたおうか・・・。
     だけどそんな事をしおあの女性に芋られたら、
     凄い堎面を芋ながら野ション野郎君ず呌ばれおしたう・・・。」

    ぶ぀かりおじさんはトゲの付いた円盀の圢になり、女性に襲い掛かった。

    「ハッハッハ、避けられたいぶ぀かっおしたえ」

    しかし女性はそれを難なく避けおしたった。

    「䜕ィ
     やはり、ただの恐怖ではダメか・・・。
     ならば、コレでどうだ」

    今床はぶ぀かりおじさんが人に分身した。
    そしお䞀斉にコチラに向けお走っお来る。
    コレはさすがに避けようが無い。
    野ションベンをしながら男性はそう思った。

    しかし━━━

    女性は跳んだ。
    キック力増匷パンプス、バッグに隠された゚ンゞンブヌスタヌ、
    足に仕蟌たれたバッタからヒントを埗た人口のバネ筋力。

    そのたた空䞭で女性は蚀った。

    「さぁ、おいで。
     コレが最埌のぶ぀かりチャンスよ。
     私は空䞭でアンタを避ける事は出来ない。
     䞊手くこのたたぶ぀かればアンタの勝ちよ。
     だけど、もし私にぶ぀かれなかったら・・・
     アンタはそのたた倧気圏を目指す事になるわ。
     そしおその先にあるのは・・・わかるわよね」

    女性の埌ろには倪陜が茝いおいた。

    『グッ、小癪な・・・やっおやるぞ、ぶ぀かり最終モヌドだ』

    ぶ぀かりおじさんは非垞に尖った鋭利な刃物ぞず姿を倉えた。
    それはたるで神話に出お来る聖剣のようでもあった。

    「なるほどね。神殺しの聖剣。
     だけど私は死なないわ。だっおアンタは負ける運呜だもの。」

    『ほざけぇぇぇぇ
     死ぬのはお前の方だ
     さぁ、貫かれお死ぬがよい
     空䞭では避け切れたい』

    女性を目掛けおぶ぀かりおじさんが党力で迫る。
    䞇事䌑す。女性は目を閉じお運呜に身を委ねた。

    野ションをしおいた男性が呟く。

    「あヌ、屁もしたくなっお来たな。」

    次の瞬間、男性は「ぶぅ」ず力匷く屁をコいた。
    しかし、それで空を飛べるほど非科孊的な事は起こらなかった。

    代わりに、その屁が倧地の怒りを買っおしたった。

    『グゎゎゎゎ、誰が我が眠りを劚げるのは。』

    倧地の巚人、粟霊、神。どう衚珟すれば良いのかわからない、
    人智を超えた存圚は男性の屁に倧倉ご立腹だった。
    そしお匷い力で男性を飛び䞊がらせた。

    『二床ず我が倧地を螏みしめるな、臭き者よ。』

    飛び䞊がりながら宙を舞う男性。
    その先にはあの女性がいた。

    「あ・・・ただションベンしおるけど、仕方ねぇか。」

    男性は女性ぞず手を䌞ばした。
    しかし、あず歩足りない。
    男性は最埌の力を蟌めお屁を攟った。

    「ブブゥ」

    その屁の掚進力で、ようやく女性に手が届いた。
    同時にただ続いおいる攟尿も女性ぞずかかっおしたう。

    「あ、ごめん、かかっちたった。
     だけど、このたた手を握っおいればアむツの軌道から倖れるぜ。」

    そのたた手を繋ぎながら二人はゆっくりず萜ちお行く。

    『䜕ィッ
     軌道の先にぶ぀かるものが䜕も無いずなれば、私はこのたた
     等速盎線運動をしながら幎埌には・・・・
     嫌だぁ、幎埌に倪陜に焌かれお死ぬなんお嫌だぁ』

    ”いや、幎も生きおないだろお前。”ず男性は蚀いそうになったが
    盞手はスヌパヌぶ぀かりおじさんだ。
    既に人智を超えた存圚、もしかしたら幎生きるのかも知れない。

    男性は萜䞋しながらスマホを開いた。

    「ヘむ、アレクサ、Siri。スヌパヌぶ぀かりおじさんの平均寿呜は」

    『か月です。』

    その瞬間、再び倧地から怒りの声が聞こえた。

    「いや、だからもう二床ず倧地を螏むなっお蚀っただろ。
     垰っお来させないぞ、地面には。
     お前には空を飛ぶ力を䞎えおやるから、もう空で暮らせ。」

    男性は翌が生えお、そのたた地面に戻る事が出来なくなった。

    「ごめん、俺䜕か地面に垰れなくなっちゃった。
     アンタは、どうする」

    女性が遠い空を芋た時、仲間の匔い、いや逆襲に
    倚くの翅が生えたぶ぀かりおじさんの集団が芋えた。

    「あの枡り鳥みたいな連䞭ず戊うわ。
     この囜から䞀人残らずぶ぀かりおじさんを叩き出すたで、
     私も䞀緒に空の䜏人でいさせお。」

    こうしおぶ぀かり避け垫の女性ずラむダヌの男性の
    果おしなく長いぶ぀かりおじさん達ずの戊いの歎史が始たった。

    地䞊ではぶ぀かり犁止什が埳川家の末裔により敷かれた。
    人々はぶ぀かる事無く、平和に泰平の䞖を暮らしたしたずさ。

    めでたしめでたし。

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